8月3日のエントリで、ベトナムの氷割り器について書いた。その最後の方に、その氷割り器の弧が若干平らになっていることが気になると書いた。上の写真は、その部分をアップにして撮った写真だ。こっちの写真の方が分かりやすいと思う。端の部分がややせり上がっているとともに、端の弧の中央部分が2センチほど平らになっているのが分かるだろうか。これは両端ともそうだ。
この夏から使い始めて、何となく一ヶ月ぐらい使って書いたのが先のエントリで、それからさらに二週間余り毎日使い続けてきて、ようやくこの形の意味を感じるようになった。使い慣れてきたということなんだけど、レポートしたくなった。
氷を叩くとき、もしもこの端っこの弧が2センチの「平ら」でなく丸くなっていると、氷との接点は点になる。しかし、若干「平ら」になっていることで、その接点が線になる。短い線ではあるが、線が長すぎると力が分散してしまうので、きっとこのぐらいがちょうどいいのだと思う。タッパーで作った氷の固まりを、まずはその短い線を意識して下の写真のように叩く。写真を撮りながらなので、氷をボウルに置いているが、叩くときは氷を左手に持って右手で握った氷割り器で割った。
2〜3回、横に少しスライドさせながら、一の字に叩いて割れたのが下の写真。
真一文字に氷が割れた。当然のことながら、向きを90度変えて叩けば、この後さらに垂直方向にも割れる。そのようにして、上の2つになった固まりを、ちょうどコップに入るぐらいの大きさにしたのが下の写真。
こんな風に、純米酒を氷で飲むにはちょうどいいサイズ。
でまぁ、さらにキューブ状の製氷器の氷ぐらいのサイズにしてみよう。氷が上の写真の大きさぐらいからは、その短い線で割るよりも、その線のやや下の部分の(尾根の)平らになっているところで、手の平にのせた氷の概ね中央を叩いてみた。つまり、面で叩いたのだ。すると砕けるように、下のような写真の大きさになり、水筒にも入るサイズになった。
私はまだこの氷割り器ユーザー歴一ヶ月半ぐらいの初心者だが、それでも、最初の1個の氷の固まりを水筒に入るサイズまでにするのに30秒もかからなかった。
似たような役割のアイスピックの先は鋭く、小さな点だ。点の方が力が集中しやすい分、より大きな氷の塊でも割れるだろう。その代わりに、割る方向を定めるためにはある程度の熟練が必要になると思う。一方、このベトナムの氷割り器は、線で割るので、あまり大きな氷は割れないが、割る方向は定めやすい。さらに面で割ることも出来るので、氷を細かくする機能をも備えている。
バーテンダーのようなプロには向かないだろうが、アイスピックを使う一般家庭がどのくらいあるというのか。私を含めた一般家庭では、誰でも使えるこれで十分であり、とても優れている。無論、尖ってて危ないということもないし。
ベトナムは一年中暑いから、氷はいつも需要がある。ついでに言うと、ベトナムでは、ビールに氷を入れて飲むことも多い。季節を問わず、氷を毎日たくさん使うのだ。まさに気候は文化を作る。この氷割り器はその文化の表れであり、日本とは文化が違うのだ。この微妙に弧が若干平らになっている形も洗練されているように感じる。そして、「緩〜く(何となく)」うまく割れるこの感じがいい。物事極めることもいいが、この氷割り器を使っていると、南国ベトナムの「こんぐらいで、いいんじゃない」という「足るを知る」ような程よい感覚を感じるようで、楽しくもある。
それにしても、先のエントリでも書いたとおり、「この形って竹じゃない?」という疑問を思い出した。一番上の写真を改めて眺めて見ると、端に向かってややせり上がった部分が竹の節付近のようにも見えてきた。そうした方が力がかかりやすいだろうな‥‥。今度竹で作って、氷を割ってみたくなってしまった。
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