2008年11月25日火曜日

自然薯のムカゴ

ムカゴと言えば、ムカゴご飯が一番一般的なメニューかと思うが、私はこいつを下ゆでした後サッと油で炒めて塩だけ振って食べるのが好きだ。ビールによし、日本酒によし。この日も調理法は一緒のムカゴ。で、一粒。「ん、ん、ん〜〜〜、味が全然違うぅ〜〜〜」。見たとこ確かにムカゴだが、粒が小さい。写真のとおり、だいたいパチンコ玉ぐらいのサイズだ。「これ、ムカゴなの?」と思わず調理したカミさんにきいてしまった。で、お答えは「それは自然薯のムカゴなの。全然違うでしょ」とニンマリ。ご周知のとおり、市販の普通のムカゴは長芋のものだ。サイズはこの3倍ぐらいはある。長芋と自然薯の芋の部分の味ももちろん違うが、ムカゴまでこんなに違うとは驚いた。いやむしろ味自体の違いは、ムカゴの方が大きい。元々、私が「油でサッと炒めて・・・」が好きなのは、(長芋の)ムカゴは味が淡泊なので、それを補うように油を使う。それで何となくちょうどいいコクが生まれ、その淡さを味わう。でも、この自然薯のムカゴはもうこれ自体に濃厚な味がある。これならカラ煎りするだけでいいかも知れない。これでこの季節の楽しみがひとつ増えた。

ところで、簡単に「自然薯のムカゴ」とは言うものの、その入手は大変だ。自然薯でさえ、どこでも売ってるものではないのに、そのムカゴとなると売ってるところがあるのだろうか。見たことない。ちなみに今回のものは「頂きもの」でした。あー、ありがたやありがたや。でも、一度自然薯堀りをしたことのある私としては、ひとつ言いたいことがある。

無論、自然薯掘りは大変だ。私の場合は、20cmぐらいの自然薯を掘るのに、直径1m〜1.5m、深さ1mぐらいの穴を掘らねばならなかった。しかし、スコップ持って山に入らなくても、ムカゴだけなら超カンタン。私は山歩きをしていて(そんなに山深くなくてもあります)、自然薯のムカゴらしきものを見つけたことは何度もあった。でもスコップは持ってないし、そんな時間もないので掘ろうとは思わなかった。またその場合、「(ムカゴとして食べるにも)小さいな」と思っていた。しかし、それは小さいものなのだ。これからはムカゴだけちょいちょいつまんで持って帰ることにする。それは下草が枯れた今がちょうどのタイミング。近々山歩きの予定のある方、また近くに自然薯らしきツルを見つけた方は、心にとめておいてください。そのぐらいの価値は十分にある自然薯のムカゴです。