2018年11月9日金曜日

タンドールへの道・その5(施工#3完成まで)

先のエントリでは、タンドール本体の下部分にあたる植木鉢を米びつ内に固定した。きょうはタンドール施工のいよいよ最終段階だ。

まずは、下の写真のように、固定したタンドール本体の下部分の植木鉢を、真ん中が高くなるようポリ袋で覆って、米びつと植木鉢の間にバーミキュライトを流し込む。


9割方流し込んだところで、はんぺんレンガの切れ端の駒(幅3センチぐらい)を等間隔に3箇所、米びつ内側と植木鉢外側の間にはさんで固定する。写真では分かりにくいが、このとき駒の下半分が植木鉢にかかっている。上半分は、この後この上にのっかる植木鉢にかかることになる。つまり、この駒で、上下の植木鉢両方を固定させる。次に、耐火モルタルを植木鉢のフチに盛る。駒の上半分の部分にも盛る。この部分は結構高温になるので、ここで盛った耐火モルタルは硬く固まり、駒は固定されると想像している。(下写真)


この後、上写真の耐火モルタルの上に、もう一つの植木鉢をのせることになるのだが、ここで注意しなきゃ〜ならないことがある。のせる前に必ず、ロストル底網を下の植木鉢に入れておくことだ。私は、うっかり入れ忘れた。逆山椒魚状態で「入れない〜」。上の植木鉢をしっかり設置したにも関わらず、外さねばならない事態に陥った。このときはさすがに凹んだ。本当にアホ。アホ過ぎの失敗談なので、わざわざ注意喚起するほどのことではないかも知れないが、せっかくの失敗なので、役に立つようなことがあれば幸いだ。

でまぁ、くどいが「底網を入れた後」、上の植木鉢をのせて、グッと押しつけて密着させ、上下の植木鉢の境目の内側と外側を耐火モルタルをなでるようにこすりつける。必要に応じて耐火モルタルを足す。


そして、この上にさらにバーミキュライトを充填したところが、下の写真。バーミキュライトは、18リットル入り袋で500円なのだが、1袋ではちょっと足りなかった。1袋と1/4使った。


この上に、耐火モルタルを盛ってコテで平らにして完成。というのが当初の予定だったのだが、まーた気がかりなことを発想してしまった。このタンドールを使い始めると、その平らにした耐火モルタルは、乾燥してヒビだらけになるだろう。そして、そのヒビだらけの耐火モルタルはやがて、ボロボロと取れまくるんじゃないかとの想像が私の頭ん中を駆け巡った。耐火モルタルを厚く塗ることも考えたが、重くなるのも嫌だ。

どうしよう。

しばらく考えて、「タイルみたいなもの」を貼れば、いくらかいいように思った。タイル? 最初に思いついた「タイルみたいなもの」は、目の前に転がっているレンガだった。レンガをスライスすれば「タイルみたいなもの」になると。でも、仕上がりとして、ここにスライス・レンガを貼ると、素焼きの植木鉢の色と似ているのであまり美しくないと思ったし、レンガをスライスするのは、レンガの粉が舞うのもちょっと嫌だ。カインズホーム昭島店では、「タイルは置いてません」と言われるし、ジョイフル本田瑞穗店には、貼りたいようなタイルはなし。

再び、どうしよう。

そこで思いついたのが、石。私は数十個の石のコレクションがある。でも「タイルみたいな」石はないし、そもそも、石は重い。次に考えついたのは、貝殻。これもいくらかベトナム・カンホアで集めたコレクションがある。でもやはりなかなか「タイルみたいなもの」がない。そこでカミさんに相談すると、「それなら、私がこないだ鳥取の海岸で拾った二枚貝の貝殻がある」とのこと。試しに、バーミキュライトの上に並べてみたら、大きさと数がちょうどいい。ちょっとフェミニンな感じの貝殻なのが気になったが、ここは彼女に敬意を表して、これにした。あと、ひとつ四角い飾りレンガを空気孔の位置に置いたが、これもカミさん所有のもの。

そして、空気孔の反対側の米びつの上端に数センチの切り込みを入れた。これは上面の掃除の際の吐き出し口。あと、植木鉢を1センチほど出っ張らせているのは、余計なゴミが中に入りにくくしたのと、平らな蓋がピッタリと閉まるように。

ということで、これで完成。


タンドールの蓋(セラミックの取っ手付き)をのせると、こんな感じ。今どきは、こんなシャレオツな取っ手が売ってる。カインズホーム昭島店で、500円ぐらい。ウラに細いボルトが埋まってて、ナットで止めるように出来ている。米びつの蓋を閉めるとき、この真鍮の蓋は裏返して、高さ3〜4センチの取っ手がタンドールの中を向き、1センチ出っ張ったボルトの裏面が上になる。


次に、米びつの蓋を閉めると、こんな感じ。この米びつ、少々高かったが、ちゃんとデザインされていて、今さらながら、見てくれもペール缶よりよかったように思うのだけど、いかがでしょう?


細かいことだが、この蓋の取っ手の周りが1センチほど凹んでいる。この凹みのすぐ下には丸い蓋の裏のボルト(1センチ高)。その間隔は1センチないぐらい。ここをピッタリにするために、「タンドールへの道・その4(施工#2)」で、先行して蓋を作ったり、植木鉢の上端を1〜2センチ削ったりしたというワケです。全体の重さは、持った感じでは、25キロぐらいか。

あと、大事な備品を忘れていた。インドではシークというらしいが、タンドリーチキンを焼くときにチキンを刺す串だ。これは、ジョイフル本田瑞穗店。直径9mm・長さ91センチの鉄製の丸棒。1本176円を2本購入。ちょうど半分に切った45センチぐらいがこのタンドールにちょうどいい長さで、4本になる。イメージとしては、2本ずつ焼いて、残り2本はスタンバイ用。この先っちょをグラインダーで鉛筆のように削って、刺しやすくする。


あと、この直径9mmを、やけに太いと感じるかも知れない。私がこの太さを選んだのは、「タンドールへの道・その1」で見学させてもらったパキスタン料理店のシーク(串)が、ちょうどこのぐらいの太さだったからなのだが、このぐらいがいいようだ。なぜなら、このシーク(串)は、普通のバーベキューのように、寝かせて使うのではなく、立てて使う。つまり、立ててもチキンなどが下にずり落ちないことが肝要だ。それにはこのぐらい太い方がいいということなのだ。たぶん、ある程度細くても、魚なんかはずり落ちないかも知れないが、チキンは落ちると思う。

長さ45センチのシークをタンドールに突っ込んでみた状態が下。


これで、ようやくこのモバイル・タンドールが使えるようになった。次のエントリでは、ナンとタンドリーチキンを焼いてみる。

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