2019年8月20日火曜日

新素材への道のり


ときどき、昼食に、仕事場近くのセブンイレブンで弁当や麺類を買う。レジで「レジ袋と箸は要りません」と言う。しかし、弁当や麺類自体のプラスチック容器のガサを見ると、げんなりする。廃棄は自治体のルールどおりに出しはするものの、この巷に溢れるプラスチック容器、スゴイ量だ。以前、このブログでも、触れたことがあるが、この量だとリユースも難しい。

ダンボールはリサイクル?(2010年3月26日)

マイクロプラスチックの問題がマスコミなどで取り沙汰されると、「○○社は、プラスチックのストローを○○年までに廃止すると発表」とも報道される。実際にどこまで実用化の見込みがあってそう宣言しているのかが気になると同時に、意地悪に人気取りのように感じたりもする。しかし、ストローだけでも現実的に廃止となると、プラスチックの代替品、つまり自然界で生分解する新素材の開発と実用化がされるということだから、「人気取り」で片付けては甚だ失礼だ。ただ、そこへ辿り着くまでの道のりはどんなものだろうか。それは、気になる。

ということで、プラスチックからそれに替わる新素材への転換の道のりを、ちょっと想像してみた。

当然のことながら、現在、各素材メーカーは、その開発に躍起だろう。で、今の段階だと、開発されても、枕詞のように、「コスト高が問題だ」となる。実用化には大量生産が必須条件だ。私の想像だが、現在のプラスチックのメインストリームの流通イメージは、大ざっぱには以下。

素材メーカー
  ↓
容器加工メーカー
  ↓
容器ユーザー(各メーカーや大手小売店)
  ↓
消費者

新素材もこれと似たような流通だとする。新素材の容器を作る側(素材メーカー・容器加工メーカー)としては、生分解の速度や機能性など過去にデータ・実績のないものを作るので手間も時間もかかる。そして「これならイケる」素材を開発しても、定期的に一定量以上の受注の目算がないと投資もしにくい。一方、その後ろの買って使う側(容器ユーザー)としては、定期的な大量発注は大きな変化になるので、慎重にならざるを得ない。新素材での機能的な問題は当然気になるところだし、定期的な大量発注の契約を容器加工メーカーと結んだものの、半年後に、より優れた安価な別の新素材が開発されては、困る。

規模の小さな会社にはなかなか出来ないが、こういうときこそ、おっきいところ、例えば、私が昼食をときどき買うセブンイレブンさんなんかどうでしょう? 手始めに、全国のセブンイレブンのレジ袋だけでも新素材の袋にする。これだけでも、素材・容器加工メーカーにとって、低価格化出来る受注量に満たないものか。アイスコーヒーのストローもいいが、ストローは口で直接吸うものなので、レジ袋の方がリスクが低い気がする。消費量はレジ袋の方が断然多いだろうし。多種多様な用途と形があるプラスチックは、素材自体、何種類もある。しかし、まずはひとつ。象徴的にレジ袋用の新素材だけでも、船出することが出来たら、気運が高まりはしないか。

あと、新素材の開発と平行して、普及初期の段階では、容器の規格数を少なくすべきと思う。一升瓶やワイン瓶のように、商品容器を数少ない規格に絞り込む。プラスチックは、成形するのが簡単なためだと思うが、今や商品の数だけ、容器の規格がある。特にPETボトル。同じ500mlでも商品によってみんな形が違うんだもの。それではなかなか前に進まない。新素材もいずれはプラスチックのように成形が簡単なものも出てくるだろうが、一般普及するまでの間は、規格数を絞ることによって、ひとつひとつの規格の生産数量を稼ぎ、普及に勢いをつける。それは全世界で、大手企業だけでなく、小さな企業も、おこぼれとして低価格で購入出来るようにして、普及を後押しする。

言うまでもなく、素材メーカーにとって、これは大きなビジネスチャンス。だけど、プラスチック→新素材の問題は、大企業・小企業・一般消費者というだけでなく、全世界的な問題なのだから、特定の企業や地域というものではなく、ボーダレスで早急な普及を目指してもらいたいところだが、それはキレイ事か。

まずは、素材メーカーさん、よろしくお願いします。

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