2008年8月25日月曜日

ラーメン・ゼロ

東京は目黒。山手通りを大鳥神社から南へ歩いて少しのところ、歩道橋のたもとにこのお店がある。その名も「ラーメン・ゼロ」。魚介系ラーメンの旗手・前島司氏のお店だ。写真では一見、普通のラーメンに見えるが、調味料が一切使われておらず、具材の味だけのラーメンだ。食すと誰もがその「新しさ」を感じる味と思う。それは一口に「ワイルドな味」だ。食べてて自分が原始人のようになった気がした。しかし、決して荒っぽい味ではない。むしろ繊細な味だ。魚介系から肉系・野菜系の様々な味が融合していて、「きっと原始時代、超グルメな人が調理するとこんな味になったのかな」と思わせる「ワイルドな味」だ。「素材の味をいかす」という擦り切れた言葉があるが、「ラーメン・ゼロ」は、それがモロ(直接的)な味で、英語では“naked taste”(裸の味)という言葉が合う気がする。

私の嫌いなラーメン。それは最初の一口はおいしいが、だんだんくどくなり、最後まで食べるのが大変なもの。そして私の好きなラーメン。それは最初はやんわりとおいしく、食べ進むと時間とともにそのおいしさが深くなり、食べ終わったときにちょうど満足感を得られるもの。無論「ラーメン・ゼロ」は後者だ。前者の方は、「最初の一口がおいしい」と書いたが、実際には条件反射的に、そのおいしさをおいしいとは感じなくなっている。

あえて言うまでもないが、日本のラーメンは完全に一大文化だ。様々な志向を持った様々な人たちが様々なラーメンを食べる。そして様々なラーメンが生まれる。その多様さは、ヒットメイクまたは生き残りの厳しさとも常に背中合わせだ。そういう意味で、この「新しさ」は大胆に勝負に出ている。あとは客の反応次第。「ラーメン・ゼロ」、まずは一度体験してみたらいかが?

2008年8月6日水曜日

大辛塩鮭

タイトルは「大辛塩鮭」でありながら、写真は「紅鮭(甘口)」。ここにきょうのブログの意味があります。

「最近、塩辛ーい鮭、見ないなぁ〜」とお嘆きの方、いらっしゃいませんか? 焼いた鮭の表面は塩が吹き出てて、ふっくらと言うよりやや固めの食感。そして塩はもとより鮭の味も濃厚。そいつを箸でほぐし、アツアツのご飯にのせて、またはチビチビつまむ酒のアテとして、そしてやっぱりお茶漬けの具として。(拙ブログ2007年9月6日の「水かけご飯」の具にも最高です) 塩気が強いからあんまりたくさんは食べられないけど、日持ちします。キッチンの火を使わずに、毎日ちょっとずつ食します。特にこの季節はこの塩気が食欲をそそります。もちろんお医者さんから「減塩」の注意を受けてる方は例外ですので、あしからず。

「大辛塩鮭」が少なくなったこと。その理由は「減塩」もありますが、この冷凍保存が常識の時代に、新巻鮭のような保存が目的での大辛は合わないのかも知れません。ただ、塩を作っている私が思うのは、塩鮭に使う塩が時代とともにおいしくなくなってんじゃないか、ということ。塩だけという非常にシンプルな味付けながら、私はその塩にこだわっている塩鮭を見かけたことがないからです。いずれにしろ、この「大辛塩鮭」の肩身が狭い時代。それを逆手にとって、おいしい「大辛塩鮭」を作りましょう。というのがきょうのブログです。

「大辛塩鮭」が世間に少ないということは、写真のような「甘口塩鮭」、つまり塩分控えめの塩鮭が多いということ。塩にこだわるなら、かえってこの「甘口」がいいのです。もちろん、シーズンには「生鮭」も使えます。この「甘口」または「生」の鮭に自分の好みの塩を使うのです。もちろん塩分の加減も自分の好みで。一手間と言えば一手間だけど、塩を振って冷蔵庫に何日か放っておくだけだから、非常に簡単。気を使うのは、振る塩の量ぐらいですね。だいたい鮭の重さの10%ぐらいを目安にすると「大辛塩鮭」になります。切り身一切れ150gとすると、15gぐらいの塩をパラパラすればいい。それが下の写真です。

この写真では鮭の下に市販の「水取り(脱水)シート」(出る水を吸い取ってくれるシート)が敷いてあります。これに包んでタッパー、そして冷蔵庫に2〜3日以上。まぁ、そんな便利なシートを使わなくても、そのままタッパーでもできます。

「しょっぱい鮭、食べたいなぁ〜」

という方、自分の好きな塩で、自分の好きな塩加減の塩鮭を作りましょう。これは「甘口塩鮭」だからこそできること。だから今こそチャンスです。主役が鮭で濃いめの塩味、こういうのには我が「カンホアの塩」、とてもよくあいます。また食べる直前にレモン汁をたらしてもおいしいオプションです。