2017年8月9日水曜日

きょうしかない、梅干し土用干し

台風一過のきょう、私の会社のある東京・福生の予想最高気温は、35℃。たぶんきょうが一年中で一番暑い。「きょうしかない」と、朝、梅干しを干した。冒頭の写真は、私の仕事場の駐車場。車の屋根に新聞紙を敷いて、木っ端のゲタを履かせた上に、梅干しのザルがのっている。風通しがいいところに、カンカンな陽差しが照りつけるのがいい。

気温35℃の猛暑は、プールや海で遊ぶ子供の他は、一般的には辛いものだろうが、待ちに待った梅を干す日なので、決して辛くは感じない。「やっと干せる〜」という感覚は、むしろその猛暑に涼を呼ぶようなものでもあ、スッキリとした快感だ。もしかしたら、長らく梅干しを仕込んでいるのは、自分で作る梅干しを好きなのが半分あるとして、残り半分は、その涼のような快感のためかも知れないと、ときどき思ったりもする。

ところで、もう20年ぐらい毎年梅干しの土用干しをしているので、この時季の天気は印象に残る。ここ何年かの東京は、7月初旬にピーカンの暑い日が何日か続くのだが、7月初旬だと、土用干しにはちょっと早すぎる(本漬け日数がちょっと足りない)。そして、ちょうどいい7月下旬から8月にかけては、曇りや雨の日が多く、なかなか三日続けてのピーカンがない。数年前には、ずるずると8月末になってしまったこともあった。異常気象、天候不順と騒がれる昨今だが、現在55歳の私にとって、経験上の記憶はほんの40〜50年ぐらいだ。それで「昔は、○○だった」と、今が正常か異常かをはかっていいのだろうかと、ときどき疑わしく思う。

まぁ、何しろ梅干しの土用干しは、三日間やりたいので、きょうみたいな日が三日間続くのが理想だ。だから、7月半ばを過ぎた頃、そのタイミングを1〜2週間先の天気予報で探す。実は、昨日一昨日の予報では、きょうからちょうど三日間、暑いピーカン続きだったのだが、今朝発表の予報をみると、明日の午後は「弱雨」になっちゃってた。ただ、その後は仕事は5日間のお盆休み入るので、その休み中の1〜2日間、自宅で足りない土用干しを補えばいいということで、やはりきょうから土用干しをスタートすることとした。梅の土用干しは、初日には梅を並べ、一日一度梅を裏返すこと、3日目最終日の取り込みが主な作業だが、他はただ干しているだけで、お日様が仕事をしてくれる。だからといって、気を抜いてはいけない。この時季は、つい一時間前はピーカンだったのに、急に豪雨なんてことも少なくない。干している間は突然の雨をいつも心の隅に置いておくというのは、意外と重要なポイントだ。

以下、実況中継モード。(当日)
「突然の雨をいつも心の隅に置いておく」と書いてるそばから、本当に雨が降り始めた。今、14時半ぐらい。本当に1時間前はピーカンだった。あわてて梅を仕舞った。「きょうしかない、梅干し土用干し」というのは、結果的に、そうではなかった。まー、思い込み(または自分に都合のいい考え)とはいい加減なものだ。

そして後日談(8月14日)、結局、お盆休み中は毎日どんよりした曇り空、ときどき雨。一日たりとも土用干しできなかった。むしろ、せっかく半日干したが、その後の湿気が梅干し余計に湿気らせた。こんなときは仕方ないので、「9月になってもいいや」ぐらいの覚悟を持って、8月後半に期待する。やはり、ここんところの夏はなかなかピーカンが続かない。梅干し土用干しにはやっかいだ。

それにしても、今朝、真っ赤に染まった梅たちをザルに並べ終わると、写真を撮りたくなった。今年の梅は、サムライ菊の助さんの「完熟手もぎ梅」。ぷくぷくに完熟した果肉が柔らかな梅。皮は程よく薄めでちょうどいい。あんまり薄過ぎると扱う際に破けやすい。その皮に包まれたネットリした果肉が、お日様のエネルギーを浴びながらその粘度を増す。そう、お日様のエネルギー。科学的には分からないが、粘度を増す(=水分蒸発)だけでなく、そのエネルギーを梅干しに染み込ませることが、この土用干しの意味のような気がしてならない。そして、その後数ヶ月かけて、この真っ赤な色が落ち着いていきながら、塩慣れが進み、一年後には・・・・。あー、ツバが溜まってきた。

2017年8月7日月曜日

華やかなガーデニングの裏側

冒頭の写真は、今年の春頃撮った我が家の庭。5月の連休あたりか。こんな写真にも裏側はあるものだ。それはちょっと怖いぐらいの話。季節柄としては、いいかも知れない。

さて、一年と3ヶ月ぐらい前に、現在の借家に越してきた。その引っ越し前、この物件の見学で訪れたときのこと。

家屋の南側に、「駐車2台可」のスペースがあり、いわゆる再生ガラと呼ばれる2〜3センチ大のコンクリートやアスファルトの破片が混じったのが一面平らに敷かれていた。その再生ガラを試しに5〜10センチほど手で掘ってみると、黒い防草シートが敷かれていた。さらにそれを剥がしてみると、土が見えた。我が家の車は1台なので、もう1台分を庭として花壇や小さな畑にしようと思った。オーナーさんに「ここ、このガラをどかして庭にしてもいいですか?」ときいたら、「現状復帰を条件に、オーケー」とのこと。元々、カミさんとともに庭いじりが好きで、小さな家庭菜園や季節の植物を楽しめる庭のある家が引っ越しの必須条件だったので、「それなら」と入居の契約をした。

当時私が抱いたイメージは、表面の再生ガラを土嚢袋に入れてどかし、防草シートを剥がして土を少し入れれば庭になる、といったものだった。どかした土嚢袋は家の裏にでも積んでおいて、退去時に、それを戻せばいいと思った。

契約後、5〜10センチ厚みの再生ガラを本格的にどけて、防草シートを剥がしてみた。当初、土に見えていたその層は、実際は土というより、10センチ大ぐらいの砕石(自然石)が土にからまっている層で、つまりはほとんど砕石で、厚みが10〜20センチぐらいもあった。「えー、これじゃぁ、何も植えられない」。弱った私は、少し考えた後、決意し、再生ガラと砕石を別々に土嚢袋に入れて、家の裏に別々に積み始めた。ホームセンターで買った一輪車は意外と安かったのがたったひとつの光で、それはそれは終わりを感じられないほど大変な手作業だった。再生ガラの方の量は想像出来たが、その下に埋まった砕石はどのくらいの量なのか想像しにくかったので、「掘っても掘っても出てくる」という気分で作業が続いた。また当然、砕石をどかした分だけ土は減ったので、さらに土を調達せねばならなかった。その土木工事を、引っ越し前の早朝や夕方、休日に一ヶ月かけて行った。へとへとに疲れた。繰り返すが、この家は自分の持ち物ではない。いずれ出て行く借家なのだ。

そうして、再生ガラと予想外に出た砕石が家の裏にうず高く積まれた。これらは退去時には戻す予定のものだが、思いの外、山が高く、特に重い砕石の方はこのままでは危なく感じた。子どもたちには、「危ないから近寄るな」と言った。しかし、この砕石を処分してしまうと現状復帰時にはどうするかという問題が残った。前の家ではピザ窯に使っていた煉瓦が余ってたので、それを処分せずに、庭のスペースの半分に敷き詰め、ちょっと洋風な地面になった。退去時には砕石の代わりに、この煉瓦を敷き、防草シートを敷いて、最後に再生ガラを表面に敷こうと予定を変更した。引っ越し前に何とかそこまで出来たが、疲れ果てた私は砕石の処分までには至らず、一年が過ぎた。

そして今から1ヶ月ほど前のある日。「ドスン!」と鈍い嫌な音が家の近くで聞こえた。そのときは分からなかったが、その音から一週間後ぐらいに、たまたま家の裏を見たら、積んでいた砕石入りの土嚢袋が崩れていた。「あ、これだったのかー」と思ったと同時に、このままじゃまいずいと危機感を持った。

いざ調べてみると、大量の砕石を処分するのはなかなか難しい。やっとこさ片道30分の処理業者を見つけ、つい先週末、処分した。2トンダンプを頼んで持って行ってもらう量だったが、結構高くつきそうだったので、自家用車でピストンして運ぶことにした。当初は、だいたい1トンぐらいかなと高をくくっていたが、処分した際、計ってもらったら、実際は3.26トンもあった。

結果的に3回に分けて、1500ccの2ボックスカーの自家用車で運んだ。通常、トラックやダンプは、最大積載量という数字が荷台に貼ってあるものだが、乗用車にはそれがない。車検証を見ても、乗れる人数は載ってても、最大積載量の数字は見あたらない。言うまでもなく、一度にたくさん積む方が運ぶ回数が減る。最初の1回目は、「まー、だいたいこのぐらいなら大丈夫かな」と勘を頼りに積んだら、サスペンションが“キー”と3回ぐらい鳴った。用心してゆっくり運転。無事、30分の道のりを走れた。それが、0.97トン。2回目は少し増やして、1.13トン。最後の3回目は、1.16トン。それで合計、3.26トン。処理代は、トン単価2,500円で、8,802円。計算が合わないが、細かいことは分からない。

かなり無理した感は否めない。いい歳こいて。3回だと、その日に終わらすことが出来たというのが、3回に分けた理由だった。まー、結果オーライという言葉があるが、決して人様にはすすめられない。

今にして思えば、入居を決める前、再生ガラのほんの一部だけを掘ってみて、その下が土だと楽観的に、または自分に都合がいいように思い込んだのがこの悲劇の始まりだった。
そして今でも、もうひとつの山、再生ガラが家の裏に積まれている(上の写真)。ご覧のとおり、一年経って、新たな問題が発生している。入れていた土嚢袋が劣化して破れ、中身がこぼれ始めているのだ。1トンはあるだろう。土嚢袋でおよそ40〜50。このままだと、この山の崩壊は時間の問題だ。この再生ガラを入れた土嚢袋は、正確には2種類。ひとつはベージュ色で「ガラ袋」という名で売られていたもの。もうひとつは、よくある白色の「土嚢袋」。2種類が混じって積まれているが、ベージュの方が破れが著しい。「ガラ袋」、「土嚢袋」の破けた穴から、中身がまるで砂時計のように、日々こぼれている。

指をくわえて見ているわけにはいかない。

同じ袋に入れ替えて積み上げたところで、一年経てば、同じことになる。そこで、ネットで検索してみると、ちょっと高いが黒色のUVカットタイプの土嚢袋を見つけた。一枚あたり100円ちょっと。
今度のお盆休みにでも、一度新しい白色の土嚢袋に入れ替えて、それをさらに黒色UVカットタイプの土嚢袋に入れ、つまり二重にして、積み直ししようと思う。一枚100円ちょっともする土嚢袋を40〜50枚も使うのは贅沢とも言えるが、それで1年でも長く持つのなら、その価値は十分だ。

最近流行りのガーデニング。以前、そんなブームに警告するように、京都のベニシアさんがNHKの番組で、「ガーデニングは、ほとんど土木作業ですよ」と言ってたのを思い出す。土は重い。さらに、煉瓦も重い。そして、石はもっと重い。