先のエントリ「イルクーツクの家」に続き、イルクーツクのモノ・シリーズ。今回は車とゴミ箱。「かなりマニアックになってきた」との自意識はあるものの、臆することなく書いてみる。去年、生の蓮の実の剥き方を書いたとき、「こんなの何の役に立つのか」と思っていたが、その後お礼のコメントを頂いた。そんなこともあるのでね。
さてまず最初に、冒頭の写真の道路標識。もちろんイルクーツクの町中。下から、「制限速度40キロ」は分かる。そして「直進方向の一方通行」、これも分かる。しかし、一番上の「人間が二人走っているような図」、これが想像できなかった。もしかしたら、「急いで渡れ」などと思ってみたものの、まさかそんな標識あるものか。ちなみに、3日間のイルクーツク滞在中、交差点や横断歩道でもないところで私が道を渡ろうとしたとき、止まってくれた車が何台もあった。そんな町で、「急いで渡れ」はあり得ないだろうと思った。で、帰国後調べてみた。
●ロシアの主な道路標識
正解は、「子供飛び出し注意」だった。
なるほど。この道の右側は、遊歩道のある公園だった。
・・・・と、のっけから余談のようだが、冒頭の写真をもう一度見て欲しい。縦に3つ並んだ道路標識の左下前方にある赤い車が見えますか? 「これはタダ者(車)ではない」とビビッと感じて近づいて撮った写真が下。本当は、車内も撮りたかったのだけど、一緒にいた娘に止められた。「人の車の中見たり、ましてや写真まで撮ったら絶対に怪しい人になるから、やめてくれ」と。たしかに。
イルクーツクの町で走っているのは、10〜20年前の日本の中古車ばかりだったから、下の写真の車の古さレベルさえ、簡単には見つからなかった。
私は車には詳しくないながら、古い車の形や色が好きだ。下の車は、日本では50年前頃走っていた型か。屋根の上にのっかってるのは広告だと思う。
そして、このワンボックス。塗装のせいもあってか、フォルックスワーゲンよりカッコいいと思いませんか? この丸っこさが愛らしい。屋根にブルーに光りそうなものがついてるから、救急車の類なのか。分からない。中を覗こうとすると、娘が私の腕を引く。
さぁ、こっからは、私が好きなゴミ箱編でーす。
4年ほど前に、南イタリアのゴミ箱のことを書いたが、私は、外国へいってその土地のゴミ箱をいろいろ見るのが好きだ。室内にあるゴミ箱ではなく、公園や道路など屋外にある公共のゴミ箱だ。昔の東京には、カゴタイプが普及する前、モスグリーン色で一本足の頑丈そうなゴミ箱が公園や歩道などにあった記憶がある。なぜか、あれが忘れられない。
さてさて、イルクーツクの町中のゴミ箱は、南イタリアのに比べ、戦車のようなズッシリとした重厚感があった。こういうゴミ箱はお国柄・地域柄を表しているように思えてならない。ロシアは鉄が豊富なのだろうか。
これはアールデコな装飾。
これは至って機能的。
これは公園の中。ぶどうの葉っぱのような装飾が目を引くが、やはり造りはしっかりしている。
これは何ともオシャレなガードレールと融和している感があり、すばらしい。
以上の4点は、長らく使われてきた感じのもの。そして、お気づきだろうか。これらは皆、くるっと180度回して下向きにして、中のゴミを取り出す構造になっている。南イタリアではひとつもなかったタイプだ。そして、次の5点目だけは、二重構造になっていて、中の部分を取り出してゴミを出すタイプ。これはイルクーツクの中でも新しく作られた区域にあったもので、他の4点とは違い、新しいものだった。
その他、写真を撮り損ねたが、イルクーツクで気になったモノとして、路面電車とトロリーバスがあった。まずはバイカル湖(ロシア旅行no.1)のエントリで書きそびれたが、世界一の水量を誇るバイカル湖のおかげで、イルクーツク周辺には水力発電所が4つあるという。そして、電気代はモスクワの4分の1という。耳を疑う数字だ。日本語ガイドさん曰く、「路面電車とトロリーバスが走っているのは、電気代が安いからなのよ」とのこと。地下資源が豊富と言われているロシアだが、バイカル湖の水はそうそう減ることのないスゴイ資源なのだと改めて思った。
あと、もう一回、ロシア旅行のこと。
次はロシア・イルクーツクの人の話を書こうと思う。
2014年9月26日金曜日
2014年9月24日水曜日
ロシア旅行no.5・イルクーツクの家
きょうは、イルクーツクで撮った、家の写真。車で1時間ぐらいのところに、木造建築の博物館があるのだけど、その展示物より、町中の古い木造建築の方が面白かった。博物館のメリットは中に入れること。町中の古い家は人んちだからねー。
イルクーツクの町を歩いていて、最初に目についたのが上の写真のような木造の家だった。窓枠と壁のコントラストがチャーミングなこの家は、丸太の家だ。これは比較的新しい方の木造家屋。シベリアは、無尽蔵に思えるほどの針葉樹林なのだということを思い起こさせてくれる。(ロシア旅行その2)でも触れたが、この地の先住民、ブリアート人の家は、可動式の家。そして、この写真の家は、移住してきたロシア人の家だ。窓枠に西洋の香りを感じるのはそのため。
ロシア流イルクーツクの古い家の写真を何枚か。
上の写真の窓枠アップ。このように、古い家では2階の窓枠は塗装なしが多かった。(昔はあったのかな?)
冒頭の薄緑の窓枠の家は、丸太が剥き出しだが、上の家の外壁は、おそらく丸太の上に化粧の板が張ってある。それは、下の写真の家を見ると分かる。これは別の比較的新しい家だが、その裏側。表から見えるところに化粧の板が張ってある。
お次は外壁が漆喰のようなものが塗られていた。何とも言えぬ色と質感。
上の写真の家もそうだが下の家も、なぜか窓枠の下端が道路と同じ高さになっている。また、下の写真の家の入口は50センチほど降りて入るようになっている。窓から覗いて見てみたら、一階の床は地面より50センチほど低くなっていた。なぜだか分からない。大雨が降ると中に流れそうで心配だけど。
そして、冒頭で少し触れた木造博物館でのロシア人の家は下。町中に現存するものと差ほど変わらないように感じる。少し前にオープンした博物館なので、町中の古い家より断然新しい。
町中の古い家との違いを強いて言えば、屋根のふき方が違った。町中のは木造ではあるものの屋根は金属やモルタルなどの波板。そして、博物館のは下の写真のように、貫板が重ねてあった。分かるかな。昔はみんなこれだったのか? 貫板には縦に2本ずつの溝が彫られていて、貫板の継ぎ目にその溝が合わせてある。何で溝を貫板の中央に彫らないんだろう? 上段は2本の方が雨水が流れやすいか。それにしてもこんなんで、雨がしのげるものかと、素朴な疑問を持ったけど、やはり大雨はないのかな。
そして、博物館にあった先住民のブリアート人の住居はコレ。円形の可動式。
中に入ると、中央にはこうして囲炉裏が切られている。
これが展示してあったブリアート人の民族衣装。
尖った屋根中央には、囲炉裏の煙突兼明かり取りの開口があった。ロシア人とは、大きく文化が異なる。
この次のエントリでも、イルクーツクの「モノの写真」の続編。車とゴミ箱を載せようと思う。
イルクーツクの町を歩いていて、最初に目についたのが上の写真のような木造の家だった。窓枠と壁のコントラストがチャーミングなこの家は、丸太の家だ。これは比較的新しい方の木造家屋。シベリアは、無尽蔵に思えるほどの針葉樹林なのだということを思い起こさせてくれる。(ロシア旅行その2)でも触れたが、この地の先住民、ブリアート人の家は、可動式の家。そして、この写真の家は、移住してきたロシア人の家だ。窓枠に西洋の香りを感じるのはそのため。
ロシア流イルクーツクの古い家の写真を何枚か。
上の写真の窓枠アップ。このように、古い家では2階の窓枠は塗装なしが多かった。(昔はあったのかな?)
冒頭の薄緑の窓枠の家は、丸太が剥き出しだが、上の家の外壁は、おそらく丸太の上に化粧の板が張ってある。それは、下の写真の家を見ると分かる。これは別の比較的新しい家だが、その裏側。表から見えるところに化粧の板が張ってある。
お次は外壁が漆喰のようなものが塗られていた。何とも言えぬ色と質感。
上の写真の家もそうだが下の家も、なぜか窓枠の下端が道路と同じ高さになっている。また、下の写真の家の入口は50センチほど降りて入るようになっている。窓から覗いて見てみたら、一階の床は地面より50センチほど低くなっていた。なぜだか分からない。大雨が降ると中に流れそうで心配だけど。
そして、冒頭で少し触れた木造博物館でのロシア人の家は下。町中に現存するものと差ほど変わらないように感じる。少し前にオープンした博物館なので、町中の古い家より断然新しい。
町中の古い家との違いを強いて言えば、屋根のふき方が違った。町中のは木造ではあるものの屋根は金属やモルタルなどの波板。そして、博物館のは下の写真のように、貫板が重ねてあった。分かるかな。昔はみんなこれだったのか? 貫板には縦に2本ずつの溝が彫られていて、貫板の継ぎ目にその溝が合わせてある。何で溝を貫板の中央に彫らないんだろう? 上段は2本の方が雨水が流れやすいか。それにしてもこんなんで、雨がしのげるものかと、素朴な疑問を持ったけど、やはり大雨はないのかな。
そして、博物館にあった先住民のブリアート人の住居はコレ。円形の可動式。
中に入ると、中央にはこうして囲炉裏が切られている。
これが展示してあったブリアート人の民族衣装。
尖った屋根中央には、囲炉裏の煙突兼明かり取りの開口があった。ロシア人とは、大きく文化が異なる。
最後に、イルクーツクの町中で見つけた、やけにポップな家。商店か事務所だろう。あまりに魅力的だったので、しばらく眺めていたら、このクリーム色のドアを開けて入っていった人を見た。ちゃんと現役の建物だ。
念のため、上の写真で建物がやや歪んで見えるのは、カメラのせいじゃなく、この家自体が歪んでいるため。この町の古い家の多くは基礎がほとんどない。地面の上にそのまま材木をのせているように見える。だから地面が歪むと家も歪む。これもやはり雨が少ないことを示しているようだし、たぶん地震もないんだろうな。ただ、これらの町中の古い木造家屋は、何とも魅力的だった。この次のエントリでも、イルクーツクの「モノの写真」の続編。車とゴミ箱を載せようと思う。
2014年9月12日金曜日
ロシア旅行no.4・ロシアのおいしさ(2)
きょうもロシアの食い物の話し。ベスト3を書こうと思って書き始めた先のエントリ。結局、ひとつしか書けなかったので、ここに残りのふたつを書こうと思う。
上の写真。何の変哲もないただのフライドポテト。だけど、これが旨かったのねー。ジャガイモが旨かったんだと思う。これが堂々としたふたつ目だ。
実は、先のエントリで、オームリの(卵じゃなく)魚本体の料理の写真があった。その料理は、(ロシア旅行no.2)でも書いた、訪問したダーチャで頂いたものだったのだが、その写真の右手にちょろっとジャガイモ君(メークイン系)が見えてるの、分かりますか。そのジャガイモ料理がやけに旨かったので、その翌日、レストランに入ったとき、メニューの「フライドポテト」をわざわざ注文してみた。
案の定、とってもおいしいフライドポテトだった。イルクーツクではちょっといいレストランだったせいか、揚げ油も新鮮ということもあったろう。それにしても、この控えめな旨みと鼻に抜ける香り。比較的後から出てきたせいで、結構お腹いっぱいになってる腹具合にも関わらず、後引くおいしさ。飽きが来ない。さも「これがジャガイモの味なのよ」と微笑みかけているようだった。
考えてみれば、日本だとジャガイモと言えば北海道。このシベリアの中央に位置するイルクーツク周辺は、土壌や気候からして、ジャガイモの名産地なのかも知れない。そう思わせてくれるフライドポテトだった。真夏のトルコで食べたトマトを思い出した。こういうありきたりの食材がおいしいのはとても嬉しいことだ。
そして、3つ目。
それはキノコのスープ。(ロシア旅行no.2)で書いたダーチャでは、ランチを頂いたのだけど、その際、最初にサーブされたキノコのスープ。そのときのメインは、先にも書いたオームリだったのだけど、その前に出されたキノコのスープがうまかった。どんなキノコかは分からない。キノコと一緒に入ってたのは、キャベツだったような。おいしい場合、それに気を取られてしまうので、写真が残らない。ただ、一枚、テーブルの上にズラッと並んだ料理を撮った写真の一部に辛うじて、サーブされる前のこのスープが写っていた。下の写真がその切り抜きだ。これじゃ何だか分からないけど、一応。
私たちが訪れたイルクーツクの8月半ばは、ちょうどキノコのシーズン。ややピークを越えたところだったらしいが、町を散歩していても、ちょっとした草むらに下のようなキノコがゴロゴロ生えていた。この白いキノコはでかい。子供の握り拳ぐらいある。
残念ながら、料理する前のキノコにはお目にかかることは出来なかったが、何とも滋味深いスープだった。突出した旨い食材はなくとも、お袋の味的なおいしさなのだ。こういうおいしさを表現するのは難しい。
これまで、二度、このブログで、ロシア料理について書いたことがある。
● 写真教室とボルシチ (2012年3月6日)
● ベトナム・ニャチャンのロシア料理レストラン(2012年4月9日)
そして、今回初めてロシアの地を踏んでのロシア料理。どれも共通している私の感想がある。「やさしい味」、「ホッとする(安心するような)味」、「家庭的な味」、「心温まるような」などだ。それがこのキノコのスープに集結してたように思う。
ロシアは広大だが、どこも極寒地だ。この国では暖かいスープの意味は、夏場でさえ特別なのかも知れない。そして、氷に閉ざされる長い冬の間の食事は、貯蔵された根菜類や保存食が中心になろう。(肉・魚の類は、屋外で冷凍らしい) それはフライドポテトや、先のエントリでのオームリの卵の塩漬けもそれにあたる。私がよく行くベトナムとは至って対照的だが、こういう食文化の洗練のされかたもあってしかるべきだ。
また、主食のパンについて。下の写真が、ロシアで一番ポピュラーな黒パン。
例えば、ズッシリと重いドイツのライ麦パンのようではない。なにしろ軽い。中はややモッチリ、スポンジのような弾力。日本でも、私は重ーいライ麦パンをときどき食べたくなるが、毎日はしんどい。その点、ロシアの黒パンは、お気軽で普通においしい。こんな黒パンもロシア料理のやさしさを表しているように思える。
和食、中華、イタリアン、フレンチ、トルコ料理にタイ料理。名の通った料理は数あれど、この3日間で食したロシア料理は、地味ながら、「心温まる」料理。「これ以上望むものはない」と妙に納得させられる料理の数々だった。
もしも、「ロシア料理ってどんなの?」ときかれたら、「ホッとする料理」と答えることにしようと思う。
上の写真。何の変哲もないただのフライドポテト。だけど、これが旨かったのねー。ジャガイモが旨かったんだと思う。これが堂々としたふたつ目だ。
実は、先のエントリで、オームリの(卵じゃなく)魚本体の料理の写真があった。その料理は、(ロシア旅行no.2)でも書いた、訪問したダーチャで頂いたものだったのだが、その写真の右手にちょろっとジャガイモ君(メークイン系)が見えてるの、分かりますか。そのジャガイモ料理がやけに旨かったので、その翌日、レストランに入ったとき、メニューの「フライドポテト」をわざわざ注文してみた。
案の定、とってもおいしいフライドポテトだった。イルクーツクではちょっといいレストランだったせいか、揚げ油も新鮮ということもあったろう。それにしても、この控えめな旨みと鼻に抜ける香り。比較的後から出てきたせいで、結構お腹いっぱいになってる腹具合にも関わらず、後引くおいしさ。飽きが来ない。さも「これがジャガイモの味なのよ」と微笑みかけているようだった。
考えてみれば、日本だとジャガイモと言えば北海道。このシベリアの中央に位置するイルクーツク周辺は、土壌や気候からして、ジャガイモの名産地なのかも知れない。そう思わせてくれるフライドポテトだった。真夏のトルコで食べたトマトを思い出した。こういうありきたりの食材がおいしいのはとても嬉しいことだ。
そして、3つ目。
それはキノコのスープ。(ロシア旅行no.2)で書いたダーチャでは、ランチを頂いたのだけど、その際、最初にサーブされたキノコのスープ。そのときのメインは、先にも書いたオームリだったのだけど、その前に出されたキノコのスープがうまかった。どんなキノコかは分からない。キノコと一緒に入ってたのは、キャベツだったような。おいしい場合、それに気を取られてしまうので、写真が残らない。ただ、一枚、テーブルの上にズラッと並んだ料理を撮った写真の一部に辛うじて、サーブされる前のこのスープが写っていた。下の写真がその切り抜きだ。これじゃ何だか分からないけど、一応。
私たちが訪れたイルクーツクの8月半ばは、ちょうどキノコのシーズン。ややピークを越えたところだったらしいが、町を散歩していても、ちょっとした草むらに下のようなキノコがゴロゴロ生えていた。この白いキノコはでかい。子供の握り拳ぐらいある。
残念ながら、料理する前のキノコにはお目にかかることは出来なかったが、何とも滋味深いスープだった。突出した旨い食材はなくとも、お袋の味的なおいしさなのだ。こういうおいしさを表現するのは難しい。
これまで、二度、このブログで、ロシア料理について書いたことがある。
● 写真教室とボルシチ (2012年3月6日)
● ベトナム・ニャチャンのロシア料理レストラン(2012年4月9日)
そして、今回初めてロシアの地を踏んでのロシア料理。どれも共通している私の感想がある。「やさしい味」、「ホッとする(安心するような)味」、「家庭的な味」、「心温まるような」などだ。それがこのキノコのスープに集結してたように思う。
ロシアは広大だが、どこも極寒地だ。この国では暖かいスープの意味は、夏場でさえ特別なのかも知れない。そして、氷に閉ざされる長い冬の間の食事は、貯蔵された根菜類や保存食が中心になろう。(肉・魚の類は、屋外で冷凍らしい) それはフライドポテトや、先のエントリでのオームリの卵の塩漬けもそれにあたる。私がよく行くベトナムとは至って対照的だが、こういう食文化の洗練のされかたもあってしかるべきだ。
また、主食のパンについて。下の写真が、ロシアで一番ポピュラーな黒パン。
例えば、ズッシリと重いドイツのライ麦パンのようではない。なにしろ軽い。中はややモッチリ、スポンジのような弾力。日本でも、私は重ーいライ麦パンをときどき食べたくなるが、毎日はしんどい。その点、ロシアの黒パンは、お気軽で普通においしい。こんな黒パンもロシア料理のやさしさを表しているように思える。
和食、中華、イタリアン、フレンチ、トルコ料理にタイ料理。名の通った料理は数あれど、この3日間で食したロシア料理は、地味ながら、「心温まる」料理。「これ以上望むものはない」と妙に納得させられる料理の数々だった。
もしも、「ロシア料理ってどんなの?」ときかれたら、「ホッとする料理」と答えることにしようと思う。
2014年9月10日水曜日
ロシア旅行no.3・ロシアのおいしさ(1)
ロシア旅行のことを続けて書いてきたが、その3回目。食い物のことは書かなきゃならんだろう。ということで、印象に残った食べもの、ベスト3を書こうと思う。まず最初が、上の写真。オームリの卵だ。黄金色が美しい。
オームリとは、バイカル湖に生息する淡水魚。ロシア料理というより、バイカル湖に近いこのイルクーツクの名物。この町では、とてもポピュラーな食材だ。そして卵じゃなく、魚自体は下の写真。
淡水魚らしくやや淡泊な味の白身魚だ。で、「印象に残った」のはこの魚自体ではなく、あくまで冒頭の写真のその卵。正確には、塩漬けで、食感はややネットリしている。辛めの塩味とともにタラコよりもやや淡い旨みの卵な味、そして後味に独特な少しのクセがある。それがいい。
そして、この食べ方は、ロシア流だと思うが、それが新鮮なおいしさだった。写真では一番奥のトーストに、オームリの卵、サワークリーム、紫タマネギのみじん切りをのせて、パクッと食す。やってみると分かるが、このトッピングの食べ合わせが実にいい。
オームリの卵はイルクーツクまで行かねばならぬが、イクラやタラコなんかでも十分においしい。実は、このレストランで、このオームリの卵を注文した際、一緒にイクラも注文した。それは冒頭の写真のオームリの卵がイクラにすり替わってサーブされたもの。ロシアのイクラは、無論塩漬け。醤油漬けのイクラよりネットリ感が強く、塩辛味も強い。日本でも、スズコと呼ばれる塩漬けがありますね。スズコは鮭の腹から出してそのまま塩漬けだが、ロシアのイクラは、日本のイクラのように卵をばらしてから塩漬けになっている。出来たら、塩漬けの方がこの食べ方に合うように思う。塩漬けイクラは、日本でもたまに見かける。そして、日本に帰国後、タラコで試みてもみた。全くもっておいしい。
何しろ、この「魚卵の塩漬け+サワークリーム+紫タマネギ」の組み合わせがいいので、是非お試しを。材料さえ揃えば、簡単なので、来客時にちょっと出すオードブルにはちょうどいい料理だ。
ところで、このサワークリーム。ロシアではディルとともに頻繁に登場する。例えば、下の写真が、日本で有名なビーフ・ストロガノフとボルシチ(どちらも食べかけ)。決まり事のように、サワークリームとディルが使われる。ビーフ・ストロガノフにはサワークリームがからまってるし、ボルシチにはディルとともに浮かばせてサーブされる。
このふたつとピロシキは、ロシア料理といったときに私が最初に思いつく料理だったので、レストランで狙い撃ちでオーダーした。ついでにピロシキの写真も載せちゃおう。
ピロシキは、ロシアのファストフードみたいだった。レストランで食べるというより、屋台や店先でテイクアウトして食べる感じだ。上の写真のピロシキがポリ袋に入っているのもそのため。買ってきてホテルの部屋で食べた。ちなみに中の具は様々なので、日本のおにぎりに存在が似てるかも知れない。写真のはチキンだった。
ずいぶん脱線した。
そろそろ話しを戻さないといけない。
書こうとしているのは、印象に残った食べものベスト3だった。
ここまで書いてきたが、それは、ビーフ・ストロガノフでもボルシチでもないし、ピロシキでもない。
「オームリの卵の塩漬け+サワークリーム+紫タマネギ」をトーストにのせて食う。きょうのエントリでは、これだけになっちゃった。残りのふたつはまた次回。何しろ、ロシア風・魚卵の食べ方。是非、お試しを。
オームリとは、バイカル湖に生息する淡水魚。ロシア料理というより、バイカル湖に近いこのイルクーツクの名物。この町では、とてもポピュラーな食材だ。そして卵じゃなく、魚自体は下の写真。
淡水魚らしくやや淡泊な味の白身魚だ。で、「印象に残った」のはこの魚自体ではなく、あくまで冒頭の写真のその卵。正確には、塩漬けで、食感はややネットリしている。辛めの塩味とともにタラコよりもやや淡い旨みの卵な味、そして後味に独特な少しのクセがある。それがいい。
そして、この食べ方は、ロシア流だと思うが、それが新鮮なおいしさだった。写真では一番奥のトーストに、オームリの卵、サワークリーム、紫タマネギのみじん切りをのせて、パクッと食す。やってみると分かるが、このトッピングの食べ合わせが実にいい。
オームリの卵はイルクーツクまで行かねばならぬが、イクラやタラコなんかでも十分においしい。実は、このレストランで、このオームリの卵を注文した際、一緒にイクラも注文した。それは冒頭の写真のオームリの卵がイクラにすり替わってサーブされたもの。ロシアのイクラは、無論塩漬け。醤油漬けのイクラよりネットリ感が強く、塩辛味も強い。日本でも、スズコと呼ばれる塩漬けがありますね。スズコは鮭の腹から出してそのまま塩漬けだが、ロシアのイクラは、日本のイクラのように卵をばらしてから塩漬けになっている。出来たら、塩漬けの方がこの食べ方に合うように思う。塩漬けイクラは、日本でもたまに見かける。そして、日本に帰国後、タラコで試みてもみた。全くもっておいしい。
何しろ、この「魚卵の塩漬け+サワークリーム+紫タマネギ」の組み合わせがいいので、是非お試しを。材料さえ揃えば、簡単なので、来客時にちょっと出すオードブルにはちょうどいい料理だ。
ところで、このサワークリーム。ロシアではディルとともに頻繁に登場する。例えば、下の写真が、日本で有名なビーフ・ストロガノフとボルシチ(どちらも食べかけ)。決まり事のように、サワークリームとディルが使われる。ビーフ・ストロガノフにはサワークリームがからまってるし、ボルシチにはディルとともに浮かばせてサーブされる。
このふたつとピロシキは、ロシア料理といったときに私が最初に思いつく料理だったので、レストランで狙い撃ちでオーダーした。ついでにピロシキの写真も載せちゃおう。
ピロシキは、ロシアのファストフードみたいだった。レストランで食べるというより、屋台や店先でテイクアウトして食べる感じだ。上の写真のピロシキがポリ袋に入っているのもそのため。買ってきてホテルの部屋で食べた。ちなみに中の具は様々なので、日本のおにぎりに存在が似てるかも知れない。写真のはチキンだった。
ずいぶん脱線した。
そろそろ話しを戻さないといけない。
書こうとしているのは、印象に残った食べものベスト3だった。
ここまで書いてきたが、それは、ビーフ・ストロガノフでもボルシチでもないし、ピロシキでもない。
「オームリの卵の塩漬け+サワークリーム+紫タマネギ」をトーストにのせて食う。きょうのエントリでは、これだけになっちゃった。残りのふたつはまた次回。何しろ、ロシア風・魚卵の食べ方。是非、お試しを。
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