2012年3月6日火曜日

写真教室とボルシチ

「カンホアの塩」のサイトでは、カノウユミコさんの塩料理レシピを定期的にアップしている。そこで使っている写真はすべて私が撮ったもの。決していい写真とは言えないが、始めてもう5年たった。始めた当初は、「レシピとして伝われば・・・・」ぐらいの気持ちだったが、続けているうちに欲が出てきて、「もっと思うとおりに撮れないかな〜」と思うようになった。そう思い始めると、自分が撮った写真がとてもヘタクソに見えてくる。

そこで、カノウユミコさんのお誘いを受けて、去年の秋から月一回ぐらいのペースで、写真教室に通い始めた。実は昨日もあったのだが、教室の主催は、彼女のお店・仙。先生は久間昌史さん。nobuや菊乃井といった大御所の料理本の写真を撮った方でもある。

とまぁ、そんなこと始めると、何かとカメラ関連品が必要になってくる。その関係から、新宿西口のヨドバシカメラに何度か通うことになった。

先週末も修理が終わったフラッシュをとりに新宿へ。用事が済むと、その日はちょうど昼時だった。「どっかこのへんで昼飯っつったらどこかな〜」と、まだ寒さの残る空を見上げたら、30年ほど前に行ったロシア料理のレストランを思い出した。1回か2回しか行ってないが、おいしかった記憶があって、「また行きたいな」と淡く思いつつ30年が過ぎていた。それにしても、30年たって思い出すレストランってのも、そうはない。

とはいうものの、しつこいけど30年ぶり。「まだあるかな〜」と半信半疑だった。当時すでに老舗だったと思う。富士重工のビルだったのは憶えていたので、まずはそのビルの案内板を見た。

地下1階と2階、店名までなく、「スバル名店街」としかない。どれどれと歩き進むと、マクドナルドと大戸屋がドーンとあった。「この様子だと、もうなくなってるかな〜」と思いきや、ありましたー!

「ロシアレストラン スンガリー」

この入り口のイメージも、30年前当時のまま。30年前に1〜2度会っただけだけど、とても気のあった知人に再会したかのような気持ちになって、とっても嬉しかった。

そしてこれが外にあったメニュー。

木製の扉を開けて入ると、満席・・・・のように見えたが、「カウンターならお一人分あります」と、運良く座れた。

グルジア産の赤ワインをグラスで注文。すぐさま出てきたのがこのボルシチ。やさしい味で、ホッとする感じ。ディルがやんわり効いてる、ビーツがベースのスープだ。これに黒パンがついてくる。

私個人的には、30年ぶりの嬉しさも手伝って、ワインも黒パンもおかわりして、次のロールキャベツのオーブン煮込みを迎える。(おかわりはどっちも有料でーす)こっちもディルがほんのり効いてた気がする。あとはアニスかな(不確か)、何しろおいしゅうございました。(岸朝子さん風)

最後に、甘ーい何種類かのベリー系ジャムを口に含みながらすするルシアンティー。ほろ酔い気分で、新宿西口の雑踏も気にならず、帰路についた。

写真教室に通ってなかったら・・・・、ヨドバシカメラが昼時じゃなかったら・・・・、お店がなくなってたら・・・・、カウンターの1席が空いてなかったら・・・・、いろんな偶然が重なって、30年ぶりに再会したこのボルシチは身も心も温まるおいしさだった。

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