上の写真は、東京駅の中央線のホームに通じるエスカレータ。つい先週末にこれを撮影した私は、左側の上りに乗っている。下りが右側にあって、電車を降りたばかりの人でビッシリ詰まってるが、私が乗ってる上りのエスカレータ内の右側は、見事にスッポリ空いている。ちょうど10年前、私は、下記のエントリを書いた。
そのエントリにもあるとおり、エスカレータの片側を、急ぐ人のために空けることを、いいアイデアだなと、若かりし私は思った。しかし、それは40年も前のこと。今は、ときどき「エスカレータでは、歩かない」と警告のシールが、エスカレータの側面にときどき貼ってある。つまり、この写真で言えば、「空いてる右側は(歩かずに)立ってなさい」ということ。しかし東京駅の中央線、スゴイ人にもかかわらず、上りエスカレータの右側は立ってる人なんかはいなくて、スッポリ空いている。
私は最近、92歳の母親の手を引きながらエスカレータに乗るときがある。そんなときは、横に並んで、つまり私は右側に立って、左に立つ彼女の腕を掴みながら乗りたくなる。しかし、そのスッポリ空いた右側に、ポツンと自分だけ立っていると、後ろから上ってくる人がいないか気になってしかたない。だから、左側に立っている母親の一段後ろの左側に立って、前の母親の腕を掴んで支える。
今の私に右側を「歩く」選択肢はないものの、かといって、(隣に母親がいようがいまいが)右側に堂々と「立つ」立つ勇気が出ない。こういう両方の現実を、きっと多くの人が感じている結果として、冒頭の写真のように、わんさか人がいる東京駅でさえ、右側はスッポリ空き、左側に立とうという人の列がエスカレータ下に長く出来るという、何とも奇妙な状況になってるのではないか。ただ、これも10年経たないうちに変わるんだろうな、きっと。
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