2019年7月30日火曜日

小梅の土用干しをしながら、赤ジソの処理法を考える


梅雨が明けた。暑い。うだるように暑い。でも、こんな日にこそ、梅干しの土用干しだ。ということで、待ちに待ったこの強烈な真夏の陽差し。去年の梅雨明けが、6月末だったように、ここ数年、梅雨明けが滅法早かったので、このブログでも、「早めに準備を」と呼びかけていたが、今年は全然早くない7月末。お陰で、赤梅酢に浸かってる時間が長くなってしまったため、かく言う私も、少しだが、カビが生えてしまった。私の呼びかけで、カビを生やしてしまった方がいらしたら、ごめんなさい。

さて、今年は小梅(甲州小梅)の梅干しを初めて仕込んだ。それにこの甲州小梅という品種は、カリカリ梅タイプで、これも初めて。一個一個の梅が小さいから、収穫が大変だの、ヘタ取りが大変だのと書いたが、干すのもやや大変と最初は思った。

関連エントリ:
初めての、小梅の梅干し(2019年5月31日)

普通サイズの梅の場合は、土用干しの際、ザルにへばりつくことがあるので、一個一個裏返していたが、今朝干し始めた小梅は、数・サイズからして、とてもそんな気にならない。冒頭の写真は、今朝、その小梅を干し始めたところ。車の屋根の上で干している。これで、4キロ。一個ずつ裏返す気にならないことが分かると思う。なので、篩(ふるい)に掛けるようにザルを水平に揺すったり、手の平で転がしたりして、何となく陽に当たるところをずらしたぐらい。特にこのカリカリタイプだと、全くザルにへばりつくことがないので、これで十分だ。だから、やってみれば、あ〜りゃま。かえって、より楽だった。

20年梅干し仕込んでいても、毎年、細かいことを含め「これはこうした方がいい」というアイデアが浮かぶものだ。今年は、「赤梅干しの赤ジソをどうするか?」ということだった。早速、「カンホアの塩」のサイト上の梅干しレシピにも簡素に書き込んだが(作り方3:土用干しと保存)、それは、最終的に、梅干しをどう仕上げたいかによると思う。ここにそれを詳しく書いてみたい。

土用干しが終わると、梅干しを瓶に戻して一年ほど寝かす工程(保存・熟成)に入るが、赤ジソはそのときの添え物になる。その添え物の水分量で、最終的な梅干しの水分量の調整が出来るということだ。その水分量の調整で一番影響が大きいのは、土用干しが終わった梅干しを、赤梅酢にくぐらせてから寝かせるか、くぐらせないで寝かせるかになるが、添え物の赤ジソでも、微調整が出来る。

例えば、私の場合。乾燥タイプの梅干しが好みだ。したがって、土用干し後、赤梅酢にはくぐらせない。そして、悩むのは、添え物の赤ジソの水分量だ。若干のシットリが欲しければ、赤梅酢から上げたばかりの赤ジソをギュッと絞って、保存・熟成の添え物とする。出来るだけ、梅干しを乾燥した状態に保ちたければ、赤ジソは、梅と一緒にザルで土用干しして、カラカラになったものを、保存・熟成の添え物とする。この二通りで悩んだが、今年はカリカリ小梅なので、そのカリカリさを長持ちさせるためにはよさそうな「できるだけ乾燥の梅干し」の方に決めた。カリカリ梅でなければ、「若干のシットリ」を選んだ。

先ほど、「最終的な梅干しの水分量の調整で一番影響が大きいのは、土用干しが終わった梅干しを、赤梅酢にくぐらせるか否か」と書いたが、その調整はそう単純ではない。なぜなら、「土用干し後に赤梅酢にくぐらす」ときに足される赤梅酢の量の調整はとても難しいからだ。しっかり調整したければ、決まった赤梅酢の量を計ってスプレーするなどの手もあるが、一年ほどの保存・熟成期間を経ると、たとえ最初は乾燥してシワくちゃな梅干しでも、空気中の水分の影響で、ややシットリの方向に傾く。しっかりと水分を吸収した思いっきりネットリした梅干しを目指すなら、微妙な赤ジソの水分量はどうでもよく、ただたっぷりと赤梅酢にくぐらせればいいのだが、「適度にシットリ」を理想とする私としては、赤梅酢にはくぐらせないで、ギュッと絞った赤ジソの若干の水分量を足すぐらいがちょうどいい。だから、私にとって、この赤ジソの処理法はどうでもいいことにはならず、赤梅酢からあげた赤ジソを絞るときの絞り加減にも気を使う・・・・。

いや〜、このエントリも、ずいぶんマニアックになってしまった。参考になった方が一人でもいれば嬉しいし、また別の見方もある思うので、そういう方からは、是非とも意見を聞かせてもらいたいものだ。

2019年7月29日月曜日

楠(クスノキ)と「だしパック」


去年の春、担任の先生との面談で、息子が通う小学校に行ったら、校門入ってすぐのところにあるでっかい楠の枝打ちをしていた。私にとって、楠=樟脳(しょうのう)。目の前にある枝打ちされたこれらの枝は、その生木と生葉ではないかと思った私は「これは使える」と思い、その植木屋さんから、ひと枝もらって帰ってきた。

その当初は、葉っぱをそのままタンスや衣装ケースに入れようと思ったのだが、考えてみると、乾燥した葉っぱがボロボロになって厄介だなと、思いとどまってしまった。そして結局何にも使わずに1年以上、乾燥した葉っぱがいっぱいついた楠の枝が我が家に置かれたままになっていた。(冒頭の写真)

先週、部屋の隅に立てかけられたその枝を見て、「そろそろ処分しようかな」と思いながら、乾燥した葉っぱを一枚クシャクシャに揉んでみたら、まだまだ樟脳の香りがするではないか。と思った矢先に、「お茶パック」を思いついた。緑茶はもちろん、いろんなハーブを煎じる前にまとめておく「お茶パック」だ。あれなら、目が細かいので、乾燥した葉っぱの粉が出ないかもと思った。

早速、百均に行ったら、「お茶パック」と、それより一回り大きな「だしパック」があった。(45枚入り100円) 葉っぱが大量にあったので、大きめの「だしパック」の方を選択。ビール飲みながら、プロ野球を見ている間に、10個の「だしパック」入りの防虫剤が出来た。下の写真は、その「だしパック」と楠の葉っぱを詰めたパック。最近は、コーヒーの紙フィルターのように、漂白していない「だしパック」、「お茶パック」があるが、防虫剤用なら、百均の漂白したもので十分だ。


こいつはなかなかいい。この袋をクシュクシュ揉むと、香りが強くなる。しかも、揉み揉みしても粉が出ない。香りが弱くなったら、その都度揉み揉みすれば復活しそうだ。市販の防虫剤って、だいたい「半年たったらお取り替え」とか書いてあって、取り替える度に「こんなに頻繁に取り替えなきゃならないのか」と常々感じていた。特にナチュラル系の防虫剤は安くない。それに比べたら、この「だしパック防虫剤」は、「半年たったらお取り替え」ならぬ、「半年たったら“揉み揉み”」で長持ちするかも知れない。あー何故、生枝をもらってきたときにこれを思いつかなかったか。(乾燥前の)生葉なら、もっと効果的な防虫剤だったはずだ。やや情けない気持ちになりながらも、本格的に夏を迎えたこの時期に間に合ったことを少しだけ喜んだ。そして全ての「だしパック防虫剤」を冬物が入った衣装ケースとクローゼットに入れた。そこにはナチュラル系の防虫剤がすでに入っていたが、ケチって少なめに入れてたので、これで一安心。秋になって冬物を出す際、再び揉み揉みするのがとっても楽しみだ。

楠の枝打ち現場に遭遇したら、「だしパック」や「お茶パック」を連想しましょう。そうそうあることじゃないけどね。

2019年7月16日火曜日

ドクダミ・ヨモギ風呂〜煎じ汁編


 前のエントリで、ドクダミ風呂について書いたが、それは採りたての生のドクダミを風呂に入れたもの。で、今回はその生ドクダミを煎じて風呂に入れて見た。

生ドクダミのときと同様に、採りたての生ドクダミをざっと洗った後、ハサミで5センチぐらいにバサバサ切る。今度はそれを大きな鍋に詰めて、ひたひたの水を加えて、最初強火、沸騰しそうになったら弱火。これで計約30分。ときどき、木べらでかき混ぜたが、そのとき、ふと妙な気分になった。「これってなんか、子供の頃見た絵本に出てきた魔法使いのおばあさんみたいだ。鷲鼻で顔には深いシワがあって、黒い服着てたよな〜」。薄暗い洞窟のようなところで、「ヒッ、ヒッ、ヒッ」とか呟きながら大きな木べらで得体の知れない薬草茶を煎じる魔法使いのおばあさん。そう思うと、なんだか効きそうな気がしてきた。

さて、あらかた冷ました後、今度は、細かい目の洗濯ネットを用意する。生のままだと粗めの洗濯ネットでもいいが、煎じると、葉っぱはトロトロになるので、細かい目の方が、下水管が詰まりにくいだろうなと思ったということ。

この段階が、冒頭の写真。この鍋ごと風呂場へ持っていき、風呂の栓をした後、風呂桶内で洗濯ネットの口を広げて、鍋の煎じ汁をザーっと注ぐ。濃ーい、煎じ汁が風呂桶の底に溜まる。我が家の風呂は、熱い湯が注がれる式なので、この後、スイッチオンして、湯船にぬるめの湯を溜める。(循環式の風呂の場合は、風呂に湯を張った後、煎じ汁を入れた方が、風呂釜のためにいいでしょう)それが下の写真。


冒頭の写真だと、結構透明感があるが、ご覧のとおり、風呂に入れると、生のときよりもかなり濃い深緑色。ただしこの色が、風呂桶に若干付着する。この色、通常のスポンジでは落ちないが、我が家の風呂桶の場合、激オチ君で落ちる。ちなみに、生ドクダミの場合は、下の写真のようだった。


さーて、こうして自分の足先も見えないぐらい色の付いたぬるい風呂にゆっくりと浸かる。生ドクダミのときと同様に、この風呂に入る前に、草取りしたり、切ったり煎じたりしているから、入浴時には香りを強くは感じない。じいーっと10分ほど浸かっている間、ときどき、洗濯ネットを湯船の中で絞って、薬草成分をより出したりして。

また、我が家の庭には、この時期に草取りしたいのはドクダミだけでなく、ヨモギもある。3日目からは、ドクダミだけでなくヨモギを半分にして煎じている。もちろんどっちも生のまま。ヨモギを入れようが入れまいが、色に変わりはないものの、ヨモギが入ると香りがちょっと草餅っぽくなる。煎じる場合、お茶なんかは、草を乾かすが、それも面倒(待ってられない)。上の2点の写真で分かるとおり、これだけ色が違うので、薬草成分の量としては、煎じた方が多いだろう。ただ、生は生なりのフレッシュさというものも感じた。

さてさて、煎じようが煎じまいが、カミさんの全身湿疹ために思いついたドクダミ・ヨモギの薬草風呂。肝心のその当人の症状はというと、現在、生そして煎じ汁と4〜5日続けて入りつつ、回復の方向に向かっている。強力なステロイド剤との併用なので、ただそのステロイド剤が効いただけかも知れない。この手のことは、簡単に結論を出せないが、薬草風呂も悪くはなさそうだ。それと同時進行で、ドクダミとヨモギに覆われた我が家の庭は、どんどんスッキリな方向に向かっている。草取りが嫌になるほど、ドクダミとヨモギの生命力は物凄い。その生命力を拝借するように、薬草風呂にする。あと1〜2回、草取り&薬草風呂すると、庭はすっかりスッキリになる。これも悪くない。今まドクダミは、草取りの後、少量をドクダミ茶にするだけだったし、ヨモギは春先の柔らかい葉を少量、団子にするだけだった。そのため、あまり草取りに積極的になれなかった。でも今回、風呂に入れるという一度にたくさん使う方法を思いついた。今後は(来年以降は)この時期、風呂に使う方法も、生のまま、煎じ汁、(余裕があれば)乾燥ものと、いろいろやってみることを念頭に置くと、気が重かったドクダミとヨモギの草取りに積極的になれそうだ。梅雨時に、薬草風呂の健康管理と庭の草取りの一石二鳥。悪くない。

出来るものなら、何事も一気に好転させたいと思うのが人情だが、こうして少しずつの「悪くない」を積み重ねることに感じる幸福感というものもある。

2019年7月12日金曜日

ドクダミ風呂


一昨日、一週間の出張から帰ってきたカミさんが、全身を湿疹に覆われていた。ハッキリとした原因は分からないが、その湿疹がとても痒く、夜寝るのもままならないというから大変だ。

皮膚科へ行くと、飲み薬と塗り薬ともに強力なステロイド剤を処方された。飲み薬はあまりにも強力なので、胃薬も一緒にのむというぐらい。ちょっと怖いけど、このステロイド剤っていうのは、短時間で効くんだよな。全身が痒くて眠れないというんだから仕方ないか。数年前、私もこの時期に体調を崩して、ステロイド剤のお世話になったことがあった。テロイド剤のいいところも悪いところも経験している。

natural salt cafe:長い夏風邪(2010年6月25日)

そんな私は、このステロイド剤治療をしながらでも、何か他に出来ることはないかと、昨日仕事をしながら考えていた。そして、思いついたのが、ドクダミだった。今、我が家の裏庭にたくさん生えてるドクダミだ。早速ネットで調べてみると、抗菌、皮膚炎などとあったので、悪くなさそうだ。おそらくベストなのは、採りたてのドクダミをフードプロセッサーでペースト状にして全身に塗りたくることかと思いはしたが、それも大変だ。なので、ハサミで5センチほどに切ったドクダミを洗濯ネットに入れて風呂に入れることにした。それが(冒頭の写真の)ドクダミたっぷりのハーブ風呂だ。難しいことじゃない。

ところで、私は、ドクダミが好きだ。夕暮れ時、暗さが深まるにつれ、浮かび上がってくる純白の花。あれは大変美しい。私は、腎臓・膀胱が弱かったのだが、30年ぐらい前、京都にいた頃、天神さんの市の薬草茶屋さんからドクダミ(十薬)を薦められ、しばらく飲んでいたが、とてもよかった。味も好き。また、私がよく行くベトナムでは、ハーブとしてよく食べる。ただし、ベトナムのドクダミは、日本のよりも、茎がか細くて柔らかく、香りも穏やか。大概、数種類のハーブと一緒に皿に盛られているので、日本人観光客はドクダミと気付かずに食べていたりする。

また、十数年前のこと。当時住んでいた築50年ほどの家の庭が結構広かった。ある夏、「あれっ、この庭にドクダミが一本もないのは寂しいな」と思って、2〜3株のドクダミを植えたことがあった。その2年後、広い庭の半分がドクダミに覆われた。慌てた私は、その群生したドクダミを抜きまくった。地下茎で広がるので、鍬で草刈りではなく根っこごと抜き続けた。時間にして2時間ぐらいかかっただろうか。最初は気がつかなかったが、30分ほど経つと、少しスースーする感じの香りに包まれた爽快感に気がついた。そして草取りが終わった頃には、鼻の呼吸の通りがスムーズになり、全身と脳が軽くなった感覚を味わった。その気持ちよさは今でも忘れられない。ドクダミのアロマテラピーを体験したと思った。今で言うところのデトックス?

またまた話はそれるが、やはり20年前ぐらいにインドのケララへ行って、アーユルヴェーダのセラピーを受けたことがある。その人の体質に合わせて配合された油を額にタラタラ垂らすシロダーラというのが有名だが、ハーブの蒸し風呂もある。1メートル四方の箱の中に入って首から上だけ上面の穴から出す。箱の中では、ハーブが蒸されている。それを1時間ぐらいだったか。文字通り、ハーブの香りに包まれる。ここで話を戻すが、先の2時間のドクダミの草取りで、私は、そのハーブの蒸し風呂を連想したのだった。

さてさて、くどいが、私はドクダミが好きだ。好きだが、ドクダミだけが好きな訳ではない。先述のとおり、あまり自由奔放にさせると大変なことになる。だから、今住んでいる家の裏庭のドクダミも、抜いていかねば、好きなドクダミとうまく付き合っていけない。毎年ドクダミの草取りが終わると、大量の採りたて生ドクダミが目の前にドーン盛られるのだが、これまでは、そのほんの一部を干して、ドクダミ茶(十薬)にするだけだった。

しかし、今回、カミさんが全身の湿疹に罹って、このドクダミの風呂を思いついた。何も、湿疹に罹らなくたって、体調を崩しやすいこの時期、ちょうど純白の花が咲き誇っているドクダミで、五月の菖蒲湯のように、六月〜七月にドクダミ湯をたしなむ。この時期の風物詩としても趣がありませんか? それにこれでうっとうしい梅雨時のドクダミ草取りにも、自然とやる気が起こる。採りたて生ドクダミを、少量のドクダミ茶だけでなく、ただ堆肥にするだけでなく(風呂に使った後、堆肥にすればいい)、フル活用出来るなんて何とすばらしいことか。

いいことばかり書いたが、ちょっと気になることをひとつ。ドクダミの草取りをしていると、ドクダミの香りに包まれる。そして、その生ドクダミをハサミで切っていても部屋中が香りいっぱいになる。だから、その後ドクダミ風呂に浸かる時点では、鼻が慣れてしまっていて、ドクダミの香りに包まれてる感があまりしないのがちょっと残念なことだ。

あと、冒頭の写真は、ドクダミ風呂に入る前の状態。下の写真は、この風呂に浸かりながら洗濯ネットに入ったドクダミの細切れを手でゴシゴシ揉んだ後の状態。深緑色が濃くなっているのが分かると思う。


wikipediaによると、ドクダミという名前の由来は、

どくだみの名称は「毒矯み(どくたみ)」(毒を抑える)から来ている。

とある。「矯(た)める」という言葉を初めて知った。広辞苑(第七版)で、「矯める」の最初に出てくる意味は、「まがっているのをまっすぐにする」とある。歯の矯正の「矯」だ。「毒」は悪いイメージだが、それを矯(た)めるドクダミ。庭にドクダミがはびこって困ったな〜と思ったら、ドクダミ風呂で矯めてみてはいかが?

追記:この後、生ドクダミを煎じて風呂に入れて見た。
natural salt cafe
ドクダミ・ヨモギ風呂〜煎じ汁編

2019年7月4日木曜日

ベトナムのベッドの角


2週間ほど前、ベトナムに行った。この20年余り、数十回ベトナムを訪れてきたが、ほぼ定期的に見舞われた、ちょとした災難を、今回改めて経験した。そしてその痛みに耐えながら「これまでに何度もあったよなー」とつくづく思った。それは心がけ次第で防げる災難でもあるので、備忘録、または御守りのようにこのエントリを書きたいと思う。

それは、ベッドだ。

まずは冒頭の写真を見て頂きたい。これは今回、ベトナム・ニャチャンで泊まった一泊30ドルぐらいのホテルの部屋のベッド。知り合いが経営するこのホテルを、私は常宿にしているので、ここにはもう何度も泊まっている。一見、小ぎれいで何の変哲もないように見えると思う。この「何でもないように見える」という、この時点で、この災難はすでに始まっている。おー恐っ。想像だけど、一泊100ドル以上するような高級ホテルのベッドにはこの災難はないような気がする。反対に、10ドルとかのドミトリーのベッドもこうじゃない気がする。この30ドルという宿泊料で、安易に高級感を出そうとしている中途半端なランクのホテルに多く見られることのように思う。

参考まで、下の写真は、日本にある我が家の子供たちのベッド。さて何が違うか。散らかったベットの上の衣類は関係ない。


もう一度、冒頭の写真を見て頂きたい。それは木枠だ。頭の方の木枠は、概ねどちらも共通だが、足下の方にも木枠がついているのは、多くのベトナムのベッドの特徴なのである。何で、こんなのが付いてるのか? おそらく装飾だろう。装飾は別にして、これがあるのとないのとで、現実的に何が違うか想像がつきますか? 無論、ベッドは寝るための物だが、実際には、腰掛けたり、多くの書類を広げて整理するのに使ったりと、この部屋の中心は間違いなくこのベッドである。だから、ベッドの周りをうろつくことは当たり前のことだ。で、下の写真。


この足下の木枠の出っ張り。こうして見ると特別に見えるかも知れないが、例えば数ヶ月ぶりにこのベッドの部屋に入った私の感覚では、この「角」は部屋の風景に溶け込んでいる。そして何の気なしにベッドの近くを歩いているとき、突然、無防備に、強烈に足をぶつける。高さからして、私の場合、だいたい太ももの真ん中ぐらいのところにこの「角」がぶつかる。ぶつけたときは毎回、10分ほどそのままベッドに倒れ込んで痛みが引くのを待たなくてはならない。5センチほどのアザが出来る。そばにノコギリがあったら、衝動的にこの「角」をギコギコ切り取ってしまいたくなる。

今回は、素面(しらふ)でぶつけたが、酔って部屋に帰ってきて太ももぶつけたことが、何度あったことか。晩飯がてらに酒を飲み、気持ちよ〜くホテルの部屋に帰って、フラフラしながらベッド周りを歩いてて、突然、ぶつける。嗚咽とともにベッドの上で痛みに耐えながら「あっ、そーだったー」とそのときは思う。しかし、このベトナムのベッドにお世話になるのは、一年に数日なものだから、次回は忘れていて、またぶつけるの繰り返し。私はこれを、少なく見積もっても10回以上は続けている。

私は、学習能力のない、ただの馬鹿かも知れぬ。しかし、馬鹿なのは私だけではない。ベトナムの人にこの「角」についてきいたことがあるが、「あー、あれね。私も年に2〜3回はぶつけるね。痛いよねー」と言っていた。

この足下の木枠は、明らかに不要と思う。毎日、ベトナムのどこかで、きっと100人ぐらいは、この「角」に足をぶつけて、悲鳴を上げている人がいるんじゃなかろうか。この問題を解決するのに、難しい技術は要らない。ベッドのメーカーは、ただ、ベッドの足下に木枠を付けなきゃいい。また、既存の木枠は取り外してしまえばいい。しかし、なかなかそうはならないこの現実・・・・。

少し、考えてみる。

「明らかにそうした方がいいと思うことが、なぜか現実的にそうはならない」

こういうことって、私たちの身の回りに少なからずあるんじゃなかろうか。ベトナムと日本では、その種類が異なるかも知れないけれど・・・・。酒・煙草は身体によくないと分かっていながら止められない。甘いものを食べ過ぎちゃいけないと知りつつ、そうはならない。化学調味料なんて使わない方がいいのに、ほとんどの食品に使われている。原発なんてない方がいいのに、なくならない。プラスチック容器は止めた方がいいのに、山ほど使われている。その昔、植木等は「分かっちゃいるけど、止められない♪」と唄った。

ベトナムのベッドの「角」がなくならないのは、ポジティブに捉えれば、ベトナムの人たちの包容力や寛容さの現れか。「あれにぶつけると痛いけど、そんなの些細なことじゃない?」ってな感じでね。ベッドの「角」ぐらい、たしかにガタガタ言う程のことではないのかも知れない。それでもやはり私には、簡単になくせるものならば、早いとこなくしちゃえばいのにと思えてならないのだけど・・・・。

2019年6月14日金曜日

小梅の赤梅酢が足りな〜い

先のエントリで、梅干し用に小梅の収穫をしたことを書いた。それを自宅へ持って帰って、まずは塩漬け。2週間後、梅酢が上がったところに、塩揉みした赤ジソを混ぜ込んだ。もう20年も毎年梅干しを仕込んでいるけど、小梅は初めて。ここまでは、塩漬けの塩の量以外は、普通サイズの梅と同じように進めてきた。が、どうも普通サイズの梅とは勝手が異なることに気がついた。

塩漬け後、3日もしたら、ちょうど小梅全体を覆うぐらいの(白)梅酢が上がって来て、よしよしと思っていたが、何となく、普通サイズの梅のときより、梅酢の量が少ないなあとは感じていた。でもそのときはそれより、まだ青々した小梅を漬けたので、梅酢が上がって一安心という気持ちになっていた。小梅は、普通サイズの梅に比べ、果肉量・水分が少ないので、塩漬け用の塩の量を、私の場合、普通サイズの梅だと17.5%のところを、小梅だからと15%にしていた。

そして、塩揉みした赤ジソ投入の段階を迎えた。

赤梅酢の量が足りない。赤ジソ投入の前には、白梅酢はギリギリ小梅全体を覆っていたが、絞った赤ジソを投入すると、赤ジソが梅酢を吸って、小梅全体が赤梅酢に浸からない。それでも、「重石をのせれば何とかなるかも」と思い、小梅の量3kgに対して、5kgの重石を3日間のせて様子をみたが、小梅全体が浸かるには程遠い。(そのとき、「どのぐらい浸かってないか」を記録するために、その重石を外して撮ったのが冒頭の写真)

「このままだと、梅酢に浸かってないところが漬からない。それに浸かってないところにカビが生えてくるかも知れない」

と、心配になってきた。
とりあえず、重石を外して、全体をかき混ぜ、梅酢に浸かってなかった梅にも赤梅酢をからませた。そして再び重石。これを改めて3日間続けてみたが、状況は変わらない。それが2〜3日前のこと。私事だが、明後日の日曜日からの一週間、ベトナム・カンホアへ出張する。その一週間の間、放っておくのは余りにも心配になった・・・・。

しばらく考えた後、塩水を足してみることにした。

最初に小梅に対して15%の塩で漬けたので、塩水は15%にした。(厳密にはこの両者の塩分濃度は異なる) この塩水追加は最小限にしたかったので、最初に恐る恐る200cc。30gの「カンホアの塩」に170gの水を加えて混ぜた。瓶に投入後、全体を攪拌。小梅全体を浸からせるためには、まだまだ足りない。で、少しずつ追加して、結局合計700ccもの塩水(塩分15%)を足して、全体を混ぜ、今度は2kgの重石をのせて、やっとギリギリ全体が梅酢(+塩水)に浸かった状態になった。

ベトナム出張からは再来週の日曜日に帰ってくる。その時点で改めて様子をみて、重石を外し、赤梅酢を小梅にしみ込ませてから、7月上旬の「土用前の土用干し」に備えよう、というのが今描いている青写真。

思い出すのは、この小梅(甲州小梅)の収穫をさせてもらった群馬・農cafeの岩田さんが言ってたこと。「漬けて3ヶ月ぐらいは、カリカリの食感を楽しめます」。このカリカリ食感というのは、この梅酢の量(または梅の水分量)と関係あるのだろうか? カリカリではなく、すぐにネットリになる梅と違うだろうか? 今度、6月30日に行われる農cafeでの「梅祭り」のときにきいてみようと思う。小梅も初めてながら、カリカリ梅も初めて。「土用前の土用干し」に備えるのに、6月30日はちょうどいいタイミングだ。

来年、高校生になる予定の娘のお弁当のためというキッカケで、初めての小梅の梅干し。思いの外、新たに気に掛けることがある。あと岩田さんは、「3日も干さない方がいいわよ」とも言ってたなー。今年の梅の仕込みもまだ中盤戦。干すときもいろいろあるかも知れない。その前に、ベトナムから帰って来たら、カビだらけなんてことがないといいんだけどな〜。

2019年5月31日金曜日

初めての、小梅の梅干し



一週間ほど前、群馬の農cafeさんの梅林へ行って、梅干しの梅をもいできた。もう20年、毎年梅干しを仕込んでいるが、小梅を使うのは今回が初めて。もいだ品種は、「甲州小梅」。農cafeさんは、2種類の小梅を育てていて、もうひとつは、「織姫」。「甲州小梅」より一回り大きい。ただし、より小さい「甲州小梅」の方が果実が肉厚。「織姫」の方が種が大きいとも言える。どっちももちろん、無農薬。

下の写真は、甲州小梅を収穫中の私と農cafeの岩田さん(右)。小梅を使うのは初めてと書いたが、梅もぎするのも初めて。脚立にのって、枝をたぐり寄せながら摘んでいく。脚立の移動はいちいち下りなきゃならないから面倒だが、だからといってあんまり欲張って一所で頑張るのも危ない。木になってる果実をもいでいると、本能が刺激されてか、夢中になってしまい、多少遠い枝の小梅も勢いで取ろうと思ってしまう。それにしても、天気もよくて気持ちのいい収穫だった。無農薬だからなおさら。


さて、冒頭の写真が今回収穫した甲州小梅だが、まだ青く、熟していない。普通サイズの梅の場合、梅酒に青い梅ということはあっても、梅干し用には多少なりとも熟した梅がいいとされる。でも、岩田さん曰く、「小梅は皮が破けやすいので、このぐらい青いうちに漬けるのがいい」とのアドバイス。追熟も脳裏をかすめたものの、小梅初心者の私はそのまま従った。このぐらいの青さだと、漬けて最初の2〜3ヶ月、果肉はカリカリらしい。それ以降はネットリになっていくとのこと。普通サイズよりも少し少なめ(15%)の「カンホアの塩」で漬けて、2日後には、梅酢が上がってきた。

ところで、私が今年初めて小梅で梅干し仕込むのには理由がある。来年から、我が娘は高校生の予定で、毎日弁当を持っていくことになるだろうという予想の下、主に弁当を用意することになるであろうカミさんから「今年は小梅で」とのリクエストがあった。群馬の農cafeから帰宅後、娘と二人で収穫した甲州小梅のヘタ取りをした。農cafe岩田さんは、「ヘタは取らなくても大丈夫。梅酢に浸かる頃には自然と離れるから、そのとき漉せば簡単よ」と言われていたが、選別を兼ねてのヘタ取り作業を一緒にやりながら、彼女の話を聞くのは楽しみなので、やりました。小梅は小さい分、ブルーベリーのように収穫(梅もぎ)作業もより手間がかかるが、それはヘタ取りも同様。普通サイズの同じ重さの梅のおそらく3倍ぐらいの数になる。おかげで今年はたっぷりと彼女の愚痴を聞くことが出来た。彼女と一緒にこのヘタ取り作業をして数年経つが、あと何回出来るだろうか。一緒にやらなく、やれなくなったら、岩田さんの言うようにヘタ取りしないで漬けることとしよう。

ところで、小梅のメリットは、弁当に添えるのにちょうどいいサイズというだけではない。小梅は南高梅や白加賀など普通サイズの梅よりも収穫のタイミングが2〜3週間早いので、土用干しも早めに出来ることだ。

私が「カンホアの塩」のwebサイト上で載せてる梅干しレシピにも書いてるが、この数年、梅雨明けが滅法早い。去年(2018年)なんかは、記録的早さで、関東甲信地方は6月29日だった。早いだけならまだしも、いざ7月末から8月初めの土用の頃になると、朝は晴れてても昼頃雲行きが怪しくなる日が多く、土用干しがしにくい。それがこの数年の傾向のように思っている。気象庁発表の過去の梅雨明けの日のデータを見ると、「少し早まっている」程度なのだが、梅干しの天日干しを前提にした私の感覚では、7月の初旬には(土用前の)土用干しをスタンバっていたい。それには、収穫時期の早い小梅は好都合だ。去年までは、九州のサムライ菊の助さんから無農薬の普通サイズの梅を送ってもらっていたが、それも、関東より九州の方が収穫時期が早いということがある。

梅の熟度、数的手間など、小梅ならではのことがあるが、もうひとつ、土用干し(天日干し)の度合いについて。「小梅は普通サイズの梅のように3日も干さない方がいい」という農cafe岩田さんのアドバイスがあった。3日も干すと梅干しの水分が極端に少なくなってカラカラになってしまうということだ。考えてみると、小粒の方が、梅の総表面積は広くなるだろうから、乾燥も早いはずだ。なるほど。1〜2日でよさそうだ。

現在、瓶の中の小梅は、梅酢がしっかり上がった状態になっている。1〜2週間のうちに、赤ジソを加えての本漬け。その2〜3週間後の7月初旬には、いつ梅雨明けしてもいい状態にしたい。

関連エントリ:
小梅の赤梅酢が足りな〜い(2019年6月14日)