2017年7月25日火曜日

厄介者の不自由さ

上の写真は、昨日朝の我が家の庭。アブラゼミだろうか。半透明の羽に葉脈のような黄色の筋。その生々しさに眠気が覚めた。

そして下の写真は、一週間ぐらい前に撮った、塀の上で羽を休めるツマグロヒョウモン。初めてこの蝶を知ったのは、10年ぐらい前。その頃は、南方系の外来種ということで珍しい印象だったが、今や、東京・昭島にあるうちの庭に飛んでくる蝶は、モンシロチョウ、アゲハの類を凌いでこのツマグロヒョウモンが圧倒的に多い。
鳥では、春には、ウグイスを凌いでガビチョウがよくさえずる。この鳥も外来種だが、さっきwikiってみると、

外来生物法で特定外来生物に指定されており、日本の侵略的外来種ワースト100選定種にもなっている。

とある。「侵略的外来種ワースト100選定種」というずいぶんネガティブなレッテルが貼られているが、高らかなさえずりのガビチョウはそれを知りもしない。植物の世界でも同じようなことがあるだろう。

かく言う私たち人間の世界でも、日本には、外国人が年々増えている。情報はネットでどんどん広がる。こうして、浸透圧の実験のように、刻々と変化していく。

そう考えてみると、「外来種」と人間に呼ばれない海の生き物は自由だなと一瞬思ってしまうが、それこそ人間だけのことで、海の生き物たちはそんなこと意にも介していない。

「外来種」の場合、在来種保護の観点から、規制は必要ながら、浸透圧は進んで行く。

先日の新聞記事で、「梅雨明けしたとみられると発表があった」というの。わざわざ「・・・とみられる」と言い足さなければならないところに、何とも不自由な感じがあるのだが、それは気象庁の梅雨明け宣言後、クレームを訴えた人が少なからずいて、それに気象庁が反応したということだろうか。クレームを訴える自由と、「・・・とみられる」と聞いたときの不自由さ。なんて、人間は厄介な生き物なんだろう。

2017年7月12日水曜日

新技・トマトの支柱〜経過と対策

前のエントリの続きで、「トライアングル・ピラミッド型スパイラル方式」(TPS方式)、日本語だと「三角錐型螺旋方式」。プロレスの新技・・・・じゃなくてトマトの支柱の立て方と茎の伸ばし方。狭ーい畑にオススメの方法かも知れない。

前のエントリ冒頭の写真は、発案当時、一ヶ月前のもので、このページ冒頭の写真は、つい昨日の朝のもの。ここまで来ると、スパイラルなのがよく分かると思う。2本の茎自体は、地面から長さ2メートル近くになってるが、高さは50センチに満たない。これは発案の目的どおり。これは功を奏しているように見える。

しかし、いいことばかりではない。上の写真をご覧になれば分かると思うが、葉っぱが混みすぎちゃーいないかい? いかにも風通しが悪そう。トマトの実はすでに出来始めているが、チラッと見える赤いトマトは葉っぱに埋もれているも同然だ。こんなんでいいのだろうか?と、素人ながら気になってしまう。そもそもこの発想は、「狭い場所を出来るだけ有効に使う」ところから来ている。それは、狭い場所にたくさん詰め込むとこういうことでもあるのだ。ちなみに、この三角錐の内部には、トマトのパートナープランツであるバジルを育てている。ポットで育った苗を移植したのだが、最初はよかったものの、トマトが育ってくると、茂った葉っぱが込み入ってきてバジルに日が当たらなくなって、育たなくなっちゃった。スパイラルだから、その内側のトマトの葉っぱは何層にも重なってくる。この三角錐からはずれた場所のバジルやシソはしっかり育っているのだが、それにしてもやはり狭いんだな。窮屈だぁ。

狭いながらも楽しい我が家。

東京下町生まれ育ちの私は、どうも昔から、狭っ苦しい環境下でいかに少しでもうまく暮らしていけるかを考えるのがクセになっている。

でもまぁ、これから夏本番を迎えるこのトマトさんは、バジルやシソより背が高くなって、少なくとも上部の風通しは、今よりはよくなるだろう。しばらくはいっぱい収穫出来そうな気がする。

とは言いながら、来年は少し変えてみようかとすでに考え始めた。何事もそうだが、あまり欲張ってはいけないのだ。物事には程度というものがあって、狭さ故の限界というものもあるハズなのだから、来年はその点に注意を払ってやってみたい。

来年もこの「TPS方式」をやってみようと思っているが、次は茎を1本にして(ツインでなく、シングル・スパイラル)、最初に出来始めるトマトの房2〜3本は、花が咲く前に切り取ってしまい、ある程度の高さから実をつけるようにし、葉っぱに埋もれないようにしてみるのはどうか。こうすることで、この混み混み状態の改善を図る。トマトの収穫数は減るかも知れないが、その方がトマトが健康的なような気がする。バジルは三角錐を囲むように周りに植える。そんなことを想像しながら、まずは今年、お盆の頃まで様子を見てみようと思う。

とまぁ、猫の額の家庭菜園主でも、1本のトマトの苗で、いろいろ考える訳だが、農家の人たちは、もっともっと毎年いろんなことを考えながらやっているんだろうなーと思いを馳せるのであった。

2017年7月11日火曜日

新技・トマトの支柱〜その発想

毎年、庭でトマトを育てている。在来種でもなく、園芸屋さんから(F1種であろう)苗を買ってきて植えてるだけだが、10年以上もやってると、毎年いろいろ考えもする。以前、「自家製トマトジュース」(2012年8月8日)というエントリを書いたが、それもそのひとつ。

何せ我が家の庭は狭いから、1本か2本の苗を育てるだけだ。しかし、そんな環境・条件の中で、出来るだけおいしく、出来るだけ収量を増やせないものか。さらに、庭なので、ある程度の見栄えを気にしながら・・・・。

トマトは、ノビノビ野放しに育てると、たとえ1本の苗木でも広い場所が必要になるので、芽かきしながら、支柱を立てて、茎を1本ないしは2本にして立体的に育てる。どこでもよくある手法だ。ただ、このときの問題点は、どんどん伸びて、あっという間に背丈より高くなって、とても支柱では支えきれなくなってしまうことだ。あまりに高くなったところは、仕方なく切ってしまう。

何とか、狭ーい家庭菜園で、茎を1〜2本にしたトマトを、コンパクトに支柱で支えながら長く収穫出来ないものか?

数年前、あるプロの有機農家のトマト畑を見学したとき、2本にしたトマトの茎を、小まめに麻紐で支柱に縛りながら、ジグザグに伸びるようにして育てていた。直線よりもジグザグの方が長さを稼げるという訳だ。いいアイデアと思い、翌年自分ちでもやってみたが、これがなかなか難しい。茎が細くて柔らかい最初のうちは、難なく出来るが、茎が太くて堅くなる7月頃になると、ちょっと曲げただけで茎がポキッと折れてしまうのだ。せっかく育った茎がポキッと折れると、心もポキッと折れてしまう感覚に囚われる。1〜2度ならまだしも、3度4度となると、たまったものじゃない。

そこで今年の春、考えた手法が、「三角錐型螺旋方式」だ。英語っぽくすると、「トライアングル・ピラミッド型スパイラル方式」。何でも横文字にすりゃあいいってもんじゃないが、長いので、略して「TPS方式」。

まずは支柱の立て方。通常、トマトの支柱は、屋根型に組まれるが、我が家の家庭菜園はそんなに広かぁない。苗も1本だけ。だからと言って、支柱をただ1本立てただけでは、倒れやすい。2本でも倒れるが、3本立てれば大丈夫。ということで、三角錐状に支柱を立てる。これが「トライアングル・ピラミッド型」。最少本数の支柱ということになるだろう。

支柱として倒れなければ、3本のうち1本だけ(残り2本は支柱の支えとして)使えばいいのだが、それじゃあ、先述のようにあっという間に背丈を超してしまう。そこで考えたのがこの「スパイラル方式」だ。三角錐型の支柱の外周に茎を巻きつけながら、螺旋(らせん)状に伸ばしていく。ジグザグではなく、螺旋状にすることで長さを稼ぐ。ジグザグより螺旋状の方が茎のカーブが緩やかなため、折れにくい。これを思いついたときは、「何で今まで思いつかなかったんだろう。狭いところには、コレだ」とワクワクした。

今年は1本の苗の茎を2本にして、育てている。だから、「トライアングル・ピラミッド型ツイン・スパイラル方式」ということになる。もう横文字はくどい。でも昔のプロレスの技名のようで面白くはないですか。「フィギュア・フォー・レッグ・ロック(四の字固め)」とか、「ダブル・アーム・スープレックス」みたいで。

さて、苗を植えたのが4月中旬。植えた苗を眺めながら、この「TPS方式」を思いついて5月に設置。冒頭の写真が6月中旬。ここまでは、それなりによかったのだが、7月になった最近、いいことばかりではない現実を学ぶことになる。

この続きは、また改めて。