2019年1月24日木曜日

きょう夢の対決、ベトナムvs.日本

『ベトナムのサプライズを待っている』
いよいよ、日本時間で今夜、ベトナム対日本。私にとっては、夢の対決だぁ〜。

もう20年通い続けているベトナム。通い始めた頃、ベトナムの人たちは「何とかタイぐらい強くなれないかなー」と思っていた。ベトナム戦争終戦は1975年。南ベトナム・アメリカ側だったタイは、その戦争で潤った。だから、ベトナム人にとって、「東南アジアの雄」とも呼ばれるタイの経済発展を見る目は、日本人とは違う。「何とかタイぐらい強くなれないかなー」という思いも、そう単純なものではない。それが、今回のアジアカップという公式戦では、タイも残れなかった準々決勝まで進んだ。そして、今やワールドカップ常連国の日本と当たる。この1〜2年でグッと強くなったベトナム代表は、何しろ選手が若い。そして、勢いがある。去年8月、アジア競技大会では、このベトナム代表チームは、U-23の日本代表に1-0で勝っている。無論、パク・ハンソ監督の指揮・采配も大きい。彼は日韓ワールドカップ、ベスト4の韓国代表監督ヒディング氏の下でコーチをしていた。現役時代は、木村和司氏いわく、「よく動く選手だった」。

この10〜20年のベトナムの経済発展もスゴイ。10年ぐらい前、建設ラッシュの町中を歩いていて、ふと私の幼少時代(1960年代)の東京下町を思い出すことがあったが、今はもうそれをすっかり通り越している。ベトナムの人たちもそれは自覚していて、その勢いと今のベトナム代表チームの勢いを重ねてみてる人がたくさんいると思う。

ちなみに、ベトナムのサッカー観戦の熱は、日本の比ではない。例えば、特にサッカー好きでもない「カンホアの塩」の現地担当者でも、プレミア・リーグの首位は今どのチームかを知っているぐらいだ。そのベトナムにとって、いよいよ自国の代表チームが、アジアカップという公式戦で強敵ヨルダンを圧倒しながら、PKで勝っての準々決勝なのだから、もー、並大抵の盛り上がりではない。これで日本に勝ちでもしたら、国中、狂喜乱舞となるのはいいが、怪我人が出やしないかと心配になるぐらいだ。

周りの人から私は、「どっちを応援するの?」ときかれる。が、どうしても私には「どっち」というふうには思えない。日本代表にも愛着はあるものの、国民の期待を背にがむしゃらに頑張ってる若いベトナム代表も応援している。私にとって、この準々決勝はまさに夢の対決であり、何年先までも語り草になるようないい試合をしてもらいたいと、心底思っている。

さて、きょうの試合、ベトナムは中3日、日本は中2日で迎える。ベトナムは中3日とは言え、日曜日に延長含め120分やっている。しかし、選手のほとんどが20歳前後と若いので、回復力は日本より上だろう。一方、日本も、月曜日のサウジ戦ではかなり消耗したはずだ。その消耗と、イエローもらってる選手が何人かいるせいで、スタメンの半分は、サウジ戦から変わるんじゃなかろうか。日本はベトナムに勝つと次はイラン・中国の勝者だが、日本はそこまで考慮する気がする。若いベトナムは、怪我のない限り、前戦のメンバーがそのままスタメンなのではなかろうか。セットプレーで1点取られたものの、守備はとても安定してした。詳しくはないが、ヨルダン戦はベストメンバーだったはずだし、私の勝手な印象として、リザーブの選手を含めたスタメンのバリエーションまでの余裕はないのではなかろうか。

ベトナムからすると、1-0で勝つか、延長含め0-0または1-1でPK戦に持込みたい。ヨルダン戦のように5バックで守りに守って、何とか取った虎の子の1点を死守する。それはまるで月曜日、日本がサウジの攻撃を守りに守り切ったように。また、ベトナムはヨルダン戦、20〜30メートルから果敢にミドルシュートを何本も打っていたが、あれは日本の脅威になろう。ただちょっと気になるのは、ベトナムの若さがマイナスに働くことだ。例えば、前半にベトナムが先取点を取ると、残り時間たっぷりの中、若い選手たちが「勝てるぞ」と思っちゃったりすると、油断に繋がる。これはまるで、先のワールドカップのベルギー戦の日本のように。だから、理想を言えば、ベトナムは前半は0-0で折り返し、後半、それも残り僅かの時間帯に1点とれたらベストだ。0-0で終盤を迎えると、日本の方は焦ってくる。そこにベトナムのチャンスがあるかも知れない。そしてPK戦になれば、前戦でも勝ってるし、今の勢いのあるチームにとっては、イケイケの雰囲気になるだろう。

逆に、そんなシナリオにはしたくない日本からすると、なるべく早い時間に先取点を取りたい。もしも先取点を取って、1-0で後半20分もすると、攻めるしかなくなったベトナム・ディフェンスの裏狙いやカウンターで、日本はダメ押しの2点目を狙う。高さで劣るベトナムには、セットプレーは大事だ。また、サウジ戦から半分スタメンが変わると、攻撃の起点は誰になるだろう? 試合の流れが攻撃的になると、柴崎あたりが少し前気味になりながら絡んでくるか。

まずは立上り、絶対に先取点を与えたくないベトナムが、どのくらい守備的に入るかが最初の見どころだ。ヨルダン戦では、そんなに守備的ではなかったので、きょうもそんなに守備的にはならない思うのだが。日本に対しての戦術もあろうが、ベトナムには、いつもの自分たちのプレーを思い切ってしてもらいたい。その上で、前半0-0で終わると、若くて勢いのあるベトナムは、試合の中で、益々自信を深めながらプレー出来るだろう。そして、後半勝負。結果として、PK戦になったら、精神的にはベトナム有利と思う。そんなベトナムに対して、果たして日本は、先取点を取れるか?

日本時間きょう22時キックオフ。この夢の対決が待ち遠しい。

0 件のコメント: