2008年1月31日木曜日

海ぶどうの思い出 〜 その1


昨日、ある沖縄料理店にランチを食べに行ったら、「海ぶどう丼」というメニューがあり、思わず頼んでしまった。それがこの写真である。海ぶどうとともにタンザクに切ったスパム(ランチョンミート)が散りばめてある。これに醤油ベースのやや甘いソースをかけて食べるのだが、「冬場は、海ぶどうの粒が小さいから、夏場に比べるとイマイチかも」とは、店主の談。でも、この海ぶどう。私には忘れられない思い出がある。

昔、二十歳過ぎぐらいの頃、フィリピンを1ヶ月ほど旅をしたことがある。私は、マニラからバスに乗って、アラミノスという町に着いた。アラミノスは、日本の松島のように沖合に島が点々とあり、風光明媚な観光地でもある。アラミノスのバスターミナルに着いた私は、海辺を目指して、ローカルバスに乗り換えた。運よく、2人掛けの椅子の片方に空席を見つけた私は、隣の席のおばあちゃんに声をかけ、座った。年の頃、70歳ぐらいだろうか。煙草を吹かしている。もう20数年前のことなので、今は分からないが、当時のフィリピンのローカルバスは、喫煙なんて当たり前。窓ガラスはあったかどうか憶えていない。そのおばあちゃん、煙草を吸うのはいいとして、その吸い方がスゴイ。1本の煙草をしばらく吸って、短くなった長さ3〜4cmぐらいの火のついた(くわえ)煙草を、起用に口と舌を動かして(手を使わずに)、フィルター側と火のついた側をひっくり返す。分かります?(危険ですから真似しないでください) 度肝を抜かれた私は、驚きを隠しながら横目で見てるのだが、それを何度も何本もするので、見間違えでは決してない。かなりのヘビースモーカーだ。そして、バスが出発して10分ぐらいを過ぎた頃、思わず話かけた。「その吸い方スゴイですね。こんなの初めて見た」。フィリピンは田舎でもかなり英語が通じる。小柄だが貫禄たっぷりのおばあちゃんは、この言葉をキッカケに、早口でまくしたてた。「そうか、お前さんは日本から来たのか」みたいな話だったと思うが、何しろこれが縁で、その日は海に近いこのおばあちゃんの家に泊めてもらうことになった。

閑話休題。

キッカケは、海ぶどう丼。タイトルどおり、海ぶどうの話を書こうと思って書き始めたが、なかなか本題にたどり着けない。この続きは、また改めて。