2020年12月28日月曜日

生分解プラスチックの習慣


上の写真は、生分解プラスチック製の、数ヶ月後のポリ袋。ベトナム・ホーチミンのイオンのポリ袋。ポロポロしてしまい、ポリ袋としては使えない状態になっている。元々は、下記だった。

「生分解プラスチック」とは、こういうことなんだ。この袋は、一年前(2019年12月)にベトナムに出張した際に入手したもの。その後、このブログでも下記のエントリを書いた際、ポロポロになる前のイオンのポリ袋の写真を載せていた。下記のページの一番下の写真がそうだ。


ベトナムのプラスチックごみ対策(2020年1月31日)


ところで、一ヶ月前、ポリ袋などを扱うパッケージ屋さんと話をする機会があった。「今後の商売(売上など)に不安がある」と言う。


「でも、生分解するプラスチックとか、今えらい話題になってるじゃない。スーパー・コンビニでは、レジ袋有料化しているし。そのへんで新しい素材の需要がありそうだけど、どうなの?」と尋ねる私。


「いや〜、よくそう言われるけど、現実的にはなかなかそうはならないんですよ。レジ袋が有料化になったとたんに、まず、一般のお店が買ってくれるポリ袋が減りました。そして新素材でも何でもない一番安いポリ袋が多く売れるようになってますから。それまでゴミ袋にしていたレジ袋がなくなっちゃったからと、主婦の方がうちに買いに来るんですよ。ゴミ袋だから一番安いのを買っていきます」とパッケージ屋さん。


ポリ袋を減らそうとの目的で、レジ袋有料化が始まったものの、実際は、有料化された割高のポリ袋を避けて、パッケージ屋さんで一番安いポリ袋を買っているという現実があった。そのまま捨てられていたレジ袋もあっただろうから、全体的にはいくらか減ったのだとは思うが、同時に場所を変えて増えたポリ袋もあるという現実。


我が家は、主に生協(東都生協)での買い物が多いので、毎週それで出る大きめのポリ袋をゴミ袋にしているが、小さい袋が重宝なときもある。そんなとき用には、それまでそのまま捨ててたいろんな食品の包装袋を捨てずに使うようになった。でも、周りの人にきいてみると、ゴミ袋をパッケージ屋さんや百均で買ってるという人も少なくない。


そこで、冒頭の生分解プラスチックのポリ袋。数ヶ月以上使い続けるポリ袋としては、使えないが、比較的回転が早いゴミ袋には適しているな。などと思っていたら、注文していたクリスマスケーキが届いた。その緩衝材は下の写真。


「このフィルムは、生分解性ポリエチレン素材です。微生物により、分解され自然に戻ります」

とある。
これも先のベトナムのイオンのポリ袋のように、数ヶ月後はポロポロになるのだろう。ポロポロになることは、「ちゃんと生分解すること」の証明のように思えて心強い反面、「寿命は数ヶ月」と思って使わねばならない。これは私にとって、新しい感覚だ。長持ちしてくれないと困るプラスチックもあるのだから、まずは、プラスチックを使い分ける習慣が必要なんだなと思った。

2020年12月10日木曜日

フジバカマと和菓子


フジバカマ。ふと気がつくと、庭の片隅にいつの間にか咲いている。夏の激しい暑さが遠い日のことように思えるようになった頃、ふとそこに、色も形も控えめなこの花の存在に気がつくと、他にはない安堵感を感じる。昔から好きな秋の花だ。

何年か前に、新聞のコラムだったと思うが、「生花のフジバカマに香りはないが、乾燥させると、いい香りを放つ」と知り、やってみた。長年好きだっものの、香りのことは知らずにいたので、長年付き合った恋人の未知の面を知ったようでワクワクした。

香りを放つのは花ではなく葉。

逆さに吊して乾燥させたフジバカマの葉に鼻を近づけると、その香りに、記憶があった。

「何かの和菓子の香りだ。それも高級じゃない、町中の普通の和菓子屋さんで売ってる和菓子。スアマかな。いや違う・・・・」

と、そこまでは思い至ったものの、具体的には思いつかずモヤモヤしたが、そのまま時は過ぎた。数年経ったこの秋、再び乾燥したフジバカマの葉の香りを嗅ぐと、やはり「和菓子だ」との思いが蘇った。そして、モヤモヤも再燃。

数年の間、思いつかなかったが、ネットで検索。すぐに分かった。桜餅。桜餅の桜の葉の香りは、乾燥したフジバカマの葉が放つ香り成分(クマリン)と共通とのこと。本来はここでスッキリ〜となるはずだったのだが、違った。分かってから、「あー、安易にネットで調べないで、自力で分かるまで待った方がよかったな」との思いがよぎった。もちろん後の祭り。たしかにモヤモヤしたけれど、春になって桜餅を食べたとき、「あっ、これ、フジバカマだ」と思いついた方がどれだけ感動的だったことか。なんか幸せをひとつ逃したような気分になった。

塩漬けになった桜餅の桜の葉。たしか大島桜と言ったかな・・・・。たしか伊豆の松崎町で、全国の桜餅の8割方の桜の葉が栽培されてるような・・・・。松崎町には、学生時代の友人が住んでいるので、薄っすら記憶に残っている。これもネットで検索するか否かで、再びモヤモヤし始めてる。