2009年5月11日月曜日
10年パスポート
今、ベトナムにいるハズだった。
5月10日の朝、成田発の便で、「カンホアの塩」の生産地、ベトナム・カンホアへの出張を予定していた。その出発の4日前、連休最後の6日夜、そろそろ旅支度でも始めようかと、まずは引き出しにしまってあったパスポートを出して、何気にペラペラとページをめくってて驚いた。
有効期限が過ぎている。何度見ても過ぎている。もう完全に過ぎている。
航空券は翌日会社に届くようになっている。当然、現地のアポを始め出張中の予定は全て決まっている。参ったな。とりあえず、パスポートの申請をネットでチェック。やはり1週間かかる。昔に比べたらずいぶん早くなったけど、やはり1週間。1〜2日のハズはない。即、ベトナムに電話をかけた。「パスポートが切れてたのに今気がついた。ごめんなさい。悪いけど全てのアポをキャンセル、出張は延期、新しいスケジュールなど詳細は1〜2日中に連絡します」と伝えた。事が事だけに、どうあがいても、もうどーにもならない。“04 FEB 2009”、切れて3ヶ月たっている日付を見ながら、気持ちを切り替える。それしかない。
言い訳をしよう。
前回パスポートを使ったのは、去年の6月。そのときもカンホアへの出張。その時点で8ヶ月残っていた。この8ヶ月って期間が微妙だった。もしかしたら、その数ヶ月後に出張するかも知れなかったし、しないかも知れなかった。その時点では。今となってみれば、去年の6月の時点で更新しておかなきゃならなかった。また、この「10年」という長さが油断を促している。(申請時、5年も選択できます) 「10年」は、「当分、切れないなー」の気持ちにさせる。「次の10年後はどうやって気をつけよう?」と今考えたりもするが、妙案はない。今から10年後のことなんかメモしても意味はない。近づいたら気をつける。これしかねぇーだろーなー。でも、今回のことは、10年たっても深く記憶にとどまるだろう。それだけが救いか。
翌日、パスポートの申請はもちろん、飛行機のキャンセルと取り直し、アポの取り直しなどなど、バタバタと追われた。アポの相手に何とか予定を変更してもらったりと、周りの人たちに大変な迷惑をかけた。その方々、これを読んでいたら、重ねて「ごめんなさい」。
ところで、このバタバタの最中、「規定の1週間より早くパスポートを受け取れるかも知れない」という情報を2箇所から得た。この一分の望みを持って航空券持参で、申請の窓口で嘆願した。まぁ、今回のケースは、申請の3日後の朝出発で、2日後が土曜日(窓口が完全休業日)。だから申請の翌日受け取れないと間に合わない。「つまり明日受領したい」ということ。「もう翌日というのは、人道的理由など(余程の)理由がないと無理です」とキッパリ言われた。ちなみに「人道的理由」とは、家族が海外でテロに巻き込まれ、すぐにでも渡航しなくてはならないなどのこと。たかが出張ぐらいでは・・・、もっともなことだ。でも、この際だからと、よくよくきいてみると、(出張ぐらいでも)3日後(営業日)ぐらいで受領できることもあるみたいだ。ただ、無論これは例外的なことだから、公に「3日後」とは言ってくれない。ちゃんと規定の1週間以上の余裕を持つのは当然のこととして、万が一、1週間を切ってても、4日間後ぐらいなら間に合う可能性はあるみたいだ。
何しろ「自分だけは・・・」という思いは危険だ。
と偉そうに言ってみるものの、私は実は特別かも。それは5〜6年前のこと。何を隠そう、パスポート忘れて成田へ行ったことがあった。空港行きのバスの車中、到着直前の検問で、「パスポートを拝見」と言われて、ないのに気がついた。朝の便だったので、カウンターでその日の夕方の便に無理矢理変えてもらって、その間にパスポートを取りに家に帰った。今回のはやや趣は違えど、2度目の【うっかりポカ〜パスポート編】。私はきっと人一倍抜けてる。でもこういうことを人に話すと「お前らしくないな」と言われる。でも、私からすると「常に何かにおびえながら生きている」。例えば、パスポートの更新のように「何か大事なことを忘れてやしないか」と。そのボンヤリした「何か」がハッキリすれば怖くなくなるのだが、だいたい「何か」は突然やってくるから、すぐには分からない。だから、いつもおびえている。
それにしても、切れてるパスポート持って、カウンターでチェックイン。航空会社のお姉さんに「切れてますね、パスポート」と笑顔で言われたら・・・と思うとゾッとする。最悪のシナリオではなっかった、というだけだけど。
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