昨日、コートジボワール×日本戦を観戦した後、梅干しの仕込みをした。コートジボワール、強かった。高温多湿の中、疲れが目に見え始めた後半15分に、満を持して、ドログバ投入というコートジボワール監督の采配がピタリと当たった。これで決勝トーナメント出場の確率は、2割程になっちゃったかな。まー、仕方ない。ポジティブに捉えれば、これで日本の選手たちは、開き直るしかなくなったから、目指す攻撃的なサッカーを見せてくれるだろう。その意味では楽しみだ。本当は、開き直らなくても見せて欲しかったんだけど・・・・。まー、簡単じゃないことぐらいは分かる。
・・・・と、失意とほのかな期待を抱きながら、試合が終わった昨日の昼過ぎ、梅干しの仕込みの第一段階である塩漬けを行った。
さて、今年の梅は特別だ。「完熟手もぎ梅」。
先週、大分の菊の助さんから送ってもらった。まず、完熟するのが早いのにビックリ。今、東京の店頭には、青々とした梅酒用の梅が並んでいるが、届いたのは既に完熟。さすがは九州。関東より2週間ほど早い。そして、その梅とともに、入っていたお手紙にこうあった。
「梅は、すべて手もぎですので、洗わなくて、結構です。洗うとカビやすくなるそうです」
梅は熟すと当然落ちる。落ちると、キズになったり、地面の土がついたりすことがある。木になってる梅を注意深く観察し、「そろそろ落ちるな」という梅を、ひとつひとつ手でもいで収穫した梅。それが「完熟手もぎ梅」だ。ん〜、何とも贅沢。菊の助さん、ありがとうございます。
梅干しの場合、塩分濃度が高いので、腐る心配はないが、(干す前の)漬けてる間にカビることがある。ハッキリ言って、梅干し作りの失敗とは、「ひどいカビにやられること」に他ならない。
他の食品、また化粧品(歯磨き粉なども)もそうだが、水を使わないと、雑菌が減り、カビが生えにくくなる。水というのは清潔な印象があるが、水分のあるところにこそ、カビを含めた雑菌類が繁殖する。その意味で、砂漠は清潔と言える。ベドウィン(アラブの砂漠の民)は、砂漠こそが清らかな場所で町は不潔な場所と考えているらしいが、それは全くもって正しい。ただ、この梅干しの仕込みにあたっては、ひとつ考えなくてはいけないことがあった。
私は、「カンホアの塩」のサイト上で、「正統派・梅干しレシピ」というのを載せている。梅干しを仕込み始めて15年ぐらい、年々改良してきたレシピを載せている。
●正統派・梅干しレシピ
このレシピにもあるのだが(作り方1:下準備と塩漬け → Step1.梅の下ごしらえ → 1-3.水洗い)、熟した梅を、いったん水に浸して水洗いする。水切りして、「梅の表面がやや湿気ているぐらい」にしたところで、塩をまぶす、と書いている。これは「梅の表面がやや湿気ているぐらい」にすると、塩がからみ(付着し)やすくなるからだ。だから、「洗わずに(梅をドライなまま)」塩をまぶそうとすると、塩は梅の表面をスルリと滑ってまぶせないことになる。しかしせっかくの「完熟手もぎ梅」。洗わずに漬けてみようと決心した。私にとって、水を使わない梅干しの仕込みは初めてだ。
それにしても、まぶせないものを「どーしたものか」。しばし考えた末、冒頭の写真のように、容器に入れた梅の一番上に塩をドサっと置くようにかけることにした。(梅3.5kgに、塩612g) 梅にかけた塩は、下に落ちることはあっても、下の塩が上に上がることはないからだ。また、容器の底には、一握りだけ塩を撒いてから、梅を入れた。これは底に接した梅は、梅の自重と重石で押されて水分が出やすい状態だろうなーという考えから。
塩は、浸透圧で梅の水分に溶け、それが梅酢となる。洗った場合、梅の表面全体に残った水分が「呼び水」となり、浸透圧を促していた。しかし、今回は洗わない(水を使わない)。とは言うものの、梅表面の微量の水分と、重石によって出てくる梅内部の水分をキッカケにして浸透圧が進み、梅酢が出てくれば、結果として「洗わない」梅干し仕込みになる、というイメージだ。だから、水を使った場合と比べ、梅酢が上がってくるのは、ゆっくりになるハズだ。そして、これで「カビの危険性」を大きく避けることが出来れば、成功だし、もしかしたら出来上がる梅干しの味にも影響があるかも知れない。
・・・・と、「いろいろ勉強になるなー」と思っているところで、今朝、菊の助さんのブログを見たら、同じことをしている菊の助さんがいた。漬けてる量も多いので、画像の迫力も満点だぁ〜。ほんとにドーン。
●サムライ菊の助
「塩は一番上にドーンと置く」(6月15日)
だいたい同じようなことを考えてのことだと思う。嬉しくなった。
ところで、この「完熟手もぎ梅」。先に、完熟でありながら、「地面の土がついたりしていない」と書いたが、個人的には少し気になることがある。それは、少しぐらい土がついてても問題ないんじゃないか、ということ。現に菊の助さんのブログには、「汚れのあるものは、湿らせた布で拭きます」とある。また、「今回の梅は、落ちたのがほとんどなので、汚れを拭きましたが、手もぎのものは、拭くことも必要ありません」ともある。つまり、手もぎのものを出荷に回してくれてるってことだ。何かそれが少し申し訳ないとも思っている。
さてさて、どーなるか、今年の梅干し。楽しみだぁ〜。「どーなったか?」の報告もしないとと思ってます。たとえ失敗しても、報告するのでお楽しみに。
参考エントリ:梅酢は上がったけれど(6月19日)
参考エントリ:「完熟手もぎ梅」の土用干し(7月30日)
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