簡単、後処理、銀杏拾い法
先週末の土曜日、夜半から朝方まで強い風が吹いてたので、ちょっと暖かくなった9時頃、自宅近所の公園(昭和公園、昭和記念公園ではありません)へ銀杏を拾いに行った。ここはときどき銀杏拾っている人(主に年配の方々)を見かけるところだが、この日は9時頃で一番乗りのようだった。拾い始めたら、たまたま知人が通りがかった。挨拶すると、「銀杏拾いって、拾った後が大変なんだよね〜」と言葉を掛けられ、「いや〜、食べる方が優先ですから」と応答したが、どうも、「銀杏拾い」=「後の処理が大変(臭いし)」という定説がある。でも、そんなことはない。そう自信を持って言える私の「銀杏拾い」から「後処理」までを、きょうは記したい。
まず最初に、タイミングは大事ですね〜。拾われた後に行ったら拾えないので、一番大事かも知れない。当たり前ながら、強風の直後がベスト(強風中でも?)。また、大粒のが望ましいので、どのイチョウの木を選ぶかも大事。銀杏好きの人は、あらかじめ自分の銀杏スポットがいくつかあることだろう。ない人は、「何となくこの公園」とかでなく、「このイチョウの木」とターゲットを絞っておいた方が、効率がいい。いわゆる人気スポットの場合は、競合者も多いので、時間帯も大事になるだろうが、競うのが前提の銀杏拾いは、風情に欠ける。
さて、ターゲットのイチョウの木が定まったところで、実践編。
まずは、持ち物。
ポリ袋2枚(1枚は予備)に、ポリ製手袋。(ゴム手袋でもいいが、ぶかぶかのポリ手袋で十分)
そして、拾い方とその後のこと。
最初に、ポリ手袋をした手で、落ちてる銀杏を拾い、ポリ袋に溜める。ここまでは当たり前だが、ここからがこのエントリのキモだ。
拾い終わったら、その銀杏のイチョウの木の根元近くに、ポリ袋の中の銀杏を、いったん全部山盛りに出す。(水分が多くてドロドロの)外皮は家へ持って帰っても臭うだけ。私は、外皮が土に還って、翌年再びたわわに銀杏の実を付けてくれるよう、その木の根元に置いていく。「土に還す」ことだけを考えれば、根元でなくても、周辺に撒けばいいようなものだが、根元にまとめて置いておけば、マナーとして通りかかった人が踏まずに済むし、「ここの銀杏は、これだけ拾っちゃいましたよ」という、他の銀杏拾い人に知らせるマーキングのように思えるので、そうしている。
さて、外皮と中の種を分けよう。
その外皮の剥がし方だが、ぶどうを食べるときに、皮を指で押して「ピュッ」と中身を出しますね。あれと同じ要領で、銀杏の外皮を指でと押すと、「ピュッ」中身の種が飛び出します。この際、外皮のドロドロのカケラが種に若干残ることもあるが、後で処理するので、このときそれは気にしない。ポリ袋の口をあらかじめ開いて石かなんかで止めておき、その上で、ポリ手袋をした手で、銀杏の種を「ピュッ」とポリ袋に落とす。手に残った外皮は、イチョウの木の根元に置く。これをひと粒ずつ繰り返します。「えー、ひと粒ずつぅ?!」と面倒に感じる人がいるかも知れないが、種は簡単に出るので、200〜300粒ぐらいなら、10分から15分程度で終わる。少し大変ではあるが、これでこの後の処理がグッと楽になる。そして、ポリ袋に溜まった、銀杏の種だけを家へ持って帰る。
そして、家に帰ってからの後処理。
後処理と言っても、ほぼ種を「ピュッ」として、外皮をイチョウの木の根元に置いてきた時点で半分以上は終わっている。家へ持って帰った種の表面は、外皮の液体が付着してベタベタしてるし、先述のように、若干ドロドロのカケラや土も残っているものだ。その種を全部バケツに入れ、種がしっかり浸かるぐらいの水を入れ、棒などでガラガラとかき混ぜる。外皮のドロドロや土が種から離れる。バケツからザルにあける。(このときのザルは、あれば目の粗いザルがいい。私は、土などを篩う篩いを使う。それが冒頭の写真。目が粗いので、ドロドロや土など不純物がザルを通りやすい) ザルの上から水をシャワーしてもいいでしょう。そして、ザルから再びバケツへ。空になったザルにドロドロのカケラが付着していれば、ザルを地面などに叩いて綺麗にする。再度、バケツの種がしっかり浸かるぐらいの水を入れて、棒でかき混ぜる。これを3回ぐらい繰り返すと、簡単に種表面の外皮のベタベタや土が取れて、スベスベの表面になる。そうなったら、広げた新聞紙なんかの上で天日干し。(写真の篩いの網は鉄なのでそのままだとサビが移る) 直射日光の下なら、3時間もあれば乾くだろう。
冒頭の写真、篩いの上の銀杏が、私が今年収穫した量。このぐらいの量だと、自転車で片道5分の公園の往復、銀杏拾いから帰宅後の後処理から新聞紙の上に干すまで、だいたい一時間ぐらいのもの。臭くもならないし、大変なんかじゃぁ〜、ありません。こんなにおいしいのだもの。
それと、銀杏は、翡翠玉のようなうちに食べてしまわないとおいしくないから、正月ぐらいまでに食べきれるぐらいの量を収穫するのがいい。無論、人様に差し上げるのもいいが、たくさん落ちてるからと、欲張って採りすぎると、結局は、拾ったり洗ったりの作業の楽しさが半減してしまう。銀杏は、たくさん食べるもんじゃない。おいしく食べられる量を拾って洗う。そんなささやかな楽しみが毎年ある暮らしが、いいな〜と思うこの頃だ。歳とったかなぁ〜。
ラベル: 食のこと