2017年9月8日金曜日

都会のタヌキ

2ヶ月ほど前、東京・立川市と昭島市の境にある我が家から数十メートルのところで撮影したものだ。(2017年7月26日撮影)住宅街である。タヌキだ。それも4匹。家族のように見える。写真ではわかりにくいが、肉眼では。左の2匹が親で、右の2匹が子供のように見えた。

この春先から、ときどきうちの子供たちが「小さいタヌキがいた」と目撃証言をしていた。その後、私も近所の猫が背中の毛を逆立てて何かに向かって大声で威嚇している声を何度か聞いた。そんな声がしたあるとき、窓越しに外を見たら、そのお相手は1匹の小さな小タヌキでだった。その小タヌキは、しばらくじぃーっとしていたが、怖がっている様子もなく、少しずつ動いて視界から消えた。そのとぼけたような表情からは、恐れているようには見えず、むしろ「うるさい猫だな」とあきれているように、私には見えた。

そして、冒頭の写真のとき、私は偶然にもカメラをカバンの中に持っていたので、慌てて撮った。あんまりハッキリした画像ではないが、これはどう見てもタヌキだろう。そのとき、私が向かっていた方向がタヌキがいる方だったので、ゆっくり近づくことになったのだが、ある程度距離が縮まると、4匹のタヌキは、すぐそばにある道路の側溝の蓋と蓋の隙間に入っていった。(上の写真の左側に電信柱があるが、隙間はすぐその裏にある) 雨、特に大雨が降ったら、雨水はこの側溝にジャンジャン流れ込んでいくのだがら、この側溝自体がお家になってるとは考えにくい。この隙間は単なる門みたいなもので、この隙間を通っていった先のどこかに、お家があるのだろうか。そう思うと、この側溝の蓋を剥がしてみたくもなったが、それは「やっちゃいけないこと」のように思えて、しないことにした。(後日談:2017年9月12日、30メートルほど離れた我が家の脇の側溝もそうなのだけど、この辺りの側溝は、土が埋まってしまっていることが多い。このタヌキの隙間のある側溝は蓋を開けてないので不確かだが。長年、人間が側溝の掃除をしてないからなのだが、そのせいでタヌキの住み家になっているかも知れない)

以前、このあたりで、夜中にハクビシンが3匹連なって塀の上を歩いていたのを見たことがあって、数年前のエントリに書いたことがあった。

●夜の訪問者(2009年8月5日)

こんな町にも結構暮らしているのだ、タヌキやハクビシン。そう思って、少し調べてみると、日経の電子版に下記のような記事を発見。東京23区だけでタヌキは1000匹いるっていうんだからビックリ。このへんにいてもちっともおかしくない訳だ。

●1000匹が23区に 東京でタヌキが暮らせる理由(2011/8/16付け)

「大手町のビルの自動ドアからタヌキが入った」っていうのは、漫画みたいで笑っちゃう。

この記事に出てくる「東京タヌキ探検隊!」のサイトが面白い。
http://tokyotanuki.jp/

まず、タヌキは東京がこんなになる前から、この地に暮らしていたということ。(おそらく、江戸時代以前は、人間よりも数多く暮らしていたのではなかろうか) そして、現在の東京でも、タヌキにとって、生息し続けられる環境があるからこそ、野生動物として生息している。だから、そんなタヌキを見守ろうと、このサイトの主、宮本拓海氏は訴えている。そして、その生態を探ろうと、目撃情報などを募集している。

また例えば、「タヌキに出会ったならば」のページには、「3つの原則」として、下記を掲げている。

・近づかない
・騒がない
・食べ物を与えない

また、「タヌキに限らず野生の哺乳類・鳥類を許可なく捕獲することは鳥獣保護法違反です」とも。

「人間は何事もなかったように普段通りにするのが一番です」、「タヌキにとって一番良いのは、現在の環境をできるだけ維持してあげることです」という。大事なこととして、保護が目的ではない。いたずらに生息数を増やしても、タヌキにとっても人間にとってもいいことではないハズだ。今の東京の環境とタヌキの生息数にはそれなりのバランスが保たれている。そんなタヌキは、どんなふうに暮らしているのか、それを知ることで、お互い無理なく仲良く暮らしていきましょう、という感じ。

なんかね。いいと思うんです。タヌキと共存していると思うだけで、ホッコリ出来る自分がいる。都会には、反自然的な殺伐としたイメージがつきまとうけど、そんな中にも、こうして暮らしている野生動物がいて、お互いに適度な距離を保ちながら共存している。ただ、うちの近所には、梨畑があって、今収穫の時季。その農家にとっては、タヌキは加害者かも知れない。そのへんお互いうまく折り合いがつくといいのだけど・・・・。

思えば、スズメ、そして広くは昆虫類も、似たようなことなんだろうが、タヌキやハクビシンなど、陸上の動物が住宅街で暮らしているとなると、また格別な感がある。同じ陸上の動物である猫や犬は、人間社会に取り込まれて暮らしているが、タヌキは、人間になつかない。そして、人間社会の近くではあるが、外側で暮らしているように思う。それは昔タヌキが里山で暮らしていたことと重なる。だから、民話などでタヌキはしばしば登場するのだ。絶妙とも言えるこの距離感が実にいいではないか。「今の東京の環境とタヌキの生息数にはそれなりのバランスが保たれている」というのは、何か大切なことのように思える。

春先には、タヌキといがみあっていた我が家の周りの猫たちだけど、最近は猫が毛を逆立てて威嚇するようなことはすっかりなくなった。タヌキたちは、この周辺の猫たちと「折り合い」をつけたかのようにも見える。これまでも取っ組み合いの喧嘩をすることもなかったので、この地の先輩である猫たちも、自分たちにとって悪いことではないと思い始めたのかも知れない。

冒頭の写真から約2ヶ月後(8月29日)が、下の写真。今度は、少し望遠がきくカメラで撮った。3匹写っている。4匹家族だから、少なくとも1匹は小タヌキのハズだ。もう大人のタヌキと同じような大きさになっている。

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