2015年12月28日月曜日

日本モノにあふれる台北

2週間前、「カノウユミコさんと行く台北素食の旅」という2泊3日のツアーに参加した。「素食」がテーマだ。中国語の発音では「スーシー」に近いが、ベジタリアン料理である。

たまたま今、開高健の「最後の晩餐」という本を読んでいるが、その中で、多くの一流と言われる中華の料理人(主に中国本土だろう)は、「素食」料理にも長けているといった内容のことが書かれている。「素食」の中華料理は日本では珍しいが、ガイドさんの話によると、台湾ではおよそ1割の人が「素食」を食すベジタリアンとのこと。そのせいで、台湾には「素食」のレストランが町のあちこちに珍しくなくある。

冒頭の写真は、このツアーで入った素食レストランの入口。「蓮香齋」、日本語読みすると「レンコウサイ」となる。ビュッフェスタイルの素食料理だったのだが、何しろスゴイ規模。数百人の客がひしめいていた。そしてその料理の種類の多さも圧巻だった。

まー何から何まである感じ。肉モドキ、エビもどきなど、モドキものも多いのだが、モドキものではなく、普通の野菜料理もたくさんある。いや、普通の野菜料理の方がたくさんある。ビュッフェスタイルなので、下の写真は、私が取りにいった最初の皿。
そしてこれは、フカヒレもどきだねー。
でまぁ、一番ビックリしたのは、下の写真。
(日本の)お刺身モドキなのである。何もお刺身モドキだからビックリしたのではなく、その完成度に驚いた。マグロモドキには、赤身と中トロがあり、サーモンにはスジが入っていて、マグロモドキよりも、ややざらついた食感になっている。そして、奥にあるイカモドキは、モンゴイカの食感。ちょっとナタデココの食感にも似ている。海苔巻きまであるし。これらを中国醤油ではなく、日本風の醤油で食べるのです。

台湾へ行ったことのある日本人は多いと思うので、多くの人が知ってることなんだろうが、町には日本モノがいっぱい。写真を撮る気にはならなかったが、もーいろーんな日本のファミレス系のレストランはいっぱいあるし、台北中心部には、50メートル毎ぐらいにあるセブンイレブンには、日本のお菓子メーカーのものが並び、おにぎりもあるし、おでんまであって、開いた口がふさがらなかった。このツアーに参加した、私の11歳の娘は「外国にいる気がしない」と言っていたが、ホントだ。

泊まったホテル周辺の路地裏には、「和風伽哩」の看板。先述したとても多くの日本モノとは、主に大資本系のものだが、路地裏にこんな小さなカレー屋さんもあるのだ。日本のカレー、分かりやすく言えば、ハウスバーモントカレーのような、日本独特のルーを使ったカレーが海外でも人気が出てきているとは聞いたことがあるが、こんな規模でも町にしみ入っていることに驚いた。1台湾元は、約4円。

素食料理のツアーながら、一番の印象は、「台北の町には、日本モノがいっぱいあふれている」ということ。素食のお刺身や海苔巻きは、それを反映してのことなのだ。とは言え、無論、そればかりではないので、次のエントリでは少し気を取り直して、台湾らしいと感じたことを書こうと思う。