上の写真は、私のサンダル、ビリケンシュトック。ビリケンシュトックは3つ目。履くのは夏場が主だが、これは3年ぐらい履いたもの。ビリケンシュトックのサンダルを初めて知ったのは、1983年の夏にヨーロッパを2ヶ月旅行したときだった。当時私は21歳。当然のことながら、出会うまたは見かける若い旅行者は、ヨーロッパ人がほとんどだった。そして、旅を始めて1〜2週間も経った頃、でっかいバックパックを担いで、足下はビリケンシュトックのサンダルというスタイルが多いことに気がついた。夏の短パン・Tシャツという服装も手伝って、このサンダルがやたらと存在感があった。当時はだいたいが踵にバンドが巻き付いてるタイプだった。それをその主にきくと、「旅行中は歩くことが多いから、踵にバンド付きがいい」なんて言ってた。私はというと、宿なんかでは、いわゆる便所サンダル。便所サンダルも悪くないが、歩き回るには心許ないので、普段歩き回るときはスニーカー。そうなると、どうしても計2足必要になる。しかし、ビリケンシュトックの旅行者たちは、それ1足でオールマイティ。「それにこのビリケンシュトックは修理も利くんだぜ」なんて言われると、「へぇー」なんて思いながら、憧れもした。
そんな思い出があるサンダルだが、話を今に戻そう。
半年ぐらい前のこと。冒頭のサンダルのソールを見たら、右足の踵だけが極端に削れていた。「なぜ右足だけ?」としばらく疑問のまま。「あれ、おれ最近歩き方が偏っているのかな?」とまで思った。しばらくモヤモヤしたが、つい一ヶ月前頃、「あー、この削れはアクセルだ」と、ふと気がついた。
車を運転するとき、ブレーキの方(左足)はいいのだけど、アクセルペダル(右足)は、床に付いた踵をを支点にして踏む。床に付いた右足の踵は尖っていて、サンダルだから、不安定。何ともアクセルペアルを踏みにくい。そして、こういうことがしばらく続くと、一年も経たないうちに、コルク状の踵がすり減ってしまったのだ。
先の思い出話にもあったとおり、ビリケンシュトックのサンダルは、「歩く」ことを主眼に設計されているだろうから、車の運転をするときは考えない方がいいのかも知れない。車の運転には、それ専用の靴を車内に用意しておくというのが正論だろう。しかし、出来たら1足オールマイティを目指したいじゃないですか。そこで私は考えた。
「この削れた部分に、ソールを貼ればいいんじゃないか」と。
私はホームセンターへ行って、ゴムのシートを探した。下の写真、厚み2mmのシートと革靴用の接着剤を使った。
そして、それを貼ったのが下写真の左側。(写真右側の左足の踵は、まだしっかりソールが残っていて、コルクも削れていない)
で、ですよ。
これ履いて運転してみると、何とも快適じゃ〜ないか〜。新たに貼ったゴムシートの踵が床にフィットして安定した。もしも、このゴムシートを貼らないで運転を続けると、コルク状の踵はすり減る一方だから、このサンダル自体の寿命も短くなったことだろう。しかし、ここまですり減ってしまった以上、逆に新たに出来てしまったその面を利用して、踵ソールを貼る。すると、この新しく出来た面ゆえに、アクセルペダルを安定して踏めるようになる。(ゴムシートを貼った右足踵の上端部分が少しせり上がっているのは、接着時にガムテープで固定した際についたクセ)
およそ40年前、自動車学校の学科授業で、運転に適した履き物は「踵がしっかりした靴」と習った記憶がある。しかし、今どき「踵がしっかりした靴」なんてまず履かない。
ビリケンシュトックは、おそらく最も歩きやいデザインについては熟知していることだろう。しかし目先を変えるように、毎シーズン、新しいモデルを出し続けている。見た目だけじゃなく、こうして構造的に、右足の踵部分が車の運転使用になっているモデルなんかを出してくれないかな。左ハンドル車でも、アクセルは右だろうから、右足だけでもいい。ビリケンシュトックのファンで、車を運転する人は少なくない気がするのだけど。
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