2011年8月25日木曜日

昨夕の空


昨日の夕方、東京・多摩は奥多摩バイパスを東へ向かって車で走っていたら、前方の空を見て少し「ハッ」とした。頭では、「残暑も今年は終わりかな」と思っていたが、この空を見て、「もう秋だ」との感覚に襲われた。空の青さが否応なく私の目に訴えていた。

「ハッ」としてから、「早く信号で停まらないかな」という思いが湧き起こり、赤信号で撮った。何か撮っておきたい衝動に駆られたのだ。

正面奥に微動だにしない入道雲。その入道雲の手前には雨雲のような雲がふたつ、右から左に急いでいるかのように流れている。そして天高くに、白い薄雲が大きく広がっている。

私には、遠目の入道雲と、「そろそろ私たちの出番よ」と語っているかのような天高い雲が、去りゆく夏とすでに到来している秋を教えてくれているようだった。そしてこの空の青さは、天高い雲のための色に映った。真っ白な入道雲を背景に、ネズミ色した2つの雨雲は、入道雲の季節と天高い雲の季節に慌ててボーダーラインを引くかように、目に見えて左へ左へと流れていく。

夏は終わった。

この時期、振り返ってみると、夏の間は熱病にかかっていたかのように感じる。この空を見て、やっと正気に戻ったような。

2011年8月23日火曜日

バナナのつぼみ


上の写真は、ベトナムの市場の八百屋さんで撮った。黄色いポリ袋に入っているのは、バナナの花のつぼみだ。バナナのつぼみを繊維に沿ってスライスしたもの。サイズはだいたいモヤシぐらい。ベトナム料理には欠かせないハーブのひとつになる。

例えば、一週間ぐらいベトナムを旅行したら、必ず複数回は食べることになると思うが、予備知識なしで、これがテーブルの上にあっても、「これはバナナのつぼみだね」という日本人はいないと思う。(沖縄の人は分かるかな?) 私はさんざん食べて慣れ親しんだ後、「これはバナナのつぼみ」と知った。ベトナムでは全く珍しいものではないため、あえて「これはバナナのつぼみだよ」なんて教える人も少ないのだ。それだけ、ベトナムでは至ってポピュラーなものであり、同時に東京に住む日本人にとっては縁遠いものだ。

使い方は、フォー(米麺の汁そば)や鍋物など主にスープ類に、食べる直前に加えて食す。日本で言えば薬味のような存在。味はほろ苦く、食感はシャキシャキで、これがなかなかオツなのだ。

使うときは必ずスライスされるので、食卓では上の写真の姿でお目にかかるのだが、下の写真は、スライスする前の状態。これもベトナムの同じ市場で撮った写真。大きさはちょうどタケノコぐらい。ご覧のとおり、つぼみの皮の外側が紫色で中が白色なので、繊維に沿ってスライサーでスライスすると、冒頭の写真のようになる。


実は3週間ほど前、ベトナムへ行ってたのだが、そのとき木になってるバナナのつぼみの写真を撮った。フルーツの農園だった。それがコイツ。


つぼみの根本に緑色のバナナが上へ上へと、どんどんついてきている。先述のとおり、最初は「バナナのつぼみって食べられるんだー」と意外に思ったが、この木になってるところを見ると、「これは食べてみるだろう」と感じた。木についたバナナのつぼみは、バナナ本体よりも「実らしく」感じたからだ。

残念ながら、このつぼみが開いているところにはお目にかかれなかったので、ネットで、「バナナの花 画像」で検索してみたら、いっぱいあった。・・・・南国の花らしく、ゴージャスでとてもきれいな花だ。でもこーなると食べる気が起こらない。

やっぱりバナナ(の花)は、つぼみに限る。

2011年8月22日月曜日

氷コーヒーと滑り台


この2〜3日、秋のような東京だが、今月の暑かった日の朝、用があって町を歩いていたときのこと。用を足したくなってミスタードーナツに入った。ミスドは滅多に入らないので、「ただのコーヒーじゃつまらんなぁ〜」と思いながら、いざカウンターでメニューを見ると、何を注文していいか分からない。注文待ちをしている私の後ろの人の気配も気になって困っていたら、「氷コーヒー」っていうのが目についた。アイスコーヒーではない。軽いプレッシャーの中、それを注文した・・・・「コ、氷コーヒーください」。

注文を受けたカウンターの向こうの店員さんは、手際よくキューブ状の黒色の氷になったアイスコーヒーをガラガラとグラスに入れ、そこに冷えたミルクを注いだ。何せ入店の主要な目的は用足し。先を急いでいたから、「すぐに飲み終えて・・・・」と思ったが、氷のコーヒーがグラスに残ってる。普通の氷なら残っても気にならないが、コーヒーの氷となるともったいない。ガリガリかじってみるが、香りが感じられず味が抜けたような氷のコーヒーはあんまりおいしくなかった。(上の写真で、赤いストローの先にあるのが氷のコーヒー)

アイデアはいいと思ったんだけどなー。

ところで、この夏、我が家に滑り台を作った。ちょっと特別な滑り台だ。家の子供部屋の窓から庭のプールに直接入水する滑り台だ。構想から完成まで、2ヶ月を要した。


窓の高さやプールの大きさは決まってるから、滑り台の傾斜もおおむね決まってしまってのことだが、完成して滑ってみると、思った以上に勢いがいい。子供のために作ったが、もちろん大人だって滑れる。(大人だと1回の入水でも水がずいぶんこぼれちゃうけどね) 先日、完成後初めて使ったときは、近所の子供とともにワイワイとてもウケたが、その後、小学一年生のうちの子は、「(この滑り台より)プールで水泳の練習をする方が楽しい」と言う。これも成長の証だと自分に言い聞かせるが、この滑り台、苦労して作った割には・・・・という雰囲気。

アイデアはいいと思ったんだけどなー。

いくらいいアイデアだと思っても、喜ばれないと自分よがりだ。ただ、氷コーヒーは喜んでいる人も多いだろうし、滑り台は私の趣味だし・・・・。滑り台設計したり作ったりしてるときは楽しかったなぁ〜。だから、「まいっかー」ということで。

氷コーヒーも滑り台も、1ヶ月も前のことではないが、急に涼しくなった今思い出すと、遠い夏の思い出のようだ。