ヘンテコで長いタイトルだ。「ブラッディーマリーなのかソルティードッグなのかハッキリせい!」と怒られそう。
「カンホアの塩」のサイトで、「カノウユミコ・塩料理レシピ」というのをやっている。季節ごとぐらいに新しいレシピをアップしているが、昨日、この夏に向けて3品アップした。その中に、「スイカのソルティードッグ」というのがある。こーれが、なーかなかイイ。
ちょっとしたことだけど、ウォッカベースで、グレープフルーツジュースの替わりにスイカのジュースで割る。そしてスノースタイル・・・塩をグラスの縁(フチ)に飾る。もちろん塩は単なる飾りではなく、舌でチョイチョイなめながら飲む。だから塩の個性もしっかり感じ取れる。グレープフルーツは独特の苦味があるでしょ。それが瓜っぽいスイカのクセに替わって、甘さがやや増した感じです。元々、スイカと塩は幼馴染みな組み合わせなので、普通に記憶にある味だ。それにウォッカで大人な夏のカクテルになっている。こんなちょっとしたことと言えばちょっとしたことだけど、よく思いつくな〜、と感心しきりです、カノウユミコさん。
「カノウユミコ・塩料理レシピ」はコチラ
さて、この「スイカのソルティードッグ」。これはこれで完成された形です。ただ、ヴィジュアル的には、「ソルティードッグ」と言うより、どー見ても「ブラッディーマリー」でしょ。「ブラッディーマリー」がスノースタイルでサーブされてる風に見える。ちなみに、「カノウユミコ・塩料理レシピ」の写真は、自前(私がカメラ担当)なので、試食(試飲)もしてます。で、それならいっそのこと、「ブラッディーマリーをスノースタイルにしてみたらどんなだろう?」と思い立つのは、私としては当然の成り行きで、先日実際にやってみた。それが上の写真です。
もー、イケる、と思うよー。「トマトジュースと塩」だって「スイカと塩」と同じぐらい「普通に記憶にある味」だ。ウォッカの替わりにジンでもいいだろう。もちろん、これには「無塩」のトマトジュースが必要だ。私は、それを手っ取り早く求めるため、一番近所の赤と緑と橙色のコンビニへ走った。
ところが、意外や意外、トマトジュースという、かつてかなりメジャーだったはずの定番商品が、お店の冷蔵庫の一番上の一番ハジッコに追いやられていて、「無塩」のなんかは問題外。「そ、そんなハズはー」と、店内の「無塩」をくまなくチェックしてみると、トマトとにんじんとパブリカ(赤ピーマン)の混合ジュースがあった。「黄金比」と銘打たれたその商品を手にした私はしばしの間考え、買うことに決めた。一種の妥協だった。「オレは『ブラッディーマリー』を作りたいんだよ、無塩のトマトジュースで」との思惑が少し邪魔したが、乗り越えた。妥協から、新境地を開拓する気持ちにスイッチし、帰路についた。
で、ですね。まぁ、その「黄金比」による「ブラッディーマリーのソルティードッグ」。「黄金比」だから、上の写真をよーく見ると、色がトマトジュースよりやや黄みがかっているの、分かります? それで飲んでみて思ったのは、この世界もアリだろうけど、やっぱりトマトジュースだけで飲んでみたくなったというのが正直なところ。またはこの場合、スノースタイルにしない方がいい。トマトと塩はいいんだけど、にんじんと塩の組み合わせがややカクテルの趣から外れてしまう感がある。カクテルってやつは、いろいろ混ざってるからカクテルなんだろう。その混ざり具合の意外な組み合わせは、カクテルの「自由さ」を感じさせてくれる。だからって、何でもいいわけはない。例えばブラッディーマリーのように、世界的に長らく定番張ってるやつは、それなりに支持される理由があるのだ、と改めて思った。やっぱりブラッディーマリーはトマトジュースだけで。今度はちゃんとやってみよう。
ところで、ちょうどそんなことに思いを巡らせていたとき、村上春樹氏のエッセイを読んでたら、「飛行機の中で飲むのは、ブラッディーマリーがいい」という下りがあった。ん〜、そう言われると、とても不健康な空気に満ちている密室の機内は、トマトジュースの健康的な感じがいいように思える。今度飛行機に乗ったら、「ブラッディーマリーを、スノースタイルで」と頼んでみようかな。
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