2019年3月18日月曜日

野草とスルメの天ぷら


上の写真、ゴボウ、ふきのとう、ヨモギ、レンコン、雪の下、芹。ヨモギと雪の下は、我が家の庭から。ふきのとうと芹は、秩父の道の駅で買ったもの。

ヨモギがうまい。この時季、柔らかくて香りがいい。そしてほんのりとした甘味を味の奥の方に感じる。ふきのとうの苦味は春先の代表選手みたいなものだが、このヨモギのほのかな味も捨てがたい。ヨモギは天つゆがうまいが、何故か芹は塩がうまい。芹の香りをより感じられるからか。やさしく鼻腔を刺激する。歳を取るほど、柔らかな淡い味を好きになってるのを感じる。

写真の天ぷらの後、カミさんが出してくれたのは、スルメの天ぷら。初めてだ。


「へぇ〜」なんて言いながら食べたら、うまかった。熱いうちが、柔らかくていい。ふと、子どもの頃、駄菓子屋で、さきイカの天ぷらのようなものを売ってたのを思い出した。そんな記憶も相まって、うまいうまいと、やや食べ過ぎて、腹が膨れた。さて、こいつには、天つゆでも塩でもなく、菊之助さんの「カボ酢コ」がおいしい。(原材料:無農薬かぼす果汁・穀物酢・無農薬唐辛子・カンホアの塩) 本家のタバスコより酸味が柔らかい。毎年12月頃の発売で、もう在庫はないと思うが、2018年12月時点の情報は、コチラ


あー、どんどん春になっていく。気が早る。

2019年3月6日水曜日

ドブロクの失敗


先のエントリで、「この冬新たに、ドブロクの泡切り装置を作って」と張り切っていたが、失敗した。酸っぱくなってしまった。これまで、十数年、毎年仕込んできたが、こんなに酸っぱくなったのは初めてで、とってもショック。酒の酸味(乳酸)というより、お酢のような酸っぱさ(酢酸)が出てきてしまった。アルコール度数も去年より上がってない。

今年は2月の後半に、最高気温15℃〜20℃と暖かい日が続いた。その3日目。その前日まで順調に進んでいた味のモロミが、急に酸っぱくなってしまった。基本的なところでは、気温の上昇とともに、アルコール発酵が進みすぎ、酢酸が生成されちゃったんだと思う。

また、合わせて雑菌の繁殖もあったのかなと思う。なぜなら、過去にこのぐらいの気温でもおいしくなったことがあったからだ。完成まであと一週間というタイミングだったので、それら雑菌が繁殖する前に、アルコール度数がもっと上がっていたら、こんな失敗にはならなかったのかも知れない。なので、雑菌の混入をもっと防げたら、このぐらいの気温の上昇でも、大丈夫だったのかも知れないとも思っている。

まー、嘆くのは程々にして、こういうときこそ、次回の成功に向けて、冷静にその原因を整理して考えねばならない。無論、来年の成功のために。

この失敗の原因は、大きく分けて2つの面があると思っている。

ひとつは、温度管理の問題。もうひとつは、雑菌の混入の問題。この2つは表裏の関係だ。温度管理がしっかり出来ていれば、多少雑菌が入っても大丈夫だったろうし、温度管理が厳密に出来なくても、雑菌の混入を抑えられれば、大丈夫だったろう。全てうまくいくに越したことはないが、現実的に出来る範囲で、全体的にうまいくよう具体的な対策を考えなければならない。

1.温度管理と仕込み期間

ドブロクの仕込みから完成までは、およそ一ヶ月。雑菌の繁殖を極力抑えるため、その一ヶ月を一番寒いときに設定するのが望ましい。今年は1月末から2月末に行った。仕込み期間だけが失敗の原因ではないとは言え、一番低気温の、1月初めから2月初めの一ヶ月に仕込むことが、やはり望ましい。この期間だと、気温が20℃になることはまずない。

2.泡切り装置

先のエントリで書いた「ドブロクの泡切り装置」。これは今年新たに始めたことだったので、疑ってみた。これで確かに泡は溢れなくなった。溢れなくなったが、気になることがひとつあった。

毎日朝夕で2回、モロミを攪拌したが、その度に泡切り装置の羽を止めて、装置を瓶からはずした。当然ながら、装置の羽に、泡を切ったモロミが付着していた。私は、その少量のやや干からびたモロミをモッタイナイと思い、瓶のモロミに戻していた。無論、空気中には菌がたくさん浮遊している。少量とは言え、粘性のあるモロミが付着した羽が1秒間に1周回り続けていると、ハエ取り紙のように、多くの空気中の雑菌を集めていた可能性はなかったか。それを瓶に戻していたとしたら、それはわざわざ雑菌を加えていたことになっていなかったか。

羽を止める度に、羽に付着したモロミを綺麗に水洗いすること。熱湯消毒まですればなおいい。また今回は、羽の素材は(きれいに洗った)子供用の定規だったが、それをより清潔を保てる素材に変えるのも一手かも知れない。ゆめゆめ、羽に付着したモロミを瓶に戻すことはしない。

3.麹の選別

今年を含めこの数年、同じ味噌蔵さんから同じ米麹を購入していた。最初は気がつかなかったが、蒸し米と水と混ぜ合わさった真白なモロミの中に、黒っぽい粒がいくつも混じっていた。三段仕込みなので、段階的に瓶に入れる「蒸し米+米麹+水」の量が増えていくのだが、その黒っぽい粒も増えていって気になった。結局、留め添え(仕込みの最後段階)のときには、20〜30個ぐらいの黒っぽい粒をモロミの中からひとつひとつ取り出したが、おそらく全部は取り切れていなかった。もう数年間、同じ味噌蔵さんから購入していたのだが、こういうことは初めてだった。来年は、仕込み前に、色の変わった米麹を選別する。

以上3点を覚え書として、ここに残しておいて、来年の仕込み前に読み返す。

今年は、気張って1月に「泡切り装置」を作ったが、それが原因で仕込み期間が遅れた。そして、上に書いた通り、その「泡切り装置」自体が雑菌を集めていたかも知れないと思うと、「まさか?」の展開だった。自ずと来年の仕込みに気合いが入る。