2022年3月10日木曜日

フィシャーマンズセーター

 

3月になって、東京はずいぶんと春めいてきた。12月から3ヶ月着続けたフィッシャーマンズセーター(上の写真)の冬が終わった。


去年12月の初め。本格的な冬がこれから始まるという頃、「この冬は、このフィシャーマンズセーター、これ一枚でいってみよう」と思った。あれやこれやと、着る服を選ばないということだ。ズボンは、スポーツ用品店で買った、おそらく冬のアップ用の軽くて温かいもの。(モモ敷き不要) 私の下着は、ふんどしだが、肌着のヒートテックと冬用の厚手の靴下、これら3点は毎日洗濯する。この3点セットが、2〜3セットあればいいということ。フィシャーマンズセーターは洗濯しない。外ではこれにヤッケを羽織る。大事なオプションとして、デスクワーク時は、事務用の黒色の腕カバーをしてセーターの摩耗防ぐ。


これにパジャマにもなる部屋着があれば着るもの全てが揃う。週末、自宅にいる間に、アップ用のズボンを洗濯するが、これはすぐ乾く。例外的に、この3ヶ月の間、この一張羅(いっちょうら)以外を着たのは、2月のエントリ(家族の事情とティーペアリング)含め2〜3日だった。コロナで、人と会うのが少なめになっていたこともある。


これは中2の息子からの影響が大きかった。私は、結構服を持っている方だ。それに対して、彼は「とうちゃん、服持ちすぎ。そんなに要らない。着ない服が多いんだよ。その分、部屋が狭くなってるよ」とミニマリスト的なことを言う。「まー、服買うのは楽しみでもあるからさー」とは言ったものの、彼の言うことも分かる。それなら、着なそうな服を処分するまでしなくとも、「この冬は最少数の服で生活してみようか」と思い至った。


同じ服を着始めて、一ヶ月以上経った正月過ぎ、誰も私の一張羅を指摘する人がいなかった。夕食中、家族に「ここ一ヶ月以上、オレ、毎日同じ服着てるの知ってる?」ときいてみた。カミさんは、「そーいやーそーねー」ぐらい。二人の子供は特に関心を示さない。仕事場でも一緒。数人いる中で、誰も私の一張羅を指摘する者はいなかった。私としては、ちょっと拍子抜けな気分になったが、実際はそういうものなんだろう。


同じ服を着て続けて、2ヶ月と少し経った2月の初旬、外でふと春を感じたときがあった。何せ毎日同じ服だから、保温状態は一定だ。着ている服の違いで体感温度が変わることはない。ガサ張る冬服で部屋が散らかることがなかったのはもちろんだったが、気温に対してより敏感になることは考えてもみなかった。そして、何と言っても、私の周りの人たちは、私の服装なんかには興味がないことが分かった。


次の週末には、3ヶ月ずぅっとお世話になって薄汚れた、フィッシャーマンズセーターを手洗いしようかと思う。


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