2017年9月28日木曜日

土嚢袋スタンド

今年8月7日付けで、「華やかなガーデニングの裏側」というタイトルのエントリを書いた。そのエントリの終わりに、土砂(再生ガラ)を入れて積んだ土嚢袋が、一年も経たないうちに、(たぶん主に紫外線で)経年劣化して、中身がこぼれ落ち始めている様子の写真を載せた。上の写真は、それと同じもの。これを「早いところ何とかせねばならない」。そして「UVカットタイプの土嚢袋を見つけた」というところで、そのエントリは終わっている。

次の課題は、上の写真でも分かるように、少し触ればポロポロと壊れてしまう土嚢袋に入った再生ガラを、どうやって新しい土嚢袋に入れるかだ。誰か袋を開いて持っててくれる人がいればいいのだけど、そうも行かず、作業は私ひとり。どうやって袋詰めしたらいいのだろう? 少し考えたら、昔、誰かが土嚢袋の口が開いたままの状態で立つように出来るスタンドを使っていたのを思い出した。もしかしたら、夢の中だったかも知れないと思うほど、記憶は曖昧だったが、ネットで検索してみた。すると、

・・・・あった。

これから始まる大変そうな作業を想定すると、「これは購入しておいた方がいいだろうな」と思った。と同時に、その形とサイズ、どこかで見たことあるように思えた。直径30センチぐらい、高さ50センチぐらいの円柱状。金属のフレームで出来ている。上面の円(輪)は、下面の輪よりやや小さい。平行したその2つの輪を垂直の棒4本で繋いでいる。上の輪の内側に土嚢袋の口を開いて入れ、袋の上部を少しまくって、上の輪に引っかける。中身を入れ終えたら、引っかけた袋の上部を戻して、(袋でなく)そのスタンドを持ち上げる。すると、そこには重い土嚢袋が立っているという寸法だ。

私のように作業を一人でやる者にとっては、至って好都合。ただ、涼しくなってきた8月末から9月中旬まではあいにく雨が多かった。それでなかなか作業に取りかかれず、購入を見合わせていた。その間に、たまたま行ったホームセンターで、見つけてしまった。植木鉢のスタンド。それがこれ。

ネットで見つけた土嚢袋スタンドとそっくりだ。「どこかでみたことあるような姿」とは、まさしくこれだった。(無意識に撮ったのだけど、この写真の右後ろに写っているメダカを飼っている睡蓮鉢のスタンドも似たような金属フレーム製のスタンドだ) サイズもちょうどよさそうだし、値段も土嚢袋スタンドより安い(700円ぐらい)。目の前にあるのだから送料も要らない。土嚢袋を装着すると、こんな風。
これで土嚢袋への充填の問題は解決しそうだ。厳密には、使い古したプラスチック製の衣装ケースを、フネ代わりにして、いったんグズグズの土嚢袋をその中にぶち込み、スコップで植木鉢スタンドに装着した土嚢袋に入れた。ん〜楽ちん。とは言え、こんな作業は、最後この借家を出て行くとき、この再生ガラを庭に戻すときだけにしたい、という思いが非常に強いので、先の黒色のUVカット土嚢袋の前に、一度普通の土嚢袋に入れて、二重にした。そして、元の場所に積み上げた。合計46袋、推定1.5〜2.0トン。
そして、この黒いUVカット土嚢袋の山を、さらにUVカットのシート(グレイ色)で覆った。
今考えられる最善策をとったつもり。一連の作業が終わり、疲れ切ったが、あの土嚢袋スタンド、いや、植木鉢スタンドには、大いに助けられた。

土木作業の話ばかりになってるが、これもこの借家で庭作り(ガーデニング)をするために必要なこと、ということを最後に付け加えておきたい。さ〜て、今度の土嚢袋は何年もってくれるかなぁ〜。

2017年9月11日月曜日

ゴキブリ対策の決定版、我が家の場合だけど。

きょうの最高気温は30℃ながら、東京はすっかり秋モード。
同じ30℃でも、「これからもっと暑くなるぞー、という30℃」と、「この30℃も最後かな、という30℃」では、こうも違うものかと改めて思う、きょうこの頃です。

去りゆく夏なので、タイミングとしては、遅すぎるとは思うのだが、来年以降の対策としてでも、お伝えしたい。きょうは、「これで我が家のゴキブリが、すっかりいなくなった」という実話。どの家にも当てはまるとは限りませんが。

我が家は、去年の春、引っ越してこの家に住み始めた。借家である。引っ越す前までは、数年間、誰も住んでいなかったということで、去年の夏は、ゴキブリ君には一匹もお目に掛からなかった。「この家は、ゴキちゃんいないねー」なんて話して一年が過ぎた。

しかし、今年5〜6月ぐらいから、ポツリポツリとゴキブリが出現し始めた。中学生の娘は、風呂場にいたというだけで風呂に入れないと、その都度私は呼び出され、丸めた新聞紙でバチンとしていた。そして、7月になると、その頻度は急増し、毎日のように登場するものだから、毎日のように私は丸めた新聞紙を持って風呂場やその隣の脱衣所へ行った。毎日バチンでも、毎日、それもときには複数の登場だった。

「(引っ越してきた去年は)全然いなかったのに、今年は急に増えたね。何故だろう?」などと話し始めた頃のある日。この話しを、たまたまとある元土木作業員の人にした。すると、彼は自分のゴキブリの思い出話をし始めた。

「昔、東京(23区内)の地下にある、人が通れるぐらいのでっかい下水管で仕事したことがあるんだけど、そのとき、暗い中、ライトで壁を照らしたらビックリしたよ。その壁にビッシリとゴキブリが何千匹と貼り付いていたんだもの」

聞いただけで、ゾッとするような話。で、この話を聞いて、私は思いついたことがあった。去年の引っ越し当初、玄関脇に屋根付きの自転車置き場を作ったのだが、その地面には高さの違うマス(マンホール)が2つ出っ張っているせいで、面積的には十分なものの、4台の自転車がきちっと置けないでいた。今年は、それを何とか平らにしようと私は思案していた。そのため、つい一週間ほど前、その2つのマンホールを開けてみたりもしていた。そこにゴキブリがいたわけではなかったのだが、先の下水管のゴキブリの話を聞いたとき、小さいながらそのマンホールを開けたときに見えた下水管の風景が、私の中で重なった。

下水管には、無数のゴキブリが生息しているという想像の下、「今年、急にゴキブリが増えたのは、今年になって、この下水管を伝わって我が家に侵入するゴキブリの獣道のようなものが出来たからではないか」と仮説を立てた。侵入する可能性としては、他に、玄関、窓(網戸の隙間含む)、換気扇があるが、そのうち換気扇は、フィルターで密封されているので消去。玄関、窓はあってもたいしたことはないだろうと思った。何せ去年全くいなかったのに、今年になって急増したのだから、玄関や窓からとは考えにくかった。

そこで、下水に繋がる排水口を、家中チェックした。台所、洗面台、そして風呂場。室内の排水口は、この3箇所だった。台所と洗面台のシンク下の排水管は、S字にくねっているので、まずゴキブリの侵入は無理。残るは、風呂場。ここの排水管はストレートだ。思えば、ゴキブリが出現したのは、圧倒的に風呂場とその隣の(洗面台付き)脱衣所が多かった。ターゲットを風呂場に絞った。

風呂場の排水口は、2つ。ひとつは、風呂桶の栓。これは簡単だ。風呂の湯を抜いた後、再び栓をしておくだけで、侵入を防げる。そしてもうひとつは、身体を洗う場所の排水が集まるところ。8センチほどのステンレスの円形の蓋。5ミリ幅ぐらいのスリットが何本も入っている。髪の毛が引っかかるような感じ。ゴキブリが通るには十分だ。ここに栓をしないといけない。最初は、栓をする適当なものが見つからなかったので、とりあえず手近にあった風呂桶掃除用の大きめのスポンジを置いて、蓋をした。

翌日の夕方、そのスポンジをどけたら、驚いた。ゴキブリが2匹、スポンジの下にいたのだ。2匹のゴキブリは、懸命にそのスポンジを押して隙間を作り、侵入しようとしていたように見えた。「これはもう、ここが入口だ」と確信した。スポンジだと頼りないので、次の日からは、密封するようにラップを貼り付けた。それが下の写真。
 この後、1〜2匹、パチンとしたが、おそらくそれらは、スポンジを置く前に侵入したものと思われる。なぜなら、それまで毎日のように出現していたゴキブリは、その後ピタリと姿を消したからだ。それが8月初旬。現在、それから1ヶ月ほど経つが、やはりゴキちゃんは姿を見せない。

ラップだと、3日も使うと穴が開いたり破れたりする。そこで、ホームセンターで、3ミリ厚のゴムの板を買ってきて、栓の形に切り取り、ラップの代わりに置いた。それを見た、ゴキちゃんに人一倍神経質な娘は、「このゴムの蓋では不十分よ。このステンレスの蓋の下には隙間があるんだから」と私が気がつかなかった隙間を指摘した。このステンレスの蓋は、指でパコっと取れるように、その下の一部に指先が入る隙間が作られていた。その隙間には、エアコンのチューブと外壁の穴の隙間を埋めるパテ(粘土)のようなものを少々拝借してきて、埋めた。下の写真で、丸い黒色のゴムの右下のグレー色した部分がそれだ。
たったこれだけと言えばこれだけで、我が家のゴキブリはすっかり姿を消した。よく、「飛んで来る」とか言うけど、「飛んで来る」数は知れてると思う。思えば、前の家でも、ゴキブリは風呂場に多かった。「ゴキブリは湿気を好むから風呂場にいるんだ」とばかり私は思っていたが、風呂場(の排水口)から侵入していたから風呂場に多かったという、もっと単純な理由だったのかも知れない。

もしも、ゴキブリが急に多くなったなと思ったら、家中の下水への排水口をチェックしてみてはいかが?

2017年9月8日金曜日

都会のタヌキ

2ヶ月ほど前、東京・立川市と昭島市の境にある我が家から数十メートルのところで撮影したものだ。(2017年7月26日撮影)住宅街である。タヌキだ。それも4匹。家族のように見える。写真ではわかりにくいが、肉眼では。左の2匹が親で、右の2匹が子供のように見えた。

この春先から、ときどきうちの子供たちが「小さいタヌキがいた」と目撃証言をしていた。その後、私も近所の猫が背中の毛を逆立てて何かに向かって大声で威嚇している声を何度か聞いた。そんな声がしたあるとき、窓越しに外を見たら、そのお相手は1匹の小さな小タヌキでだった。その小タヌキは、しばらくじぃーっとしていたが、怖がっている様子もなく、少しずつ動いて視界から消えた。そのとぼけたような表情からは、恐れているようには見えず、むしろ「うるさい猫だな」とあきれているように、私には見えた。

そして、冒頭の写真のとき、私は偶然にもカメラをカバンの中に持っていたので、慌てて撮った。あんまりハッキリした画像ではないが、これはどう見てもタヌキだろう。そのとき、私が向かっていた方向がタヌキがいる方だったので、ゆっくり近づくことになったのだが、ある程度距離が縮まると、4匹のタヌキは、すぐそばにある道路の側溝の蓋と蓋の隙間に入っていった。(上の写真の左側に電信柱があるが、隙間はすぐその裏にある) 雨、特に大雨が降ったら、雨水はこの側溝にジャンジャン流れ込んでいくのだがら、この側溝自体がお家になってるとは考えにくい。この隙間は単なる門みたいなもので、この隙間を通っていった先のどこかに、お家があるのだろうか。そう思うと、この側溝の蓋を剥がしてみたくもなったが、それは「やっちゃいけないこと」のように思えて、しないことにした。(後日談:2017年9月12日、30メートルほど離れた我が家の脇の側溝もそうなのだけど、この辺りの側溝は、土が埋まってしまっていることが多い。このタヌキの隙間のある側溝は蓋を開けてないので不確かだが。長年、人間が側溝の掃除をしてないからなのだが、そのせいでタヌキの住み家になっているかも知れない)

以前、このあたりで、夜中にハクビシンが3匹連なって塀の上を歩いていたのを見たことがあって、数年前のエントリに書いたことがあった。

●夜の訪問者(2009年8月5日)

こんな町にも結構暮らしているのだ、タヌキやハクビシン。そう思って、少し調べてみると、日経の電子版に下記のような記事を発見。東京23区だけでタヌキは1000匹いるっていうんだからビックリ。このへんにいてもちっともおかしくない訳だ。

●1000匹が23区に 東京でタヌキが暮らせる理由(2011/8/16付け)

「大手町のビルの自動ドアからタヌキが入った」っていうのは、漫画みたいで笑っちゃう。

この記事に出てくる「東京タヌキ探検隊!」のサイトが面白い。
http://tokyotanuki.jp/

まず、タヌキは東京がこんなになる前から、この地に暮らしていたということ。(おそらく、江戸時代以前は、人間よりも数多く暮らしていたのではなかろうか) そして、現在の東京でも、タヌキにとって、生息し続けられる環境があるからこそ、野生動物として生息している。だから、そんなタヌキを見守ろうと、このサイトの主、宮本拓海氏は訴えている。そして、その生態を探ろうと、目撃情報などを募集している。

また例えば、「タヌキに出会ったならば」のページには、「3つの原則」として、下記を掲げている。

・近づかない
・騒がない
・食べ物を与えない

また、「タヌキに限らず野生の哺乳類・鳥類を許可なく捕獲することは鳥獣保護法違反です」とも。

「人間は何事もなかったように普段通りにするのが一番です」、「タヌキにとって一番良いのは、現在の環境をできるだけ維持してあげることです」という。大事なこととして、保護が目的ではない。いたずらに生息数を増やしても、タヌキにとっても人間にとってもいいことではないハズだ。今の東京の環境とタヌキの生息数にはそれなりのバランスが保たれている。そんなタヌキは、どんなふうに暮らしているのか、それを知ることで、お互い無理なく仲良く暮らしていきましょう、という感じ。

なんかね。いいと思うんです。タヌキと共存していると思うだけで、ホッコリ出来る自分がいる。都会には、反自然的な殺伐としたイメージがつきまとうけど、そんな中にも、こうして暮らしている野生動物がいて、お互いに適度な距離を保ちながら共存している。ただ、うちの近所には、梨畑があって、今収穫の時季。その農家にとっては、タヌキは加害者かも知れない。そのへんお互いうまく折り合いがつくといいのだけど・・・・。

思えば、スズメ、そして広くは昆虫類も、似たようなことなんだろうが、タヌキやハクビシンなど、陸上の動物が住宅街で暮らしているとなると、また格別な感がある。同じ陸上の動物である猫や犬は、人間社会に取り込まれて暮らしているが、タヌキは、人間になつかない。そして、人間社会の近くではあるが、外側で暮らしているように思う。それは昔タヌキが里山で暮らしていたことと重なる。だから、民話などでタヌキはしばしば登場するのだ。絶妙とも言えるこの距離感が実にいいではないか。「今の東京の環境とタヌキの生息数にはそれなりのバランスが保たれている」というのは、何か大切なことのように思える。

春先には、タヌキといがみあっていた我が家の周りの猫たちだけど、最近は猫が毛を逆立てて威嚇するようなことはすっかりなくなった。タヌキたちは、この周辺の猫たちと「折り合い」をつけたかのようにも見える。これまでも取っ組み合いの喧嘩をすることもなかったので、この地の先輩である猫たちも、自分たちにとって悪いことではないと思い始めたのかも知れない。

冒頭の写真から約2ヶ月後(8月29日)が、下の写真。今度は、少し望遠がきくカメラで撮った。3匹写っている。4匹家族だから、少なくとも1匹は小タヌキのハズだ。もう大人のタヌキと同じような大きさになっている。