数年前のこと、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏が、蚊対策の研究を始めると宣言した小さな新聞記事が載っていた。それを思い出すニュースを、昨日ラジオで耳にした。日本の塗料メーカー、関西ペイントは、壁や天井に塗るだけで、蚊を退治できる「カンサイ・アンチモスキート・ペイント」なる商品をアフリカで販売開始したらしい。マラリアやデング熱対策として画期的。と思うと同時に、人間(特に小さな子供)が誤ってその壁をなめちゃったりしても大丈夫なのかな。とちょっと心配もした。こうしてニュースになるのだから、その国の安全基準に達した結果だとは思うのだが。
さて、
先のエントリに続いて、タンドール作り。実況中継的に、エントリを書いてます。もしも、これからモバイル・タンドールを作ろうという人が、この実況中継を読んだら、
「そんなまどろっこしいことはどーでもいい。こーすりゃいいという結論だけ、書いてくりゃあいいんだ」
きっとこう思うことでしょう。でも、私は「こーすりゃいいという結論」まで究明するつもりはないし、その答えもきっと複数あると思ってます。そして私は今のところ、タンドールをひとつ作る予定なので、そのひとつが辿った道の痕跡から複数の「こーすりゃいい」を見つけてもらうことの方が、文字数は多くなるものの、より実り多いかと思っています。出来りゃあいいというより、いろいろ考えることや失敗が面白いものとということで、悪しからず。
さてさて、前置きはこのぐらいにして、きょうのエントリから施工が始まる。
先のエントリの最後にも書いたが、完成をイメージして、一番作るのが難しそうなのが、ロストルから空気孔のところだ。逆に言えば、簡単に作ってしまいたいと思っている人は、ロストルと空気孔を作らない方がいい。空気孔ナシだと、火力の調整は難しくなるだろうし、温度は上がりにくいだろうが、ナンやタンドリーチキンを焼けなくはないと思う。
まずは、植木鉢に穴を空けてみた。これが想像以上に大変だった。失敗すると鉢を買い直さないとならないので、慎重にもなったってこともある。グラインダーで削れるところは削ったが、結局はちょっとずつハツって、下のような穴になった。サイズは、6cm x 3cmほど。
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鉢を逆さにして、穴の外側 |
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鉢を正位置にして、穴の内側 |
次に、外の囲い容器、ブリキ製の米びつの穴開け。横長の長方形に穴を開ける。サイズは、7cm x 3.5cm。(鉢の穴よりちょっと大きくした理由は、中に溜まる灰を外に出しやすそうだから)
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真鍮板を切って作った扉が閉まってるところ |
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扉を開けたところ (内部には、トンネル予定地の床のはんぺんレンガが見えてる) |
最初にこの長方形の左右のタテ辺の真ん中にドリルで穴を空け(計2箇所)、そこから金切りバサミで切ったのだが、ここには私の工夫がひとつある。穴の部分のブリキを切り取ってしまわずに、水平方向に真ん中を切った上下半分ずつを米びつ本体に付いたままにしておいて、それを折りたたんで、その穴の扉の枠にしたところだ。事前に、いくつか紙で試作した。その試作の最終形では、枠が外から見えない方がスッキリした見栄えになるという安易な理由で、ブリキの折りたたみを米びつの内側にした。そして実際にそうしてみたのだが、いざやってみると、2点の不都合があった。まず、内側に枠や(動く)扉があると、鉢の穴へのトンネルが作りにくいこと。気密性を保つのが難しい。もう一点は、工夫した枠を扉がスムーズに動くように作るのが難しかったこと。現実的には、開け閉めが渋くなったら、枠の形をちょこちょこ調整出来る方がいいと思った。内側になるといじれなくなるので、調整するためには、外側になきゃならない。したがって、一度内側に折り曲げた枠を外側に折り曲げ直した(汗)。写真の枠部分がやけにデコボコしているのは、反対側に曲げ直したせいもある。こんな粗い作りで、気密性も何もないか。後は、実際に焚いてみた後に考えるとする。
それで、この穴とさっきの先の鉢の穴をトンネルで繋げるのだが、その前に、上側の鉢の底の穴を空けた。コンクリートやレンガ切断用の刃がついたグラインダーがあれば簡単。
これでほぼ、2つ重ねた植木鉢製窯部分の正確なサイズが決まった。米びつ内部との高さの違いは、およ4cm。で、何となく、熱くなる鉢を米びつに直にのせるのは抵抗感があったので、米びつの底部に、はんぺんレンガ(厚さ3cm)を敷いて、その上に鉢を置くことにした。はんぺんレンガは中で動かない方がいいので、耐火モルタルで固定。トンネル部分の床になるはんぺんレンガは、灰が外に出やすいよう、鉢側から米びつ側へ5mm程の傾斜をつけた。この5mmは、鉢の底の厚みと同じ。後で鉢をレンガの上で固定する際、若干の耐火モルタルをつけるので、結果的に鉢の方が若干高くなるだろう。鉢の方が低くなっては、灰が出にくくなる。
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トンネル予定地の床のレンガの手前側を5mm高くしている |
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上写真の5mmの段差は鉢の底部の高さと合わしているので これでレンガと鉢の床の高さが揃う |
で、さっき書いたとおり、米びつと鉢の穴をトンネルで繋げるのだが、最初、下の写真のように、厚紙で作ったトンネル型を両穴に通して、その周りを耐火モルタルで固めて、乾燥したら、トンネル型を抜こうと思った。
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米びつの外側から見た、トンネル型を通したところ |
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中の鉢の穴まで通したトンネル型 |
「カンホアの塩」の【石窯 焼き塩】用の石窯を作った経験上、耐火モルタルは高温(500℃など)になればカチカチに固まってくれるのだが、この部分はどのくらい温度が上がるか。この空気孔は、主に外の空気を中に入れるものなので、基本的にあまり熱くならないはずだが、空気孔の蓋を閉めて外の空気を遮断したときに、200〜300℃ぐらいになるぐらいか。だとすると、耐火モルタルのトンネルは、しっかり固まりそうにない。時間とともにボロボロ崩れてくる可能性がある。とすると、この厚紙の型で成形した耐火モルタル製トンネルは、考え直した方がいいと思い至った。やり直しだ。では、どーしよう。はんぺんレンガをトンネルの主構造にして、耐火モルタルで固定するのが確実なように思えてきた。タンドールにピッタリの鉢の曲線せいで、そこにくっつけるトンネルのはんぺんレンガを工作するのが面倒だ。でも、これはきっと、やりゃあ出来ることか・・・・。
遅々として進まない、タンドール作り。でも、これで施工作業の半分は終わっているように思う。次の週末が待ち遠しい。
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