2015年5月15日金曜日

木更津の潮干狩り(おまけ編)〜渋滞とビール

木更津の潮干狩りについてのエントリが続いたが、最後におまけ編として、交通渋滞について。ピークと重なったときは、それはそれは大変なものだ、という体験談だ。

潮干狩り場の選択、当日の天候や料金など、潮干狩りの要素はいろいろあるが、特にゴールデンウィーク中の潮干狩りとなると、この渋滞の要素は重い。

私たち家族は、東京の立川出発7時半の木更津へのバスツアーだった。往復とも一番前の席だったので、添乗員がiPodでリアルタイムの渋滞情報をチェックしながら、運転手と相談しつつルート選択している様子が手に取るように分かった。いろんなルートがあるが、各分岐点の5分前ぐらいまで様子を見てから決めていた。

結局往路は、立川→中央高速→首都高・三宅坂→平和島→大師ジャンクション(で、わざわざ一度高速を降りて)→(あえて一番近くない入口から)東京湾アクアライン→木更津、のルート。大まかには、湾岸経由のルートもあったが、ディズニーランド渋滞がすごかったらしい。また出来たばっかりの中央環状線も通らなかった。何しろアクアライン経由で、まー何とか3時間半。その日は、木更津の浜に潮が満ちてくるのが午後1時半だったので、何とかギリギリ2時間の潮干狩りが出来た。復路の途中、添乗員からの情報によると、この日、都内発の日帰り潮干狩りのバスツアーで、4台のバスが、渋滞で干潮に間に合わず、潮干狩りが出来なかったとのことだった。それをマイクで客に知らせる添乗員は誇らしげだったし、私たちは「ラッキー」と思わないわけにはいかなかった。渋滞は、ときには潮干狩りが出来なくなるぐらい重い要素なのだ。

そして帰路。潮干狩り場の潮が満ちてきた1時過ぎから昼食をとっての3時ぐらい、つまり最も渋滞するであろうタイミングでの、東京湾アクアラインの入口。潮干狩りを終えた車を始め、大量の車がアクアラインに集中した。この渋滞が凄まじかった。渋滞に到着した直後は、30分してもバスは動かなかった。添乗員が「トイレが心配です」とマイクで言う。たまたまその道路の脇に量販店があり、乗客はそこのトイレを拝借となった。トイレへ行っても、何メートルしか動いてないから、よく言えば楽チンでバスに戻ってこれる。分かりますか。この渋滞は、アクアラインの入口を中心に、タコ足状のびているから、その末端はほとんど動かない。そして、少しずつ進み始めると、かなり徐々にではあるが加速度的に進む。そういうタイプの渋滞だ。そして1時間後、数十メートル進んだバスは今度はコンビニのすぐ横に。添乗員がそのコンビニにトイレがあるかどうかを事前にiPodでチェックしていた。「はーい、そのコンビニにはトイレがあるみたいです。行きたい方は必ず行ってください。今度はいつになるか分かりませんので」。私は、トイレ拝借後、マナーとして、アイスクリームを一個買った。

まー、こんな具合だから、気持ちとしては、「きょうは家に帰れるのかなぁー」っていう感じ。この潮干狩りを計画した当初は、自家用車で行こうと思ったが、渋滞が気になり、バスツアーに切り替えた経緯がある。そのときは、「自分で運転しなくていいんだ。ちょっとやそっと渋滞しても、ビールでも飲みながらダラダラしてたらいいや」などと考えていた。でも、それは全くの誤りだった。

まず第一に、通常は都内から1時間ぐらいのバスツアーのバスにはトイレがない。そして、ひどい渋滞と言っても、現実的には、可能性としていつ動き出すかも分からないという状況が続く。つまり、ビールなんてもっての他。酒類であれば、せいぜい蒸留酒をチビチビやるぐらいが関の山。でも、私の場合、蒸留酒をチビチビやると、水を飲みたくなるし、何しろ酔う雰囲気でもなく、酒類は飲めない。「ビールでも飲みながらダラダラしてたらいいや」なんて夢のまた夢だった。

・・・・てなことを思いながら、渋滞中のバスに乗っていたら、継続的に少しずつ動き始めた。東京湾アクアラインの入口が近くなってきた頃だった。帰路のバスに乗り込んでから、3時間以上が経過していた。出発してから2キロは進んだろうか。もうすぐ日も暮れる。アクアラインに入ると時速20〜30キロぐらいで動き出し、海ほたるへ入った。自家用車の長ーい車列を横目に、バスは大型車専用の駐車場に入れるので、スーイ・スイ。このときばかりは、バスでよかったと思った。

冒頭の写真は、海ほたるへ入る直前のアクアラインで撮った都心。砂漠の蜃気楼のように幻想的だった。でも、これを見るために連休中にアクアラインにのりたい程じゃぁーないが。

さて、ゴールデンウィークの干潮時に是非とも木更津へ潮干狩りに行きたい都内の貴方へ伝えよう。

1.最悪なのは、渋滞を考えずに自家用車で行くこと。
2.それよりは、バスツアーが楽。(クラブツーリズムの添乗員のお兄さんは、「潮干狩りは、バスツアーですよ」と自信ありげだった)
3.バスツアーでも、ビール一缶も飲めないのが嫌な貴方は、電車を考える。(私は経験がないが、すいてるハズはない。木更津駅からの渋滞には気をつけた方がいいだろう)
4.自家用車なら、思いっきり早くに出発し、潮干狩り場に一番に入り、一番に潮干狩りを済ませ、とっとと午前中などに帰路につくべし。無論、思いっきり早く出発したつもりでも、渋滞などに巻き込まれ、潮干狩り場に一番に入れないときもあるだろう。それが心配なら、木更津には、前日に到着し、一泊して、是が非でも一番に潮干狩り場入りをし、のんびり昼飯なんて考えずに、帰路につくしかない。

Good Luck.

木更津の潮干狩り(本編)〜貝の固まりと網袋

さてさて、先のエントリの続き、木更津の潮干狩りだ。私は小学生のとき以来なのだけど、そのときの経験を覚えていて、それが役に立った。今も昔も変わらなかった。それがよかったか悪かったかは別にして。

先のエントリ冒頭の写真のように、あれだけの人が潮干狩りをしているのだ。アサリ・ハマグリは自生ではなく、当然のことながら、人の手で撒かれているだろう。潮干狩り場の干潟に入った私たちは、まずは足下の空気穴がポツポツ空いているところを熊手で掻く。誰もが掘ったような場所だ。これを続けていると確かにたまに捕れるのだけど、たくさん捕ろうとしたら、こんなことしてちゃダメだ。私は、カミさんと子供2人をもっともっと人が来てないような入口から遠くの場所へと誘う。でも、3人は、たまに出現するアサリが嬉しいので、私に文句を言う。「私たちを置いて一人で勝手に行くな」と。それでも私は一人でどんどん遠くへ行こうとする。「こんなところにいては、MAXの6キロは捕れないぜ」と一人でも私はどんどん進む。バスツアーなので時間が限られている。特に、この日は、何でもない日なら東京から1時間で着くところを3時間半かかっている。とまぁ、欲と隣り合わせのストレスを感じながらも、帰り時間は迫ってくる。

そして、ついに、到着した。撒いたであろうアサリ・ハマグリの場所。それが冒頭の写真だ。分かりますか。この固まり。熊手が置かれているあたり。

もしも私がここで貝を撒く仕事をしていたら、どうやって撒くか、想像してみる。それは、潮が満ちて干潟に十分な海水が満ちてから、船で移動しながら撒くだろう。撒くときは、アサリやハマグリを一粒ずつ撒いていたら日が暮れる。おそらく、バケツのようなものに一杯にして、水を撒くようにバサーバサーと撒くだろう。ということは、そのバケツ分のアサリが固まっている場所がある、ということになる。それが上の写真なんではなかろうかというのが私の推測だ。そして、ひとつの固まりを見つけると、その2〜3メートル先には、また別の固まりがあったりする。おそらく次に撒いたバケツ分の固まりだ。

もう少し写真をアップにしよう。
もう、貝と貝がくっついてギッシリと砂に埋まっている。こうなるともう探す必要はない。この場所を見つけたら、ただただ貝を網袋に入れ続ければいい。

でもね。
そもそも潮干狩りってこういうものだろうか?

たまたま、この固まりを見つけた隣合わせた家族のお父さんが、「おーい、こっち来いよ。いっぱいあるから。どんどん捕れるぞー」と興奮気味に娘さんを呼んでいた。すると、彼女は、「えー、パパ、この貝おかしいよ。こんなに固まりになってるハズないじゃない。気持ち悪いからこの貝捕るの止めようよ」。そう言われたお父さんは「そぉかー」とか言いながらしばし捕り続けた後、残念そうにその場を立ち去っていった。

んー、難しい。「この潮干狩り場の貝は、みんな人が撒いたもんだよ」と、わざわざ子供に言うのもねー。かと言って、せっかく来たのだから、捕れるだけ捕ったるぞーという気持ちにもなる。少数でも「見つけた感」を大事にするか、ガッツリ捕って充実するか。裕福系の家族は前者であり、貧乏系の家族は後者なのかな〜。

うちの子供たちも、その隣合わせた家族の娘さんのように、固まりに着くと、それまでたまに見つけてたときの「見つけた感」は完全に薄れ、砂遊びを始めたりしている。まー、「気持ち悪いから止めようよ」とまでは言わなかったし、貧乏系のカミさんと私は、ひたすら貝を捕りまくった。「何のために来たのか? 子供たちが潮干狩りしたいって言うからさ‥‥」と自問自答をしながら。それでも時は過ぎ、バスに帰る時間が迫り、計測場へと向かった。そしたら、何と計ったようにMAXピッタリの6キロ。ああ、貧乏系の満足感。下の写真はその一部。これで3キロぐらいかな。
そして、下の写真が、翌日自宅で砂抜き中の6キロのアサリ(と、少しのハマグリ)。塩はもちろん「カンホアの塩」。きっちり計って、海水と同じような3%の濃度にする。
活き活きと潮をピューピュー吹いてるアサリたちを見ていると、子供心が湧いてきて楽しくなる。似ているが、ひとつひとつ違う柄なところがたまらず、見ていて飽きない。まるで公園の鳩の群れのようだ。中にはカタツムリのように歩いてるアサリもいる。ちなみにこのステンレスのボウルは業務用で、直径70〜80センチほどある。一家族にとって6キロは大量だ。一家族だけで食べるなら、大きめの冷凍庫が必要になるだろう。我が家は、ここぞとばかりに、近所にお裾分け。連休中だったが、運よく、隣近所の多くが出掛けていなかった。もちろん生き物だ。今回はたまたま近所が在宅だったが、たくさん捕る気で潮干狩りに行くのなら、あらかじめお裾分け先に当たりをつけておいた方がいいかも知れないと思った。

そしてレアなハマグリはこれ。
こうしてじっくりと見てみると、「ハマグリ」は、「浜栗」から来てるのかと思った。よーく見ると形はアサリとは明らかに違い、栗のような形をしている。ご覧のとおり貝の柄もアサリとは異なる。また、ややスベスベした手触り。

さて、話しは潮干狩りだ。そう忘れちゃいけない、この6キロをクーラーボックスに移した後、海水を入れるのだ。カートがなく、15〜20キロぐらいになったクーラーボックスのベルトを肩に掛け、ひたすら高く長い橋を上り、歩いた。私は4〜5度は休憩したな。天気がいいのも考えものだと、汗をぬぐう。

ところで、橋を越えてからバスの駐車場への短い道の端で、地元の人たちが潮干狩りグッズを露店で売っていた。行きしなにもここを通ったのだが、そのときは、橋を越えたところの潮干狩り場の入口に、レンタルの熊手があって、捕った貝を入れる網袋も売っていると聞いていたので、この露店は素通りした。でも、その網袋がとってもオシャレだなと思った私は、潮干狩りが終わったこの帰りしなに、この店に立ち寄った。
上がそのオシャレな網袋の写真。左が、潮干狩り場入口で買ったもの。そして、右がその露店で買ったもの。どちらも同じく200円。右の方が断然しっかりしているのが写真でも分かると思う。私たちは左の華奢な方を実際に使ったのだが、貝で満たされた網袋は破けた。右のしっかりした方だったら破けなかったかも知れない。

で、どっちにしてもこのエンジ色の網は、昔はえらく普通に漁村にあったものだが、最近はとんと見かけない。また、その網に付けている竹を編んだ輪っかも趣がある。すっかり気に入った私は、店のオジさんにそのことを尋ねた。すると「そうなんだよ。これは昔使っていた網でね。今じゃ使ってない。で、この網袋は、(潮干狩り用に)特注で作ってもらってるんだよ」とのことだった。潮干狩りは終わったものの、こういうのを見つけると、どうしても買いたくなる。潮干狩りとは別の使い方を考えるのが好きだ。例えば、庭で摘んだハーブ類などをこれに入れて、ぶら下げておけば、うまく乾燥できそうだし、旅行用の小物入れにもいいかな‥‥、てなこと考えていたら、バスの出発時間が迫ってきた。バスの前で添乗員のお兄さんが手招きしてる。バスに急ぐ。

次は渋滞編。考えようによっては、ゴールデンウィーク中の木更津の潮干狩りは、これが一番のキモかも知れない。

2015年5月14日木曜日

木更津の潮干狩り(序編)〜潮干狩りのカート

先のエントリで書いた、ベトナムのピッツェリアとチーズの話しの続きをと思っていたが、それはまた改めて。実は、このゴールデンウィーク中に潮干狩りに行き、いろいろ思ったことがあったので、そっちを先に書こうと思う。

という訳で、この連休の5月5日に、東京・昭島在住の我が家は、木更津に潮干狩りに行ってきた。小学生の娘と息子の要望に応えた形だが、私にとっては、小学生以来数十年ぶり。立案当初は、自家用車で行って、一泊してこようと思って、宿の予約までしたが、よーく考えてみると、何せ天下のゴールデンウィーク。さらに潮干狩りは、干潮のときと、日にちと時間が限られる。かなりの渋滞が予想されると思い、宿をキャンセルして立川発着のバスツアー(クラブツーリズム)に切り替えた。自家用車だと運転は私だけだし、「バスツアーなら、渋滞中でも車内でビールでも飲みながらダラダラしてればいいや」と思った。が、その安直な思いは見事に裏切られることとなる。今、思い返せば、私にとっては、それが一番大きな事だったかも知れない。

さて向かったのは、木更津の「中の島」という潮干狩り場。添乗員のお兄さんの話だと、「木更津では、ここが一番貝のの質がいい」とのこと。結論的に、持って帰ったアサリ・ハマグリはおいしかった。で、この「中の島」は、近くの漁港を作るため、浜の砂を大量に掘ったときの残土(残砂)で作られた島らしい。その島へは、中の島大橋というばかでかい歩行者専用(つまり潮干狩りする人専用)の赤色の鉄橋が架かっており、駐車場から皆その橋をえっちらえっちら歩いて渡る。所要時間は約20分。写真はないのだが、潮の干満があるので、橋の両端がビックリするほど高くなっている。カタカナの「コ」の時を15分反時計回りにしたような橋だ。橋の渡りはじめと降り始めには、ジグザグになったスロープになっている。冒頭の写真は、「中の島」に向かう途中、橋の降りはじめのスロープの上から撮ったもの。そのジグザグのスロープの高さが分かりますか。そして、遠目に見えるゴマ粒のようなのがアサリ、ではなく潮干狩りをする人間たちです。

で、多少下調べしていた私たちは、大きめのクーラーボックスを持って行った。が、それだけでは手ぬるかった。その橋を一緒に渡るときに見かけた慣れてそうな人たちは、クーラーボックスを「カートにのせて」引いている。旅行時などに車付きでコロコロ荷物を転がせる折りたたみ式のカートだ。それを見た私は一瞬「えっ」と思い、その後へんこんだ。そして、さらに何と、そのカートにはクーラーボックスだけでなくプラスチック製の子供用のソリをも縛ってる人がいる‥‥。分かりますね。この長ーい橋を越えるには、カート。そして、潮干狩り場の干潟では、ソリ。なのだが、特にカートだなー。

この「中の島」では、大人がMAX2キロまで、子供が1キロまでのお持ち帰りが、入浜料に含まれている。例えば、我が家族の場合は、大人2名+子供2名だから、MAX6キロとなる。潮干狩り場入口で売ってる網袋を買い、その中にアサリ(+少数のハマグリ)を入れるのだが、持ち歩くときは、網袋の数だけその重量は分散される。しかし、計量が終わって、水道で足を洗った後、クーラーボックスに全部の貝を移す時点で、重量はひとつにまとまる。そしてさらにそこに海水をドバドバっと入れるのだ。それ専用の蛇口があり、係の人が入れてくれる。当然のことながら、クーラーボックスの重量は倍増する。私たちの場合も10キロを楽々と越え、運ぶのはそのクーラーボックスただひとつ。それを肩に担いであの赤い橋を上り延々と歩かねばならないのだ。だから、お父さんたちにとって、ソリとまでいかなくても、カートは必須アイテムだ。カートがあれば、お母さんでも大丈夫だろう。私は一週間肩が痛かった。

さて、肝心の潮干狩りについてはこの次に。