私が住む東京・昭島の近所の友人に、小豆島出身の人がいる。彼女は、年に一度、帰省するのだが、そのタイミングがまちまちだ。私が彼女の帰省のタイミングに気を揉むには訳がある。
今年は、ちょうど一ヶ月ほど前の10月中旬から下旬だった。この時期がいい。冒頭の写真は、小豆島のオリーブの実の塩水漬けだ。こいつが小豆島で売っているのは、毎年、ほんのこの一ヶ月ぐらいの間らしいのだ。(要冷蔵で、賞味期限は一ヶ月だけ)
数年前、同じものを初めてお土産にもらったのだけど、いたくおいしくて、それを伝えたら、「だからって、そのために帰省のタイミングは決められなよ」とのお言葉。もっともなことだ。それで数年待った今年、タイミングがピッタリと合い、めでたくも我が家の食卓に上った。数年ぶりの再会ながら、
あー、やっぱりおいしい。
地中海地方のオリーブの実の漬物と違い、この小豆島のオリーブの塩水漬けは、アッサリ味。私は、ほんわかしたこの旨みがとっても好きなのだ。それがデリケートにひいた昆布出汁のようにも感じられ、何とも日本っぽく感じるから不思議だ。それに使っている原材料が塩(と水)のみ。そのまま食べておいしい塩分にすると、この「賞味期限一ヶ月」ということになり、この時季ならではということになるんだろう。
地中海地方のオリーブの実の瓶詰めはよく売ってるが、それらは旨みがとても強くオイリーな味だ。オリーブの品種も違うのだろうけど、原材料(調味料)が塩だけというのはあまりない。たぶん、産地へ行けば、塩だけのものもあるのかも知れない。それで思い出したのが、5年前の11月(オリーブの収穫時期)に、イタリアはプーリアへ行ったときのこと(下記エントリ参照)。木から落ちた生のオリーブの実をそのまま食べたことがある。舌がしびれるようでまずかった。オリーブオイルは、簡単に言えば、この実を絞ったジュースの上澄みの油を集めたもの。きっと食べるための実の場合は、梅の実のように一旦塩漬けにするのだろう。この小豆島のオリーブは、どうしているんだろう。もしかすると、その加工の工程にこの実のおいしさの秘密があるかも知れない。
●プーリア州のオリーブ収穫 (2010年11月18日)
まー何しろ、今年は小豆島のオリーブの実の塩水漬けが食べられた、実にめでたい(愛でたいとも言える)年であった。あー、来年もこの時期に帰省してねー。
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