2012年7月4日水曜日

コーヒーとポケット


先週末、コーヒー入れてて気がついた。
コーヒー入れてるときって、必ず左手はズボンのポケットに突っ込んでいる、と。

目の前には、フィルターに入ったコーヒーの粉。右手にヤカンでチョロチョロ湯を注ぎながら、左手はポケットの中。

試しに左手をポケットから出してヤカンの湯を注いでみたら、何とも不自然な感じ。そして、再びポケットに突っ込んだ。ん〜、何かバランスが取れた気がして妙に落ち着く。ちなみに私は、冬場の寒い中を歩くとき以外、ポケットに手を突っ込む習慣はない。

ところで私がコーヒーを好きになったのにはキッカケがある。

30年前、私が大学生の頃、東京・九段下の喫茶店で、アルバイトをしていた。店が暇なとき、ホット・コーヒーだけはいつも飲めるという特典があった。そのアルバイトを始めた当初は、コーヒーは特別好きなものじゃなかった。その頃は、コーヒーに砂糖をスプーン1杯、ミルクを少々。でも、一日数杯のコーヒーを飲む日が半年も続くと、砂糖やミルクを入れるのが段々と億劫になった。そしてナシ・ナシ(ブラック)で飲み始めると、今度は砂糖とミルクがかえってない方が好きになった。大学の卒業が間近になりそのアルバイトを辞める頃には、コーヒーは毎日飲まないとならないものになっていた。

もう20年も前にその喫茶店は姿を消してしまったが、30年経った今でも、私のコーヒー好きは治まらず、毎日コーヒーを飲む。ドタバタしてることが多いウィークディの朝はインスタントながら、週末の朝は決まってちゃんと入れる。週末の開放感とともに、チョロチョロと湯を「の」の字に注ぎながら、その香りの中で過ぎていく何てことのない時間が好きだ。その時間のためには、左手はポッケでないとならない。

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