2018年7月17日火曜日

暑さで一緒になりそうな別件

先週のこと、東京のJR御茶ノ水駅のプラットホームを歩いていて、五千円札が落ちていた。先を急いでたので、「これを駅の事務室に届けに行って、状況説明して連絡先を書いたりなんかしていると、待ち合わせ時間に遅れちゃうな。どうしようかなー」と、足下の五千円札を眺めつつ思案してたら、横から来たオジさんが、腰をかがめてサッと拾い、下から私を見上げて一瞬無言で睨んだ後、そのまま足早に雑踏へと消えていった。もちろん、振り返ったりはしない。

これで待ち合わせに遅れる心配はなくなったものの、「トンビに油揚げさらわれた」感が残った。が、まぁ、気持ちを切り替えて、待ち合わせの秋葉原駅へと向かう電車に乗った。

ところで、私は今月6日に、新幹線で関西へ出張した。その日は、記録的な西日本豪雨。大変な被害なので、私の不便など取るに足らないものの、東京から新神戸へ向かっていたのだが、その広島行きの新幹線は新大阪止まりとなってしまった。新幹線はじめ、多くのダイヤは大きく乱れ、降り立った新大阪駅の構内は、払い戻しをしようとする人の何本もの長蛇の列と、行き先を失った大勢の人で、混雑していた。アナウンスは繰り返し、「本日の払い戻し分は、一年間有効です。改めての際にお願いします」と鳴り響いた。

そして帰京後3日たった、東京・JR秋葉原駅。先の御茶ノ水駅の直後、改札での待ち合わせ時間まで10分あったので、みどりの窓口をのぞいてみた。待ってる人が誰もいなかったので、先日の払い戻しを試みた。すると、対応した窓口の人は「この新幹線が新大阪止まりになった確認を取りますので、少々お待ちください」と奥に引っ込んでしまった。10〜15分過ぎ、待ち合わせの時間を過ぎてしまった。窓口に戻ってきたその人いわく、

「乗車券は、新大阪から新神戸までの分、そして、特急券は東京から新神戸までの分(5千数百円)が払い戻しになります」。

新幹線は3時間遅れたものの、新大阪までは行ったのだから、特急券も新大阪から新神戸までだけが払い戻しになると思っていたので、意外だった。

「えー、特急券は東京からの全線分が払い戻しになるんですか?」

と思わず質問。
するとその窓口の人も不安になったみたいで、再び「少々お待ちください。もう一度確認してまいります」。即座に私は、「今、実は待ち合わせの時間になってしまったので、いったんここを離れて、5分後に戻って来ます」と了承を得て、待ち合わせ場所へと向かった。5分後、窓口に戻ると、

「やはり、特急券は全線払い戻しと確認が取れました」。

まぁ、決まり事とは言え、5千円得した感じ。御茶ノ水駅の五千円と相殺されるような気がしなくもないと一瞬脳裏をよぎったが、いやいや、これは全くの別件だ。

そしてまたその数日後の先週末、私は知人と酒を飲んだ蕎麦屋に、帽子を忘れた。店に入ったときは陽差しが強かったが、出るときは日が暮れていたんだ。その帽子は、たしか五千円ぐらいで買ったもの・・・・。いやいや、これも全くの別件だ。

その2日後の月曜日(祝日)。

私は自宅近所の体育館にあるプールに行った。5枚綴りの回数券(1300円)を1枚ずつ切り取って使うのだが、入場の際、その券のウラに入場時間が印字される。(2時間まで追加料金なしなので) 30分泳いだ後、窓口で渡す印字された券が見あたらない。なくしたのだ。仕方なく、そのまま窓口へ向かうと、窓口の手前の廊下に100円玉が落ちているのを見つけ拾った。窓口はすぐそこだ。まずは自分が券をなくしたことを話すと、「何時頃、入場しましたか?」。「5時半ぐらいだったと思います」。「回数券でしたか?」。「はい」と、1枚だけ残った自分の「1番」の回数券(5枚綴りの最後の1枚・・・・冒頭の写真)の回数券を見せた。「2番」(5枚綴りの最後から2枚目)の回数券を持った窓口の人は、「あ、間違いないですね。更衣室に落ちてたみたいで、届けてくれた人がいました」。

「ええっと、別件ですが、これ、さっきそこの廊下に落ちてたものです」と、100円玉を渡した。

ホームに落ちてた五千円も、意外な新幹線の払い戻しシステムも、蕎麦屋に忘れた帽子も、プールでなくした券も、拾った100円玉も、みんなみんな、別件だ。でも、それらが皆、この夏の暑さに取り込まれた、ひとつの夢のようだっだ。あ〜、暑い。

早く蕎麦屋へ電話しなきゃ。

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