しばらく更新がおろそかになったが、タンドール作りの実況中継、前回の「その3(施工#1)」に続き、「その4(施工の#2)」。
前回のエントリでは、ロストルから空気孔のトンネルを、型紙で空洞を作ってその周りに耐火モルタルを盛り、耐火モルタルが乾いたところで、型紙を抜くと、最初に考えた。がしかし、耐火モルタルがしっかり固まるぐらい高温にならないんじゃないかとの考えがよぎり、そりゃぁ止めとこ、となった。で、はんぺんレンガで工作してトンネルを作ることにするぞー、というところまで書いた。
それでやってみて出来たのが冒頭の写真。いや〜、これはなかなか大変でした。でもまぁ私みたいな素人でも出来た、とも言える。何が大変だったかと言うと、立体的に丸くなってる植木鉢の面に四角いレンガを切って繋げるという作業に、立体感覚を必要としたところだ。どうも私はその感覚が乏しいらしい。逆に言えば、その感覚に優れている人だったら簡単なんだと思う。「その3(施工#1)」で、植木鉢の底近辺に、空気孔の長方形の穴を開けるのが大変だったというのがあったが、コッチもそれに負けず劣らず大変という感じ。したがって、この2点が、このタンドール作りの山場と言える。
混乱した私は、部品毎に簡単な図面を描いて、「これがこーなって、こーなるから、こういうことかな」などと確かめながらレンガを少しずつ削った。丸い植木鉢と四角いレンガの接面をピッタリつけるのが大変なんだけど、さらに、私は欲をかいて、トンネルのレンガに切り込み入れて、床・横壁・天井を組んだ。このレンガのトンネルの周りには耐火モルタルを盛って固定させるので、切り込みなんか入れずに積木のようにただトントンとのせればそれでよかったのかも知れない。
前にも触れたが、一番簡単に作ってしまいたい人は、このロストルから空気孔自体をを作らないこと。(→温度が上がりにくくなるとは思うが、それなりに使えるだろう) 二番目に簡単にするには、トンネルにはレンガを使わず型紙を使って耐火モルタルだけで作ること。(→温度があんまり上がらないと、次第に耐火モルタルがポロポロ崩れてくる可能性がありそうだが、耐火モルタルは成形が楽だから作りやすい) 三番目には、レンガに切り込みなんか入れないで、ただ積木のようにのせて耐火モルタルで固定。というところだろうか。今、思いついたが、ただ積み木のようにのせると、ずれる可能性があるが、こういうときこそ、型紙を使えばずれにくい。
後からいろいろ思うものの、せっかくやったのだから、もう少し詳しく、このレンガのトンネルをどんな風に作ったかを説明します。前のエントリで、米びつの底にレンガを敷いて耐火モルタルで固定した写真があるが、まずは、トンネル床のレンガの両側の耐火モルタルを、はんぺんレンガの厚み(幅30mm以上)削った。(下写真、クリックすると大きくなります) この削ったスペースに横壁が来る。トンネル床の上に横壁がのっかるんだったら、こうして削る必要はない。
そして、ここにトンネルの側面が来ると、こうなる。
次に、天井のレンガは下の写真。これ、裏返した状態。つまり、切り込みがある見えている面が天井の下面(内面)になる。この写真の下側の弧は、米びつに接する面で、上側の弧は、植木鉢に接する面。これを裏返して、側面の壁にのせると、冒頭の写真のようになる。
さて、空気孔はこのぐらいにして、次はロストル。「その2(準備編)」では、フルイ(金網)にしているが、そのエントリにもあるとおり、ちょっとそれでは心配になってきたので、ダッチオーブン用の底網(ステンレス製)に変更した。それが下の写真。(500円ぐらい) 大事なことして、この丸い網よりもタンドールの口は小さい。つまり、交換がきかない。もしもこの網が、取り出せるぐらい壊れたら、替わりに華奢なフルイ(金網)を折って、中で広げて使ってみようかと思っている。空気孔があるので、最悪、この底網がなくても、それなりに温度は上がるだろう。「タンドールへの道・その1」で見せてもらったパキスタン料理店のタンドールには、この底網はなく、そのまま空気孔になっていた。
ただ、このままでは隙間が開きすぎて、炭がボロボロ落ちそうなので、私の道具箱にあった、ステンレスの針金でを使って隙間を減らした。それが下。
最初の1〜2本はうまくいかなかったが、3本目ぐらいから慣れてきて、ピンと張れるようになった。
と言うわけで、仮にだが、さっきのレンガのトンネルに穴の開いた植木鉢をセットし、このロストルの底網も置いてみる。(下写真) 小技ながら、底網が接する植木鉢の内側には、円形にグラインダーで少し(1〜2mm)削って溝をつけた。これでグラグラしてた底網が何となく安定して置けるようになった。このロストル部分の掃除の際は、この底網を縦にするなどして外すから、固定させてはいけない。
この次に、タンドールの蓋を作った。(この時点での写真を撮り忘れた。完成時の写真で見てください) 空気孔の蓋と共通の材料(真鍮板)を金切りバサミで円形に切ったもの。この中心にセラミックの取っ手を付けた。セラミックの取っ手は、ボルトと一体化してて、ウラをナットで止めるようになっている。
蓋なんか最後に作ればよさそうなものだが、このタイミングで作ったのは、ひとつ気になってたことがあったから。この蓋に付く取っ手と裏側に出来るネジの突起の様子を見たかった。まず、この米びつには立派な蓋が付いている。使用後、このタンドールをしまうとき、いろいろな部品を重ねた末に、蓋が閉まるよう確認したかったということです。測ってみると、案の定、このままだとギリギリで閉まるか閉まらないかという感じ。
ギリギリはマズイので、植木鉢を2つ重ねる際に接する部分を平らに削った。元々は、丸くなってたところ。これで1〜2センチ低くなった。これで米びつの蓋はちょうど閉まりそうだ。無論、この部分は、後からでは削れない。後から削るとしたら、上部の植木鉢の一番上になる部分(タンドールの開口部)。ただし、ここを削れば削るほど、開口部は低くなると同時に大きくもなる。
次の工程は、タンドール本体の下の部分の植木鉢の固定だ。ここは慎重にやりたい。2つ上の写真(ロストル底網を置いてみた状態)から、いったんその植木鉢をどけて、まずはレンガのトンネルの周りを耐火モルタルで固定する。そして、トンネルのレンガと植木鉢が接するところにも耐火モルタルを塗る。さらに、植木鉢(窯の下半分)を置くはんぺんレンガの床にも耐火モルタルを多めに盛る。最後に、トンネルと穴を合わせながら、植木鉢をグッと押し、平らに固定する。(下写真は、固定した翌朝のもの) これでもう植木鉢は動かせないので、耐火モルタルがどうついているかは手て探って確かめるしかない。植木鉢の水が出る真ん中の穴もここで埋めて平らにしておく。
トンネル部分の周りに耐火モルタルを盛った箇所が少しだけ見えるので、そこを撮った写真が下。
これで一段落。数日間、乾燥させた。
あと、オマケ的に、空気孔の真鍮の蓋を作り直した。先のエントリ、「その3(施工#1)」では、いったん完成させているが、購入した真鍮の板でそれを作って、上記のタンドールの蓋を作ったら、真鍮の板が余った。その余りを眺めてたら、空気孔の蓋をもう少し改良出来そうに思えた。ということで、改めて作った空気孔の蓋が、下の写真。
全開したとき、蓋が取れないように、先を丸めて引っかかるようにしてあるのが分かりますか。この写真の右手になる。また、先に作ったのよりやや大きめにした。材料余らすのももったいないし、大きめの方が閉めたとき、いくらかでもより空気を遮断するように思えた。
完成までもう少しか。この後は、次のエントリで。
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