春に冬物衣装ケースに仕込んだ防虫剤が出てきた。お茶パックの中に楠の葉が入っている。
5年ぐらい前、息子が通ってた小学校の前をたまたま通りかかったら、正門を入ってすぐの大きな楠の枝打ちをしていた。葉が付いた楠の枝が、たくさん散らばっているのを見て、私は「何かに使えそう」と思った。そこで、その造園屋さんから、自転車に乗りながら持てる枝一本をもらい、居間の隅に置いといた。その後、葉はカラカラになって床に落ちるようになり、どうにかしないとと思いついたのが、防虫剤。お茶パックに入れた。
その後、何度か冬物・夏物の入れ替えをしてきたが、冬物の衣装ケースの楠の葉は乾燥してはいるものの、改めて手でクシャクシャすると、再び楠(樟脳)の香りが立った。「これならまだ使えるな」と、何回か使い続けた。だが先週末、そのお茶パックをクシャクシャしても、もうほんの少ししか香りがしない。流石に5年も経つと・・・・。あの楠の枝打ちはいつの時期だったか、憶えていない。どうにかしないと。
と、困っていたら、庭先のローズマリーが目に入った。これでいい。ローズマリーは、結構茂る。たまには枝打ちしてあげないと思いつつも、面倒でしてこなかったが、この葉を、楠の代わりに使えばいいと思った。
という訳で、今回の衣替えから、我が家の防虫剤は、楠(樟脳)からローズマリーに変わった。昔のナフタリンと違って、最近の防虫剤は、「自然派」と称するものもときどき見かけるが、不要になった楠やローズマリーの葉があれば、断然これの方がいい。
また我が家は「アレッポの石鹸」という石鹸を使っているが、その原材料には月桂樹オイルが含まれるが故に、石鹸自体をタンスに入れれば防虫剤になると聞いたことがある。まあ石鹸でなくても、不要になった月桂樹の葉があれば、それも使えるだろう。スパイス売り場の月桂樹の葉を防虫剤に使う訳にもいかないし。
35年程前に住んでいたアパートの窓の外に月桂樹の木があった。窓から手が届く距離だったので、そのときは料理で月桂樹の葉を使うとき、窓を開けて葉を2-3枚むしって使っていた。そのときは気がつかなかったが、防虫剤にもなったんだなと、今ふと思う。
この月桂樹の葉にしても、ローズマリーにしても、いくら身の回りで余っていても、気がついてないと、自分の中では「無いもの」も同然。必要なモノ・欲しいモノは「買う」習慣が身についてしまうと、その便利さと引換に損もしているんだなと思う。
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