タイトルのとおり、写真は「松茸のフライ」であります。
塩をパラパラ振って、スダチをしぼって頂きました。
松茸と言えば、土瓶蒸し、ホイル焼き、網焼き、松茸ご飯・・・ということになりましょう。もちろんそういった定番は文句なくおいしい。しかし、そこをあえて「フライ」であります。松茸をフライにするとどうなるか。これはそれら定番料理からすると、また別の趣があります。近頃は、結構手頃なお値段で買えるので、こうした冒険もまた一興です。
昔から「香り松茸、味シメジ」と申します。そう松茸は香りが命。でも、この「フライ」に関しては、「味」が命になります。でも、やりようによっては「香り」と「味」の両方が楽しめる。この一筋縄ではいかないところが、この「松茸のフライ」の最大のポイントと言えましょう。
最初の一口目。ザクッとひとかじりした私は、先入観からか、衣を破った際に発する香しい松茸様をイメージしていました。しかし、案外しない。「んっ」と思いながら、さらにパクパク。するとこれが独特の淡いエグ味のような、または野趣に富んだ味というか、がしてきました。思えば、ホイル焼きにしてもその香りとともに土のような味もしますね。その味がクローズアップされる感じです。プ〜ンと香るいわゆる松茸の香りは抑えられ、代わりにその味がグッと前に出てくる。これまでとは違う松茸。
しかし、です、そう感じている私の前で、このフライを調理したうちのカミさんは、「すごい香りだね」と言う。「すごい香り?」とちょっと当惑したが、彼女が続けて言うには、「揚げてるときも、すごい香りがしてた」。これを想像するに、彼女は揚げてたときのすごい香りを嗅覚に残しつつ、この「松茸のフライ」を食したんだと思う。私には、換気扇のグルグルまわってる台所の香りは伝わってきていない。「いや〜、オレにはスゴイ香りなんてしないけど、こういう松茸もあるんだなぁ〜」。
ちょうどこの前日、実は、食卓のホットプレートに油をひいて、松茸をソテーした。そのときのすばらしい香りを思い出した。そしてこの「フライ」にも通ずる味とその食感は、「こりゃイケル」。松茸は、きっと油で高温に熱すると一気に香りを放つのだ。しかし、大胆不敵にも「フライ」。その「香り」も楽しみたければ、厨房に入らなければならない。それを一カ所で楽しみたければ、ホットプレートのソテー。どっちにしても、スダチはお忘れなく。
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