2016年11月16日水曜日

ベトナム原発計画白紙

 きょうも、新聞の記事についてです。
日本は、官民一体となって、ベトナムに原発を売ることになっていたが、それが白紙になったという内容です。

11月10日の東京新聞に、上の写真の記事が載っていた。(クリックすると大きくなります)

2010年、当時の首相菅直人氏が、陣頭指揮を執る形で、日本の原発メーカーとともに、ベトナムに原発のプラントを売り込んだ。他国とも競合したが、ベトナムは、日本とロシアから2基ずつ「買います」となった。

2011年、東日本大震災。ベトナムは態度を保留し続けた。
その後、私は何度かベトナムを訪れていて、「原発は止めといた方がいいよ」と言っていたのだけど、ベトナムは慢性的な電力不足に悩んでいたし、政府の態度は変わらなかったしで、ベトナムの人たちは、口を閉ざしていた。日本では考えられないけど、ベトナムは共産党の一党独裁で、人々は国の方針には決して逆らわない。そして、急遽11月10日のこの記事になった。

私が「あれ」っと思ったのは。この記事だけでなく、この3日前にも似たような記事(こちらは「延期」という見出しの記事)があったことだ。(リックすると大きくなります)
「延期」にしても、「白紙」にしても、理由は「現時点で多額の投資は非常に困難」と全く同じ。また、2つの記事のソースは、両方とも【ハノイ=共同】。ハノイにある日本の共同通信社だ。ベトナムの要人は、たった3日間をあけて、日本の通信社に小出しに情報を提供したことになる。

アメリカ大統領選挙でトランプ氏の当選が確実になったのが、11月9日から10日ぐらいだから、それも関係していたのだろうかと疑いたくなるタイミングだ。

ベトナムは、多額のODAを日本から受けているから、あまり日本政府のご機嫌を損ねたくはないだろう。そのせいか、福島の原発事故以降、態度を曖昧にし続けていた。が、ここにきて、グッと「このままではマズイ」と、やや焦りながら「白紙」へと急に動いたように見える。慎重なベトナム政府だから、もうこの「白紙」は戻らないだろう。ベトナムは、原発回避を前提として、今後のエネルギーを模索していく方向に舵を切ったということだと思う。やれやれ。

2016年11月11日金曜日

「学校でうんちしない」こと

写真は昨日の東京新聞(夕刊)の記事。(クリックすると大きくして見られます)
私は、この記事にひとつ、もの申したい。ということで、このエントリを書きます。

まず、この記事の内容をざっと説明します。
  • 家庭のトイレは、ほとんど洋式だが、小中学校は56.7%が和式で、その多くは洋式に変えたがっている。
  • ただ、おカネの使い先として、トイレよりも耐震化という優先課題があって、なかなかトイレまで手が回らないのが実情である。
  • そして、「学校でうんちしない」児童は三割もいて(特に男子は39%と多い)、有識者からは、我慢することで便秘につながるといった健康面の懸念、(和式だと)床が汚れやすいなど衛生面の問題が指摘されている。
  • 例えば、東京・豊島区では子供から「古くて汚くて行きづらい」との声。また豊島区長は、「和式トイレは自動生徒のストレスになっている」と、向こう三年で13億円を充て洋式に変えようとしている。
  • 学校施設で改善が必要性と回答されているのは、第一位がトイレ(59%)で、第二位のパソコン・電子黒板を大きく上回る。
以上が記事の内容だが、この記事の主語である文部科学省や自治体が「本当に分かっているのか?」と私が心配して思うことがある。上記の記事内容の中の、特に下記の部分に注目して欲しい。

「学校でうんちしない」児童は三割もいて(特に男子は39%と多い)

なぜ、「特に男子は39%と多い」のか?

私が小中学校の男子生徒の頃、少しうんちを催す気分になったとき、うんち用の個室に入りたくなかった。この手のことは、気持ちの問題も大きくて、「学校ではうんちしないぞー」と意識すると、身体もそれなりに順応してきて、ほとんど学校ではうんちしないようになった記憶がある。

学校でうんちする気が起きない理由は、他でもない。休み時間などにトイレの個室に入りうんちしてて、それ誰かに察知されると、だいたいからかわれるからだ。

「おっ、誰かうんちしているぞ。誰だ?」となって、扉をドンドン叩く輩。手を濡らして、グーからパーにしながら個室の開いた上部から(少量だが)水を撒く輩。個室の床と仕切り壁の少し開いたところから覗いて、上履きの名前を見て、「あー、○○のやつ、うんちしてやんのー」と騒ぎ立てる輩などなど。さんざんからかわれるからなのだ。「いじめ」に近い感じを受ける方もいると思うが、私の小中学校時代これは、特定の児童生徒が受けることではなく、肩で風切って歩いてたような男子もやられてた記憶があるので、単なる「からかい」なのだけど、それにしても、困った習慣だった。ちなみに、もちろんその頃の個室トイレは全て和式。洋式に慣れていなかった私(を含めほとんど)は、和式の方がうんちしやすかったことを、忘れずに記しておこう。洋式の方が足に負担が少ないが、和式の方がふんばりやすかった。

ちなみに、私自身が、この「からかい」をした側か、された側かは、無責任のようだが、覚えていない。何度かしたような気もするが、されたような気もする。うんちをすると、臭いは拡散するし、遠回しに、「臭せえぞー」と迷惑がってからかっていたのかも知れないが、健康第一なのは言うまでもない。

だいたい小さな子供ほど、「うんち」「おしっこ」という言葉が好きなものだ。高校や大学では、こんな「からかい」は自然となくなっていたから、小中学生という微妙に子供な年代のことだと思う。

想像だが、その点、女子は、おしっこするにもうんちするにも個室だから、おしっこするついでにうんちもすることもきっとあるでしょう。私は、小中学生時代、そういう女子を羨ましく思った記憶がうっすらある。

この話しを、夕べ、現役の小学校三年生の息子に話したら、同じような「からかい」状況を笑いながら話していた・・・・やっぱ、そうか。そして、カミさんや小学校六年生の娘には、「男子は男子なりに大変なことがあるのね〜。初めて知ったわ」と同情された。

さて、新聞記事の話しに戻そう。

そりゃあ、慣れてない・古くさいという理由で、和式トイレ(個室)を使わない男子もいるでしょう。でも、いくらトイレを和式から洋式にしても、この「からかい」がなくならない限り、「4割の男子が、学校でうんちしない」の数字は大きくは変わらないのではないだろうか。順序からしたら、この「からかい」は全く無用なものだということを、小中学生に浸透させることが先だと思うのだが、どうだろう。

そういう意味も込めて、最後に、今年4月に「ウンチマン」と撮った写真を載せます。「ウンチマン」の話をし始めると長くなるので、また改めて。
 子供たちよ(特に男子)。学校のトイレでうんちしているお友だちをからかうのは、幼い子供のすることよ。自分だって、うんちしたくなったとき、不自由でしょ。