2007年12月11日火曜日

パセリのおひたし


パセリって、余りがちですね。必要なとき一束買うと、使い切る頃には黄色くなり始めてたりして。また、舟盛りなんかに山ほど使われてるのなんか、ほとんど捨てられちゃうんじゃないかな。そんなときの我が家の定番は、このおひたし。普通に塩ゆでして、カツオブシ振って、お醤油で。すぐ熱がとおるから、茹ですぎ注意ですが、なんとも簡単。またカツオブシのグッとくる魚の味がパセリの青臭さととてもよく合います。天ぷらなんかにしてもおいしいけど、まずはひとつ簡単におひたしで。多少多くても茹でると小さくなっちゃいます。

パセリって、本来は「飾り」じゃない。プラスチックの飾りと同じように捨てられるのはかわいそう。ハーブとしてアクセントに使うと料理が一段おいしくなることがよくある。味は別だけど、例えばシソの葉やパクチーのように。でもアクセントなときが多いから、使うのは少量・・・「ん〜、余っちゃうな〜」。そんなときに、このおひたしが後ろに控えてくれてると、一束買うのに迷わずに済みます。また、ちょっとした庭先や、プランターでも栽培が簡単だから、そんなふうにちょっとずつ使うのもいいんですけどね。

2007年10月22日月曜日

枝豆の炒め物


先週、お客さんと商談をしに、井の頭公園(東京・吉祥寺)の中にあるcafeに行った。公園の緑に囲まれた、いわゆるオープンカフェの佇まい。気持ちのいいスペースなので、ときどき訪れる。そろそろ肌寒くなるこの季節には、膝掛け用の毛布が椅子にかかっているのも嬉しい。料理はアジア系エスニック料理で、アジアのビールもいっぱいある。このときは、ランチのビビンバをメインに注文したが、サイドオーダーで頼んだ「枝豆のニンニク・唐辛子炒め」がおもしろかった。ちょっと季節はずれの枝豆だけど、ビールのアテにと思って注文してみた。それは写真のとおり、殻付きの枝豆が、ニンニクと鷹の爪を抽出させたオイルで炒めてある。ちょっと空芯菜の炒め物風で、オイルは(たぶん)サラダオイル、そして塩味はナンプラーだった。私は、最初のひとつまみを箸で取って一旦口にくわえ、その後普通の枝豆を食べるように指で豆を押し出して食べた。当然、指にオイルが付く。それを見ていた、商談のお相手さんは「いや〜、昔女房が枝豆をこんな風に食卓に出したことがあって、そのとき手が汚れるからこれはあまりよくない、というようなこと言ったんですがね。こうして箸でつまんだまま口に入れても、殻の中の豆を十分食べられますね。ん〜、女房には悪いことを言ってしまった」と、不自由なく箸でパクパク食べ始めた。それを見て私も真似てみる。なるほど、指なんか使わなくても口の圧力で中の豆を簡単に食べられる。ただ、何となく「枝豆は手で食べるもの」という先入観というか習慣があって、指につくオイルを気にする前に、つい指で豆を押し出してしまっていたようだ。ほんのちょっとしたことけど、何しろ箸でこの枝豆を食べ続け、何の問題もない。

そして問題がない以上に、この枝豆料理のおもしろさに気がついた。殻の中の豆自体にはうっすらとした塩味しかしない。たぶん一旦塩ゆでされたものだろう。そして、料理の味は少しケバケバした殻に染みこんでいる。だから、殻ごとの枝豆を口に入れて、口の中の圧力で豆を押し出そうとすると、殻に染みこんだ汁をチュウーチューすることになり、その味が口の中に広がる。そして、そこにうっすらとした塩味の豆が加わって、全部が一緒になって噛んで食べる。この「一粒で二度おいしい」感覚は楽しかった。ナンプラーのクセもピッタリマッチ。会計の際、お店の人に「これってどこかの(国の)料理なんですか?」と聞いたら、「いえいえ、うちのオリジナルです」と笑顔で答えてくれた。もう枝豆の季節は終わりだけど、来年にはやってみようと思う。食べきれなかった冷蔵庫の枝豆の再生にもなるし。でも、この料理のときは、出来たら枝豆を硬めに茹でてオカ上げしておいて、さっと炒めてちょうどよくなるようにした方がいいだろうなぁ。クミンやカレー粉でもイケルだろうなぁ。帰りの電車の中でいろいろ考えてしまった。

2007年10月1日月曜日

鮎づくし



東京は1週間前までは暑かったが、昨日はそぼ降る雨でやや肌寒いぐらい。もうすっかり秋な感じの中、「鮎づくし」を食べに武蔵五日市駅近くの「川波」という料理屋さんへ向かった。「鮎づくし」は、この夏に行こう行こうと思ってたものだったが、ついに夏には間に合わず。しかし、天然鮎はギリギリセーフで、何とか間に合った。このお店は、秋川の河原沿いで、お店の裏口の木戸を開けると、すぐそこが河原。「朝、釣り人が自分で食べきれない分を売っていく」という女将の話だ。ちなみに、今年6月21日付けのこのブログに出てくる川魚料理屋さんとはまた別のお店です。悪しからず。

さて、仕事がら塩のことが気になるが、テーブルの上にはJTの食卓塩。塩焼きやうるかの塩もイマイチで少しガッカリ。でも、それを除けば、料理はどれもおいしかった。うるかは(塩はともかくとして)フレッシュな内臓の苦味とうま味。一番の感動は、お造りの「鮎背ごし造り」だった(小さい方の写真)。その朝捕れた鮎の内臓を取り除き(内臓はうるかにまわったであろう)、身を厚さ2mm程度に輪切りにスライスされたもの。ホントについさっきまで川で泳いでいたようなワイルドな味にビックリ。天然鮎の香り・クセ・食感がたまらない。食べてると熊かなんかになったような気分にもなった、いやなれた。この「鮎背ごし造り」、料理としては、酢みそで食すようになってたが、塩でおいしい。また同席した人は「醤油もイケル」と言っていた。おそらくお店としては、そのワイルド感を和らげて食べやすいように酢みそ、ってことだろうけど、鮎が好きな人には、塩または醤油の方がおいしいかも知れない。また、不思議に感じたのは、揚げ物に出てきた鮎の天ぷら。背開きになった稚鮎の開いたところにマッシュポテトが塗りつけられていて天ぷらになってる。ジャガイモと鮎の意外な出会い。ちょっと洋風に感じた不思議な味だった。このお店、「夏は鮎、冬は猪料理」が売り。猪は「朝、猟師が自分で食べきれない・・・・」とはいかないだろうが、楽しみだ。霧雨が降り続く中、夏を惜しんで静かな気分で帰路についた。

2007年9月6日木曜日

水かけご飯


厳しい暑さが去ったと思ったこの1週間ほど、雨が続き、すこぶる蒸す。いわゆる不快指数は高いに違いない。こんな食欲が衰えたとき、私が決まってすることがある。水かけご飯。ご飯は炊きたてでも冷や飯でも大丈夫。炊きたてのご飯はもったいない感じもするが、ご飯の香りがいいし汁は冷たくご飯は温いという微妙な線も楽しめる。ただし、氷を使うところがミソだ。ご飯の上に製氷器の氷を数個のせて、氷の上に水を少しずつかける。当然、あと大事なのは、トッピング。写真は梅干しとウルカ(鮎の内臓の塩漬け)だけど、この他、クサヤ、塩鮭、スズコ、キュウリやゴボウの味噌漬け、シソの実の塩漬け、山椒の醤油漬け、糠漬けなどなど、そのとき冷蔵庫にあるものでかなりのバリエーションが楽しめる。そして何より、どんなに食欲がなくともスルスルと入るその感覚は、やってみないと分からないだろう。

元々この水かけご飯は、子供の頃、お袋が冷や飯に水をかけて食べさせてくれたのがキッカケだった。その後、自分なりにいろいろアレンジしてみた。あと、水の代わりに冷たいお茶でもおいしい。緑茶、番茶、玄米茶、中国茶など、濃いめに出した急須の熱いお茶をたっぷりの氷にかければ冷たくなる。もちろん出し汁でもいいけど、そこまで凝らなくても十分においしいと思う。トッピングによっては、薬味にワサビや柚胡椒なんかもいける。暑苦しいとき、そうめんの湯を沸かすだけでも抵抗あるとき、お釜の残りご飯と漬け物や冷蔵庫の残りものでササッと出来てスールスル。是非、お試しあれ。

2007年8月30日木曜日

胎盤の味


先日、息子が産まれた。自宅出産。いわゆる出産予定日の8日後だった。「予定日の1週間前後には生まれるだろう」との予測のもと、出張を予定日の1週間後から組んでいたため、残念ながら今回私は出産に立ち会えなかった。母子ともに無事の出産からちょうど1週間後、赤ちゃんとの初対面と家族との再会を楽しみに出張から帰った私を、意外にも待っていたものがあった。

冷凍保存された胎盤であった。昔から「身体にいい」とか「おいしい」とか聞いたことがあったが、出産に立ち会ってくれたカミさんの姉が「はい」とテーブルの上にワサビ醤油とともに出してくれた赤いモノを見ると、何とも特別で不思議な感じ。猛暑の最中だったし、量も10g程度だったので、すぐに自然解凍されたものだった。

ペロリ。

香りはない。食感は柔らかめの赤貝と言うか生のレバーと言うか。味はいたって淡泊でワサビ醤油の味が勝ってる。「肉っぽさ」はまるでない。淡泊でもヒラメのようなうま味や赤貝のようなクセがあるわけでもない。何とも例えようがないんである。ただただ特別な緊張感があって、その微妙な味が分からなかっただけなのかも知れない。

胎盤を食う。それに対する反応は人さまざまである。「涙が止まらない」「絶対に出来ない」という人もいれば、「あれはうまいね〜」、また縁起物のように「食うと風邪ひかないんだ」と言う人まで。私は、涙も出なければ抵抗感もほとんどなかったけど、「うまい」とも思わなかった。でも、その独特の緊張感や地球の外から来たものを食べているような説明できない特別な感覚を味わった。今思い返しても、その味がしなかったのか、感じられなかったのか分からない。生まれたての赤ちゃんは特別だ。抱いていて、この子の全てを正しく感じる。胎盤を食うことなんか「何のこと?」って思ってるんじゃないかな。

2007年6月21日木曜日

暑い里芋


3週間ぐらい前、ある料理屋さんへ行ったら、里芋の料理が出た。同席した人に、ぼくが「里芋、好物なんですよね〜」と言うと、「でも、今じゃないですよね」とつれない反応。確かに里芋と言うと、芋煮会とか秋のイメージかも知れない。でも、暑さを感じるこの季節になると、どうも里芋が恋しくなる。

それは、もう20年以上も前にタイにいたときのこと。何も特別なことはないある片田舎の食堂に入った。暑くてやや食欲がなかったので、カレーを注文。出てきたのは里芋のカレーだった。特に意識することなく食べ始めたが、「うまいな〜」と思いながら「こりゃ何だ〜」と意識したら、里芋だった。日本では、里芋もカレーもとてもポピュラーだけど、里芋のカレーはあまり見かけない。でも、これが大変うまい。里芋のネットリ感や土っぽい素朴な味わいがスパイシーなカレーととてもよく合う。その後、ちょっと調べてみると、里芋の原産地はどうもこの東南アジア界隈らしい。(思えば、カボチャだって「カンボジア」が原産とは有名な話?)このときを境に、ぼくの里芋感は変わり、暑い季節の根菜となった。だから、先日料理屋さんで里芋が出たときは、ちょっと嬉しかったんですね。ちょうど暑くなりかけてたし。

家に帰って、ときどき築地へ行くカミさんに「ねぇ、今築地に里芋って出てる?」と聞くと、「まだ高いけど、出始めてるよ」とのお答え。実は、3週間前に行ったその料理屋さん、川魚料理が売り。なのにぼくらが行った5月下旬は鮎の解禁直前。川魚は、鯉のあらいのカルパッチョだけだった。板前さん、気張ってハシリの早生の里芋を使ったんだろーなーと思うと、何となく板前さんと里芋が不憫に感じられた。その思いを引きずっていたぼくは、夕べ、オーソドックスに里芋を蒸して塩で食べた。「ん〜、やっぱりおいしい」 フーフーして食べる芋煮会もいいけど、暑い中、食す、キヌカツギやカレーもおいしいよな〜。

2007年6月14日木曜日

竹寺


1週間ほど前、埼玉の竹寺というお寺で昼食を食べた。埼玉にしては結構な山の中にある。精進のそば定食、1500円だったか。「きょうは天気がいいから竹寺行きましょう」ということで、地元のお客さんに連れてってもらい、おごってもらった。そばと言えど、精進だから、そばつゆも鰹の香りはしない。自宅でもたまに精進のそばつゆで食べるので、やや自分ちで食べてる感じもした。写真にあるとおり、そば切りは緑色。竹だか笹の粉末が練り込んであるらしい。ややつるっとした食感だった。この定食で一番印象深いのは、何と言っても写真のやや奥にある天ぷらだ。柿の葉・桜の葉・紅葉の葉・ウドetc.。この手の天ぷらはやっぱ塩だろー、ということで、塩を頼んだ。(頼まないと出てこない。)微妙な滋味深い精進ならではの味は、静かな感動があった。1週間前なので、細かには覚えてないが、その他聞いたことのない名前の山菜もとってもおいしかった。車でないとなかなか行けないところだが、県道から山道を入り、徐々に道が狭くなり、さらに舗装もなくなりで、盛り上がり感があった。このお寺の食事を語るには、このロケーションの説明は欠かせない。文字通り、周りを孟宗の竹林に囲まれた、小高い山の中腹ぐらいにある。受付はお札を売っているようなところ。そのとなりに宿坊のような木造の建物があり、その中で食べさせてもらう。初夏の風も非常に気持ちがいい。また、よほどの団体でない限り相席になるので、旅すがらに少しの縁のあった方々とちょっとした会話になる。これもこの竹寺での一興だ。仕事がらみで行ったけど、しばし仕事を忘れ、短い時間ながら、久しぶりにいい時間を過ごせた。仕事のそのお客さんには本当に感謝である。

ところで、何年か前、韓国へ行った際、知人に連れられ、光州から車で2〜3時間行ったところの尼寺へ行った。そこでも韓国風精進の食事を出してくれたのだが、竹寺で食事をしている間、その尼寺のことを思い出した。どちらも身近な葉っぱや草が食材で、料理屋とは違うホスピタリティー。それは何なのだろう。人や周りの雰囲気もそうだが、両方のお寺の料理にもそれを感じた。「おいしさ」について、また改めて考えさせられた竹寺だった。

2007年6月5日火曜日

空豆の丸焼き


空豆は大好物だ。寒さも遠のき、気持ちがゆるくなるこの気候にマッチしているせいかも知れない。ぼくの感覚で空豆は、冬野菜と夏野菜のちょうど間のようなもの。冬野菜の滋味深さと夏野菜の青さやみずみずしさが同居している感じだ。いつもはオーソドックスに軽く湯がいて塩をつけて食べるが、この日は「丸焼き」。空豆は思いの外、火が通りやすいので、湯がくときもそうだけど、火が通りすぎるとその魅力は半減する。この「丸焼き」のポイントは、強火で短い時間に火を通すこと。普通の魚焼きのグリルで十分おいしく焼き上がる。そとの皮が焦げれば、中はちょうどいい感じ。やはり茹でるより味が濃いし、塩茹ででは味わえないコゲの香ばしさも食欲をそそる。ん〜、やはり最初は塩だけで。おいしいなぁ〜。オリーブオイルもとってもあう。ビールだと枝豆感覚。お酒だと料理屋さんの突き出し感覚。

ところで、空豆にオリーブオイルと言えば、イタリアにも空豆とそっくりものがある。名前は忘れた。イタリアではそれを主に生で食すらしい。実は先日、それを入手して生で食べてみた。ほとんど空豆と一緒。その直後に、(日本の)空豆を生で食べてみた。「なんだ〜、同じもんじゃねーかー」って感じの味・食感だった。そして、2〜3日後の週末、日本の空豆と白シメジのスパゲティをアンチョビのソースで、その後日はフードプロセッサーで豆乳と合わせスープに。短い時期の食材だけど、その分、集中して食べる空豆。そのおいしさは限りない気になってしまう。

2007年5月28日月曜日

のれそれ


この時期に出回る、のれそれ。穴子の稚魚だ。多くの場合、刺身でワサビ醤油かショウガ醤油で食べるものだろうが、この晩はカミサンがカナッペ風にしてくれた。塩とオリーブオイルとバルサミコ、それを水菜で和えて、カリッとさせたバゲットのスライスの上にのせてくれた。のれそれの繊細な淡い味も好きだが、ヌルッとしてややコシのある独特の食感がまたいい。塩とレモン汁であっさりとというのが我が家の定番ではあるが、この日はオリーブオイルとバルサミコでコクを出し、ひと捻りさせた。好きな酒(日本酒)を常温で頂いた。が、この料理は、あまり香しくないサラッとした白ワインがもっと合ったかも知れない。残念ながら、そんなにいろいろな酒をストックするには、狭い我が家じゃ難しい。

ところで前日(金曜日)に主に食関係の食事会に行った。その席にいらした魚屋さんと少し話をした。「今は何ですかね?」というぼくの不躾な質問に、彼は「真鯛です」とキッパリ答えてくれた。「真鯛と言うと、桜鯛。2〜3月頃って感じがしますが、今(5月末)なんですか?」と尋ねると、「2〜3月の値段はピーク。5月になったって、真鯛はうまい。だから、今は食べどきですよ」と教えてくれた。