2010年7月26日月曜日
梅干しのススメ
ここ1週間、もー、理屈を超えて猛烈に暑い。脳みそも茹で上がり気味。この暑さは尋常ではありません。尋常ではない暑さの中、物事を尋常に考えていてはいけません。
そこで「梅干しのススメ」。
・・・・と言っても、「身体にいいから毎日食べましょう」ということではありません。梅干しを「作る」ことのススメです。
それはなぜ?
避暑のためです。
「?」な人も多いでしょう。では「そんなことあるわけない」と言う貴方におききします。
「梅干しを作ったことがありますか?」
ん〜、いかがわしい商売の口上のようになってきましたぁ〜。
実は私は毎年梅干しを作っています。それは自分好みの梅干しを作れるから、という普通の理由の他にもう一つあります。最近気がついたんだけど、それは暑さが軽くなるから。きょうはそれがテーマ。何せ尋常ではありませんから。
梅干しを作るにあたっての工程はざっと以下のとおり。
1)梅を塩漬けにする
2)塩揉みした赤ジソの葉を加える
3)天日干し(通称:土用干し)
4)保存
※詳しくは、コチラ。
この工程の中で、クライマックスは何と言っても「天日干し(土用干し)」。それは梅雨明けの土用の頃(きょうは丑の日らしいが、別にそうでなくてもいい・・・・当たり前だ)、つまり一番暑いときに3日間行う。つまり今だ。なぜ、一番暑いときにするか? それは一番よく干せるから。だから暑ければ暑いほどいい。
暑ければ暑いほどいい。
暑ければ暑いほどいいのだ。
(催眠術っぽく)ほ〜ら、貴方はもう暑さが苦でなくなっている。
この暑さだからこそ、梅がジリジリと干され、おいしい梅干しになる。「ただ暑いだけ」だと、辛く苦しいのだ。「ただ暑いだけ」でなく、「暑いからこそ」を見つけることが究極のクーラーだ。梅干し作りで、「天日干し」をクライマックスと感じるのは、きっとこの「暑いからこそ」効果のせいに違いない。
ということで、今年も3日間の土用干しが終わってしまった。
あ〜暑い。
2010年7月22日木曜日
クリームチーズ奴を食べながら
この間、その前はよく通るが一度も入ったことのないお蕎麦屋さんへ入った。この日はたまたまこの近くで用事があり、「こんなときは」とその暖簾をくぐった。「手打ち」とも書かれていない普通のお蕎麦屋さんだが、外観から何かがちょっと普通ではない感じがしていた。
入ると古い写真が何枚か掛かってて、創業何十年の老舗らしい。そして何より、店員さんの接客がとてもよかった。こういう「愛想のいいお店」って何か懐かしくもあり、最近は少なくなったなーって、つくづく思う。年取ったのかなぁ。
さて、メニューを見ると、「クリームチーズ奴」なんてのがあったので、最初に注文した。暑かったから、ビールと一緒。神亀がメニューにあったのが気になったが、4号瓶のみだったので、さすがに頼めなかった。でも4号瓶とはいえ、神亀を置いてるというのは普通じゃない。
で、「クリームチーズ奴」が出てきた。
大葉が敷かれた小鉢に蕎麦つゆ。その上に一口大にカットされたクリームチーズ。その上に糸がき(血合い部分なし)がこんもりのっている。箸で糸がきを少しつまんでクリームチーズに絡ませ、蕎麦つゆにチョンチョンしてパクッと食べた。スポンジの役割をした糸がきに蕎麦つゆが染みこんでいた。
オッケーです。ちょっと濃厚なクリームチーズに鰹の利いた蕎麦つゆがサッパリと感じる。糸がきがあってちょうどいい量の蕎麦つゆと一緒になる。また、醤油じゃなく、蕎麦つゆってところで「料理」な感じになっている気もする。ビールと一緒だったけど、神亀の方が合っただろう。
ところで、これを食べながら、20年以上前のことを突然思い出した。気温40℃は超えた北インドで、パニールに醤油をかけて食べたのを思い出したのだ。パニールとは、インド版カッテージチーズ。だから、いわば「パニール奴」だ。北インドの4月末、暑くて食欲がなかったとき、下宿仲間の日本人が、冷たいパニールに醤油をかけて、「冷や奴みたいでおいしいわよ」と食べさせてくれた。いつものマサラ味じゃなく、久々に口にする醤油で、さらに加熱もしないでそのまんま・・・・という食べ方に興奮し、猛暑も手伝って味が分からず、「すごい(特別な)ものを食べたー」という記憶だけある。パニールはクリームチーズよりアッサリしてる分、豆腐に近かっただろうに・・・・。
食べ物っていうのはスゴイと思う。この「クリームチーズ奴」を一口食べたら、普段はすっかり忘れている20年以上も前のことを、突然思い出すんだもの。その場所の雰囲気、また「パニール奴」を食べさせてくれた人の顔をハッキリと思い出した。
ビールがあと2〜3口になって、せいろを頼んだ。まもなくせいろが出てきたところで、「もう一枚」。私のよくやるパターンだ。ちょうど1枚目を食べ終わったところで2枚目登場・・・・ん〜、満腹。会計の際、店員さんに「せいろは大盛りもありますよ。ちょっと足りないかも知れませんが・・・」と笑顔でアドバイスされた。
「せいろは大盛りもありますよ」は、『2枚頼むより大盛りの方が安上がりですよ』の意味、また「ちょっと足りないかも知れませんが・・・」は、『2枚より1.5枚(大盛り)の方が少ないですが・・・』の意味なのは迷わず分かる。そのすがすがしい笑顔のアドバイスに、「はい」と答えて店を出た。
2010年7月16日金曜日
愛着のコスト
4年前にホンダのモビリオという車を中古で買って乗っている。ホンダの車はこれが初めてだけど、結構気に入ってるんです。1500ccにしては走りは満足、車内は広めで荷物も結構積める、燃費もいい(長距離15〜16km、街中12kmぐらい)。いざとなると何と7人乗れる(1500ccだけどね)。そして、ヨーロッパの路面電車が元というデザインも、そう言われるとそんな気がするところがいい。
半年ぐらい前、この車の運転席ハンドルの右側にあるドリンクホルダーが壊れた。ドリンクホルダーとは、500ccぐらいのペットボトルや缶コーヒーなどを置いとくところ。引き出し式になっていて、不要なときはしまっておける、まぁちょっとした内装グッズだ。下の写真は、ボトルなどを支えるその部品。結構チャチに出来ている。壊れたのは、このチャチな部品を支えるプラスチック部が0.5mmほど欠けたため、この部品を支えられなくなったからだった。
この部品が外れるようになったのが半年前、その後は、ボトルをそお〜っと置くなどして、だましだまし使っていたが、2週間ほど前、ついにその「だまし」も通用しなくなり、完全に使えなくなった。そこで、1週間前、私は自宅近所のホンダへ行って、このドリンクホルダーの修理の見積もりを出してもらった。そして、驚いた。
部品代:3,003円
技術料:28,350円
合計: 31,353円
この麦茶なんかをちょっと置くプラスチックの部品の交換に、3万円以上かかるのだ。いくらなんでも高けーだろー。この見積もりを見て私は即座に「これ、あまりにも高くないですか?」と言った。担当者は、「おっしゃるとおりですね。私も高くてビックリしました」なんて言う。「この修理(部品交換)は、運転席側からではなく、パネルの裏側から行うので手間がかかってしまう」らしい。このままでは埒があかないと思い、その見積もりをいったん受け取って帰宅し、ホンダのサイトから、本田技研工業株式会社(お客様相談センター)へ、メールを送った。
「こんな日常的に使う部分にもかかわらず、部品のプラスチックは華奢(きゃしゃ)な作り。さらにそんな壊れやすい箇所の修理をパネルの裏から行うようになっていて、部品代3000円の修理に工賃3万円なんてどう考えても高すぎる。これは明らかに設計の段階のミスだと思います。不当に高いこの工賃、何とかなりませんか?」という内容。
2日後、返事が来た。そのまま引用する。
「モビリオのご愛用有難う御座います。このたび、カップ(ドリンク)ホルダーの交換に付きまして大変ご迷惑をお掛けしております。カップホルダーの見積もりに付きまして、部品代より工賃がはるかに高いとのお話、大変申し訳御座いません、カップホルダーの取り付けがインストルメントパネルの裏側から、ビス止めになっている為交換に工数で3,1時間も掛かるために、料金も掛かってしまい、申し訳御座いません。○○様のご意見に付きましては、関係部門に打ち上げさせて頂きます。宜しくお願いいたします。」
このメールの署名欄に電話番号があったので、すぐに電話した。「工賃が不当に高いという理由で、それが少しでも安くなることはあり得ますか?」
「ありません」
「分かりました。同じ状況に陥ったモビリオのオーナーの多くは、簡単に取り付けられるホルダーをオートバックスなどで購入すると思います。でも、私はなるべく長くこの車に乗り続けたいと思っているので、簡単にオートバックスにという気持ちになりません。だから3万円出してでもしっかり修理しようか考慮中です。少なくとも、こんな設計は二度としないように技術の部署に伝えてください」と最後のセリフを残し、電話を切った。ちなみにモビリオは、2008年に生産終了になっている。
私の乗ってるモビリオは7年前のものだから、その車自体、もうかなり減っている。今、28,000円の工賃を半額にするだけで、ホンダの車に乗り続ける人が減らなければ、「(ホンダにとって)それほど多くの出費にもならず、それなりに意味のあること」ということにならないかな・・・・という淡い期待があってホンダにメールを出した。が、全然ダメでしたー。同じようなことがトヨタであったらどんなだったかなぁ〜。リコールなんて程じゃない、1〜2万円ぐらいのことなんだけどなー。こういう些細なことって金額的にはたいしたことなくても大事なことだと思うんだけどなー。 考えようによっては、「1〜2万円で、もう一台、車が売れる」。
「28,000円は、おっしゃるようにあまりに高いです。まだご不満はおありでしょうが、今回の修理の工賃は半額の14,000円にさせて頂きます。大変失礼いたしました」なんて言われたら、「次もホンダにしよう」って思うだろうなー。金額じゃない、大手自動車メーカーが、そのぐらいの柔軟性があることに「1票」なのだ。
3万円出してキッチリ直すかな〜、さっとオートバックス行こうかな〜・・・・まだ考え中だ。
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