先のエントリでは、定番とも言える、「マルゲリータ」のことを書いた。で、私たちは、今年1月の来訪時、「マルゲリータ」の他に、「バラータのピザ」と「4種の花のピザ」というのを注文した。このお店では、「マルゲリータ」よりも、他の2つの方が印象に強く残っているので、それらについても書かねばならない。
ということで、まずは、「バラータのピザ」。バラータは、モッツァレラが巾着のようになっていて、内部の濃厚なミルクを包んでいる。テーブルにサーブされた直後が下の写真。生ハム、ルッコラ、生トマトの上にちょこんとのっていて、オリーブオイルがかかっている。
そしてサーブしてくれたお兄さんが、慣れた手つきでナイフとフォークを使って、放射線状にバラータを切ってくれる。中身の濃厚なミルクはピザの上にトロッと広がる。
これみて思い出したのは、5年前に行った、イタリアはイタリア南部のオストゥーニのレストランで食べたバラータ。あれもうまかった。そこでは、バラータにはシンプルにザクロが添えられていた。その写真が下。日本では食べたことがない。日本では作られていないのだろうか。またはあんまり輸入されていないのか。いずれにしても鮮度が大事そうなチーズだ。
イタリアでのシンプルな食べ方もよかったが、4P'sの生ハムと一緒にピザで食べたのは、とってもリッチなおいしさ。中の濃厚なミルクとフレッシュなモッツァレラの味、それとともに生ハムの旨みたっぷりの塩分とルッコラの淡い苦味が口の中で広がる。こんなに贅沢していいものかと思うぐらい。4月のエントリでも書いたが、生地もちゃんとおいしい。「ベトナムでこれが食べられるから」ということではなく、とてもおいしい料理だ。
そして、次はまったく別のおいしさ。「4種の食べる花ピザ」が下の写真。モッツァレラの上に花がのっている。
そして、花(らしきもの)を並べてみたのが下の写真。左から3番目はカボチャ、一番右はニラのようだった。
マルゲリータ→バラータのピザ→花ピザの順でサーブされて食べたのだが、バラータのピザがあまりに濃厚でリッチな味わいだったためか、この花ピザを食べたらホッとした。花ピザというと派手なイメージもあるかも知れないが、これらの花は、いろんな淡い苦味を持った山菜のような素朴な味だ。私はまだ食べたことがないのだが、ベトナムには、「花鍋」なる鍋料理がある。この「花ピザ」は、おそらく「花鍋」に着想を得て考え出された、ベトナム独特のものではなかろうか。
また、「花を食う」で思い出すのは、「戦場のメリークリスマス」という映画の中で、デビッド・ボウイ演じる捕虜が花を食ったシーン。それを見たビートたけし演じる日本兵の「貴様、花を食うのか!」という台詞があったような。詳しくは忘れたが、とにかく周りはその行動にビックリし、そのときを境にその映画の中の重要な価値観が変わったような記憶がある。遠い記憶だが。日本でも、カボチャやアカシアの花の天ぷらを食べたことがあるが、「花を食う」ことはどこか特別な気分がするものだ。
こうしてすっかり満足してしまった、ベトナムはサイゴンの4P'sのピザ。次行ったら何を注文しようか。たしか、クワトロフォルマッジ(4種のチーズのピザ)なんかもあったな。あっそうだ。「4種の食べる花ピザ」の4種はここからの着想か‥‥。
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