「冷し中華、始めました」・・・・じゃなかった、
「土用干し、始めました」。
さて、先のエントリ、「オフグリッド・ソーラーシステム」の続きは、また後日になっちゃうが、きょうは、「梅酢は上がったけれど(14年6月19日)」の続き。
「完熟手もぎ梅」を漬けた梅干しの土用干しをきょう行った。
6月16日の洗わない「完熟手もぎ梅」で、「完熟手もぎ梅」のことをこう書いた。
木になってる梅を注意深く観察し、「そろそろ落ちるな」という梅を、ひとつひとつ手でもいで収穫した梅。
つまり、地面に落ちてないから「洗わずに済む」→水を使わないから「カビが生えにくい」とのことで、初めて梅を洗わずに仕込みスタート。結果、見事にカビは一粒も生えなかった。そしてきょうから、冒頭の写真のように土用干し。
「梅酢は上がったけれど」のエントリでも書いたが、写真の梅干しは、赤ジソも使っているので、カビが生えずに済んだのは、「完熟手もぎ梅」のせいだけとも限らない。私はこれまで、16年ぐらい毎年梅干しを仕込んでいるが、カビが生えたのは、2回ぐらいだけだから、そうそうカビにやられることもないことだし・・・・。
しかーし!
梅がおいしい。
土用干しの準備で、梅をザルの上に並べるのだが、そのとき思わず一粒口に入れた。おいしい。まだ浅漬け感覚ながら、浅漬けならではのジューシーかつフルーティー。「これが梅の味ですよ」という主張。梅は果物だということを思い起こさしてくれた。
これが一年たって、全体の味が馴染んでくるとどうなるだろうか。当然のことながら、3日間の土用干しを終え、瓶にしまうときも、もう一粒食すだろうなー。
という訳で、「完熟手もぎ梅」の「カビの生えにくさ」を計ることは難しいけど、完熟ならではのおいしさは、しかとあります。ちなみに梅の品種は、生産者の菊の助さんによると、「田中梅というらしいです」とのこと。大粒で果肉たっぷり、皮は薄いということからは、南高梅に近いと思う。
実は、数年前、菊の助さんではない梅の生産者の方から、「完熟梅」を送ってもらって梅干しを仕込んだことがあった。今にして思えば、地面に落ちた梅も混じっていたことでしょう。それはともかくとして、その梅が届いたとき、傷んでいた梅はひとつもなかった。そして、菊の助さんに送ってもらった「完熟手もぎ梅」は、5つばかり傷んでいた。「5つ傷んでいた」は、ネガティブにも解釈できるけど、私は違う。
それだけ、完熟の度合いがMAXに近い梅を送ってくれたと思うからだ。完熟MAXの梅は翌日にも傷み始める。箱詰めすれば、当然箱の底の梅は押されるし。それを知ってる菊の助さんは、私の注文した分より多めに送ってくれた。だから、傷んでた5つを除いても、注文した目方より多く残ったのだ。また、菊の助さんからの便りによると、
「うちの梅は、低木栽培なので、手の届くところに梅が生っていますから、手もぎが可能なんです。梅は切っても切っても、枝が茂り、かなり生命力が強い樹です。100年ものもざらにあります」
枝を手入れして、低木に保つことで「手もぎ」を可能にしている。「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」とは言うが、果物の木は手がかかる。
そして、冒頭の写真の梅干し。ずいぶん真っ赤に染まっている。今年、新たな試みをした結果だ。塩もみした赤ジソを梅に加え、重石を半分以下にして本漬けをスタート。これまでは、その重石をとってそのまま土用干ししていたが、今年は、土用干しの2日前に重石をはずして、押された梅を漬け汁の中で泳がせて置いてみた。ちなみに梅酢から取り出したばっかりのこの段階では、このように派手な赤だが、土用干し終了の3日後以降は、落ち着いた赤になると思う。
毎年、同じように仕込む梅干しだけど、毎年新たな発見もある。これだから、梅干し作りはやめられない。
参考エントリ:洗わない「完熟手もぎ梅」(6月16日)
参考エントリ:梅酢は上がったけれど(6月19日)