きょうも、新聞の記事についてです。
日本は、官民一体となって、ベトナムに原発を売ることになっていたが、それが白紙になったという内容です。
11月10日の東京新聞に、上の写真の記事が載っていた。(クリックすると大きくなります)
2010年、当時の首相菅直人氏が、陣頭指揮を執る形で、日本の原発メーカーとともに、ベトナムに原発のプラントを売り込んだ。他国とも競合したが、ベトナムは、日本とロシアから2基ずつ「買います」となった。
2011年、東日本大震災。ベトナムは態度を保留し続けた。
その後、私は何度かベトナムを訪れていて、「原発は止めといた方がいいよ」と言っていたのだけど、ベトナムは慢性的な電力不足に悩んでいたし、政府の態度は変わらなかったしで、ベトナムの人たちは、口を閉ざしていた。日本では考えられないけど、ベトナムは共産党の一党独裁で、人々は国の方針には決して逆らわない。そして、急遽11月10日のこの記事になった。
私が「あれ」っと思ったのは。この記事だけでなく、この3日前にも似たような記事(こちらは「延期」という見出しの記事)があったことだ。(リックすると大きくなります)
「延期」にしても、「白紙」にしても、理由は「現時点で多額の投資は非常に困難」と全く同じ。また、2つの記事のソースは、両方とも【ハノイ=共同】。ハノイにある日本の共同通信社だ。ベトナムの要人は、たった3日間をあけて、日本の通信社に小出しに情報を提供したことになる。
アメリカ大統領選挙でトランプ氏の当選が確実になったのが、11月9日から10日ぐらいだから、それも関係していたのだろうかと疑いたくなるタイミングだ。
ベトナムは、多額のODAを日本から受けているから、あまり日本政府のご機嫌を損ねたくはないだろう。そのせいか、福島の原発事故以降、態度を曖昧にし続けていた。が、ここにきて、グッと「このままではマズイ」と、やや焦りながら「白紙」へと急に動いたように見える。慎重なベトナム政府だから、もうこの「白紙」は戻らないだろう。ベトナムは、原発回避を前提として、今後のエネルギーを模索していく方向に舵を切ったということだと思う。やれやれ。
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