2010年5月27日木曜日

ミョウガタケ


上の写真中央に、すっとのびた茎が2本あるの、分かりますか? 上部のやや白っぽい部分は新しい葉の裏側です。よく見ると、2枚ぐらい育った葉も生えてるので分かると思いますが、ミョウガの若芽です。

先日、新聞のコラム欄に「ミョウガタケ」という名で紹介されていたので、どれどれとうちの庭のを採って食べてみたが、なんともうまい。その若芽を根元から切り取って、切り口のあたりを1〜2口だけ食べる。夏に出回るいわゆるミョウガはこの花のつぼみにあたる。それは暑い盛りに清涼感をもらえる独特のやや強めの味だ。それに比べ、このミョウガタケは、その強めの味が1〜2割方でほのかに感じる程度。しかしミョウガにはない春の淡い緑色な味もある。谷中生姜にも通ずる感があるが、谷中生姜よりもぐっとジェントルな味わいだ。王道はそれこそ谷中生姜のように味噌をつけて食べるらしいが、何しろとても淡い味なので、ほんの少しの塩だけでそのものの味を感じるのもいい。

こいつは「ちょうどいいの」を選ぶのも肝要だ。太くて大きく育ち過ぎてると、硬くてひと口だけでも筋が口に残り、味も青臭さが強い。かと言って、細過ぎると食べるところがほとんどない。上の写真は、うかつにも食べるのを採った後に撮ったので、ベストなものとは言えない。「細めだけど、まぁイケルかな」ぐらいの感じ。出来たらこれよりもうちょっと太いのがいい。背丈が30cm止まりで太めのやつがベストだ。

まぁ、なかなかややこしいやつだが、さらにややこしいのは、旬がほんの1〜2週間だということ。最初の「ちょうどいいの」が見つかって、2週間後には「ちょうどいいの」がもうない。育ち過ぎている。(あとはつぼみのときね・・・・)

また、先に「その若芽を根元から切り取って、切り口のあたりを1〜2口だけ食べる」と書いた。「1〜2口」。何とも少量だ。うちの庭は狭いので、採ったのも5〜6本。家族4人でひとり2口だ。何しろ淡いおいしさなので、いくらでも食べられそうなのにも関わらず、ひとり2口・・・・。

さもしい私は、この1〜2口、何とか増えないものかと思った。それで、谷中生姜のイメージで、土を10cmほど掘って1本だけ少し根の部分も切り取ってかじってみた。が、硬くて食えなかったです。味もおいしくない。つまり、土に埋まっているほんの5mm〜1cmぐらいから地上部1〜2cmぐらいのところを食すだけなのだ。だからやっぱり1〜2口ということになる。まぁ、根の部分もおいしいと、夏につぼみが出てこなくなってしいそうだから、これでいいんです。大人になろう。

この季節、山菜や果物など個性の強い食材が出回る中、いとおしくも感じる淡いおいしさをほんのひと口ふた口。その淡ーい春の苦み・辛みとともにほんのり感じるミョウガの香りは、次の季節が近づいていることをそっと教えてくれているようだった。

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