さて、4月の半ばを過ぎると、やっぱりタケノコです。でもタケノコは、アク抜きが面倒だ。かといって、すっかりアクが抜けきった水煮缶のようなタケノコは、中華なんかではしばしば登場し、その食感を楽しませてくれるが、本来タケノコは、このアクというかエグ味を感じて「あー、タケノコだー」と感じるものでしょ。しかし、そのエグ味は、ほどほどでないといけない。そこで、「自分でアク抜き」となる訳だが、これがなかなか面倒なものだ。
サムライ菊の助「畑日記」の4月12日のエントリ「竹の子の水煮は柔らかく煮てはいけない」を読むと、
「竹の子は、掘ってから30分以内にゆで始めなければならないのである」
とある。サムライ菊の助さんは、ツバキの葉を使う点も、特筆もの。そして他の人からもまた、
「タケノコ掘りに行くときは、台所で湯を沸かしながら、行くものだ」
と聞いたことがある。つまり、「タケノコは、掘ったとたんにどんどんアクが強くなる」ということなのだが、それを聞くと、正直「そらりゃー、恵まれてるぜ」と、東京に住む私は言いたくなる。どちらも、自分ちの、または仲のいい人の竹林がすぐそばにおありの方だからこそ言える台詞だからだ。私の場合、東京といってもちょっと郊外の昭島市なので、近所に竹藪(真竹だけど)があるが、(知らない)人様のものなので、そこのタケノコは食したことはない。また、孟宗の竹林のある公園なんかに行くと、「タケノコを掘らないでください」なんて立て札があったりして失笑する。公園の竹林でタケノコを掘った輩がいたということだ。夜にでも忍び込んだのか。まさか白昼堂々とはいくまい。何ともいい根性しているなと思うが、余程のタケノコ好きだったのだろう。(もちろん、泥棒はいけないことです。よい子の皆さんはくれぐれも真似しないように)
さてさて、前置きが長過ぎた。
きょうは、その面倒なタケノコのアク抜きの新技の紹介です。
先日、カミさんが、人から聞いた話として、「大根おろしでアク抜き」という方法でアク抜きしてくれた若竹煮を食したが、ちょうどいいアク抜き加減だった。ちなみに、この簡単な方法の出所は、「分とく山」の野崎さんが、NHKでやってたとのことだった。(「分とく山」には行ったことはないが、私にとって野崎さんは「きょうの料理」などでお馴染みで、その料理・お人柄などのファンの一人である)
したがって、カミさんも私もその番組を見た訳ではなく、聞き伝えであり、何となく「こんな風に理解していて、結果的にうまくいった」という方法を下記に記します。
- 「大根おろし(汁も一緒)」と「水」を1対1の割合でボウルに入れ、総量の1%の塩を加え、混ぜる。
- 皮をむいたタケノコを料理する大きさに切って、そのボウルに漬ける。(冒頭の写真)
- 1時間置いたら、タケノコをさっと水洗いして、料理に使う。
無論、大根おろしの量は、タケノコの量をみて加減してください。何しろ時間にして、1時間と少しあれば、生のタケノコの料理を始められる。火も使わず簡単だ。サムライ菊の助さんが忠告する「竹の子の水煮は柔らかく煮てはいけない」は、アク抜き段階でのことなので、この「大根おろし法」だと、料理の際に気をつければいいこととなる。
掘ってからの時間などによって、タケノコのアクは異なるから、大根おろしの量または濃度(水との割合)を変えたり、漬けてる途中で一度大根おろしを新しいのに入れ替えたりするとより強力なアク抜きになりそうだ。あと、大根の品種によっても違うかも知れない。また、これは番組でもやってたみたいだけど、この場合の「大根おろし」とは、正確にはその汁(液体)のこと。普段、例えば焼き魚のために大根おろしを擦りますね。そのとき、ザルでざっと水分を取ったりしたとき、出た汁を残しておいて(冷凍して)、それをこのときぞとばかりに使ってもいいそうです。私は、大根おろしの汁が余ったら、飲んじゃうけど。
もう少し、皮付きのタケノコが店先に並ぶでしょう。米ぬかでのアク抜きが面倒という理由だけでタケノコを食べずにいるタケノコ好きの方は、この「大根おろし法」でやってみてはいかが?
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