2011年6月21日火曜日

ベトナム・コーヒーの流儀【応用編】

先のエントリの【基礎編】では、珍しい金属のコーヒー・フィルターの説明がなかったので、まずはそれから。

下の写真は私が自宅に持っているもので、【基本編】の写真のアルミ製と違い、ステンレス製だ。最近は、サイゴンなど都会を中心にこのステン製が幅を利かせてる。問題は、その構造だが、下の左側の写真が完成型、こうして使うというもの。そして、右側の写真は、ご覧のとおり3つのパーツをばらした状態。
3つのパーツは、フタ(右上)、フィルター上部(右下)と本体(左)からなっている。このステン製の本体はこれで1セットだが、アルミ製の場合は、本体の下部についてる円盤状の部分が本体と離れているものが多い。本体の底には小さな穴、そしてフィルター上部のパーツにはそれより少し大きな穴がたくさんあいている。コーヒーの粉を、本体の穴の上に入れ、フィルター上部のパーツをその上にのせる。つまりは粉をこの2つのフィルターでサンドイッチにする。お湯は2つのフィルターを通って少しずつコーヒーが落ちてくるという構造になっている。この穴のサイズが違うところも小さなキモだ。そしてそれを蒸らすようにフタをするのです。フタは【基本編】でも書いたとおり、飲むときは、ひっくり返してテーブルに置き、漉し終わった本体をその上に置く。こうして若干ながら残っているコーヒーの雫を受け止め、テーブルにコーヒーが垂れるのを防止する。

このフィルターのオリジナルは、仏領インドシナ時代にフランスから伝わったらしい。当時はアルミ製のみ。今じゃ本国フランスではほとんど見ないが、ベトナムでは現役バリバリだ。それどころかステン製になったりして、進化し続けている。言わずもがな、金属製だからとても長持ち。

さて、【応用編】というと偉そうですが、要は甘いコーヒーが苦手な「私の場合」ということ。

先の【基本編】では、ベトナムでコーヒーを注文するときは、通常、以下の4パターンと書きました。

1.カフェ・デン・ノン(コーヒー・ブラック・ホット)
2.カフェ・デン・ダー(コーヒー・ブラック・アイス)
3.カフェ・スア・ノン(コーヒー・ミルク・ホット)
4.カフェ・スア・ダー(コーヒー・ミルク・アイス)

この4つでベトナムのほとんどの人たちは、事足りてます。でも、私の場合、これでは終われない。ベトナムでコーヒーに入れるミルクは必ずコンデンスミルクなので、上記3と4の2つのカフェ・スアはその時点ですでに甘い。ついでに言うと、このカフェ・スアにさらに砂糖を加える人も珍しくない。また、たとえ上記の1か2のカフェ・デン(コーヒー・ブラック)を注文しても、しばしば(溶けやすいという意味で、サービスよく)グラスの底に砂糖が入れられ、そこにコーヒーが注がれてサーブされる。つまり、上の4つのコーヒーはみんな甘いのです。甘いコーヒーが苦手な人はベトナムにはほとんどいないということ。南国だから、カロリーとらないと、ってところでしょうか。インドから中近東のチャイもみんな甘いですね。

難しく考える必要もないが、「砂糖抜き」という言葉をオプションで加えるのだ。

「コン」が「“not”または“no”」で、「ドゥン」が「砂糖」。
ゆえに砂糖抜きは「コン・ドゥン」となる。

何しろ、甘いコーヒーが苦手な人はほとんどいないので、しっかりと念を押すように「コン・ドゥン」と言わなければならないところがポイントだ。たいがいは「コン・ドゥン?」と聞き返されることが多いぐらいのことだ。

例えば、
カフェ・デン・ノン・コン・ドゥン
(コーヒー・ブラック・ホット・無し・砂糖)

となります。これで砂糖抜きのホットブラックコーヒーにありつけます。もちろん、これのアイス版は、

カフェ・デン・ダー・コン・ドゥン
(コーヒー・ブラック・アイス・無し・砂糖)

ここで一息・・・・。

すでにお気づきの方もいようが、上記の「砂糖抜き」はブラックコーヒーのみ。え〜、ベトナムのコーヒーは、深煎りで濃いコーヒーなのに、フレッシュミルクのカフェオレ(砂糖抜き)は飲めないの〜。

・・・・ということで、私の場合、これでも話は終わらず、まだ続く。贅沢だけど、(コンデンスミルクではない)フレッシュミルクのカフェオレをたまには飲みたいと思うのだ。それはまたこの次に。

いや〜、かなりマニアックになってきたぞー。

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