イルクーツクの町を歩いていて、最初に目についたのが上の写真のような木造の家だった。窓枠と壁のコントラストがチャーミングなこの家は、丸太の家だ。これは比較的新しい方の木造家屋。シベリアは、無尽蔵に思えるほどの針葉樹林なのだということを思い起こさせてくれる。(ロシア旅行その2)でも触れたが、この地の先住民、ブリアート人の家は、可動式の家。そして、この写真の家は、移住してきたロシア人の家だ。窓枠に西洋の香りを感じるのはそのため。
ロシア流イルクーツクの古い家の写真を何枚か。
上の写真の窓枠アップ。このように、古い家では2階の窓枠は塗装なしが多かった。(昔はあったのかな?)
冒頭の薄緑の窓枠の家は、丸太が剥き出しだが、上の家の外壁は、おそらく丸太の上に化粧の板が張ってある。それは、下の写真の家を見ると分かる。これは別の比較的新しい家だが、その裏側。表から見えるところに化粧の板が張ってある。
お次は外壁が漆喰のようなものが塗られていた。何とも言えぬ色と質感。
上の写真の家もそうだが下の家も、なぜか窓枠の下端が道路と同じ高さになっている。また、下の写真の家の入口は50センチほど降りて入るようになっている。窓から覗いて見てみたら、一階の床は地面より50センチほど低くなっていた。なぜだか分からない。大雨が降ると中に流れそうで心配だけど。
そして、冒頭で少し触れた木造博物館でのロシア人の家は下。町中に現存するものと差ほど変わらないように感じる。少し前にオープンした博物館なので、町中の古い家より断然新しい。
町中の古い家との違いを強いて言えば、屋根のふき方が違った。町中のは木造ではあるものの屋根は金属やモルタルなどの波板。そして、博物館のは下の写真のように、貫板が重ねてあった。分かるかな。昔はみんなこれだったのか? 貫板には縦に2本ずつの溝が彫られていて、貫板の継ぎ目にその溝が合わせてある。何で溝を貫板の中央に彫らないんだろう? 上段は2本の方が雨水が流れやすいか。それにしてもこんなんで、雨がしのげるものかと、素朴な疑問を持ったけど、やはり大雨はないのかな。
そして、博物館にあった先住民のブリアート人の住居はコレ。円形の可動式。
中に入ると、中央にはこうして囲炉裏が切られている。
これが展示してあったブリアート人の民族衣装。
尖った屋根中央には、囲炉裏の煙突兼明かり取りの開口があった。ロシア人とは、大きく文化が異なる。
最後に、イルクーツクの町中で見つけた、やけにポップな家。商店か事務所だろう。あまりに魅力的だったので、しばらく眺めていたら、このクリーム色のドアを開けて入っていった人を見た。ちゃんと現役の建物だ。
念のため、上の写真で建物がやや歪んで見えるのは、カメラのせいじゃなく、この家自体が歪んでいるため。この町の古い家の多くは基礎がほとんどない。地面の上にそのまま材木をのせているように見える。だから地面が歪むと家も歪む。これもやはり雨が少ないことを示しているようだし、たぶん地震もないんだろうな。ただ、これらの町中の古い木造家屋は、何とも魅力的だった。この次のエントリでも、イルクーツクの「モノの写真」の続編。車とゴミ箱を載せようと思う。
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