2015年3月20日金曜日

無農薬「せとか」と貧乏人

 私の知人に、愛媛の農業関係者の方がいる。
去年12月のエントリ(ミカンの贈り物)で書いたミカンを送ってくれた人と同じ人なのだが、今度はこの「せとか」を1箱送ってくれた。それも無農薬だ。冒頭の写真がそれなのだが、外見はパッと見、ミカンみたいだけど、下の写真は、包丁で切ったところ。
外皮だけでなく、内側の皮も極端に薄い。そして何より、この味の濃厚なこと。おいしいミカンの甘味と酸味の比率だけを比べると、「せとか」の方が甘味が強め。しかし、酸味を含めた全体の味が濃厚なので、甘めのミカンとは明らかに違う。最近、柑橘類がいろいろあるが、この「せとか」の濃厚な味は特別だ。

最近、流行りと言えば流行りの「せとか」だが、多くの「せとか」の果樹園は山の斜面にあり、その斜面がハウスで覆われていて、農薬も使うらしい。しかし、斜面にハウスを建てたりなどは、初期費用が多大にかかる。そこで、あまりカネをかけずに(手作業は多くなるけど)無農薬でもっとおいしい「せとか」を栽培出来ないものだろうかと、いろいろ研究している試験場がある。

で、そこの栽培方法は、ハウスを使わない代わりに、果実ひとつひとつに白色と黒色2枚の袋を被せることで(もちろん手作業)、保温・除虫、そして(柑橘類なので枝にトゲがあるが)トゲが果皮を傷つけないように栽培しているとのこと。いわばその試作品をお裾分けで送ってくれたのだった。まだ試験栽培の段階なので、少ししか栽培されていない。つまり、出荷量が極端に少ない。その人の話によると、東京の某有名百貨店1店舗のデパ地下での販売分しかく、年ごとに、今年は百貨店A、来年は果物屋Bといった具合に、持ち回りで出荷しているほどだ。

そんな希少な二重袋被せ無農薬「せとか」が我が家に送られてくるなんて、何と言う巡り合わせだろうと、感謝にたえないだけでなく、驚いてもいる。その知人がいるという理由がなければ、我が家なんかでは口に出来ないものだ。こういうのに慣れていない私は、ついつい大事にして、毎日食べたいところを二日おきにしたりする。うちの小学生の子供たちが気にせず「おいしー」と言いながら、毎日バクバク食ってるの見ると、「そんなにあわてて食うなよ」と言ってしまう。そこで、カミさんは、「あんまりゆっくり食べて、腐ったりしたら最悪よ」と正しい意見を言う。確かに、あまりに大事に食べ過ぎて、腐らせたり味を落としたりしてしまった高級品が、私の過去にはいくつもあった。ここが貧乏人のはかなさだ。

そういえば、その知人も、「皮が薄いから、早めに食べてね」と言ってたっけ。勇気を出して、食べ進めようと自分に言い聞かすのであった。

0 件のコメント: