2012年3月2日金曜日
東京の雪、雪国の雪
一昨日の早朝から半日、私の住む東京に雪が降った。1ヶ月ほど前も雪降りの日があったが、そのときは氷点下の中降ったから、東京の雪としては珍しくサラサラで、雪ダルマが作れなかった。
昨日の雪は東京らしい牡丹雪。2℃ぐらいの中の雪だったから、ベタベタ雪で簡単に雪ダルマができた。前夜から予想できたので、いつもより1時間早く起きて、子供2人と雪ダルマを作った。ベタベタ雪で、手袋やヤッケはビショビショになったが、子供たちは興奮して雪を重ねた。
東京生まれ東京育ちの私も、子供の頃、「雪→雪ダルマ」という発想だった。雪が降っても雪ダルマを作れなきゃおもしろくない。雪ダルマが作れるほどの雪は、東京では何年かに1度のチャンスだから、いろんな不具合は全く気にならず、楽しみが上回る。
これはもちろん雪の少ない地域だからこその話。雪の日、東京の道ばたの雪ダルマの数は、雪国に比べ、断然多い。
二十歳頃、スキー場のロッジで何シーズンか泊まり込みのアルバイトをしていた。親しくなった同じ年頃のそこの息子さんが、2月の終わり頃のゲレンデで、遠目に見える山をストックで指して私に話してくれたことを思い出す。
「山が黒くなったろー。(針葉樹の葉に積もった雪が落ち、その濃い色の葉が露出して黒く見える) あとひと月ぐらいすると、今度は(ずぅーっと雪に覆われてた足下の)地面の土が、少しだけ見えるときがあるんだ。それが嬉しいんだよ。分かる?」
そこはスキー場だったから、雪が消えることはスキー客がいなくなることを意味する。私は、それって寂しいことじゃないかなと思っていたから、とても意外な話だった。
さて、東京の雪は、2月〜3月が多い。一昨日が2月29日だったから、もう一度ぐらい降るかも知れない。12月〜2月の東京は、晴天の下の放射冷却で、肌を刺すような乾燥した北風が寒いが、2月〜3月になると少しずつその西高東低の気圧配置が崩れ始める。そして、雲が発生し、雪や雨が降る。この三寒四温の候、「寒」のときに雪が降る。雪国と違い、東京の雪は、「春はもうすぐだよ」と告げているのだ。
東京の子供たち、そして朝起きてカーテン開けると広がる一面の雪景色を楽しんでいる大人たちにとって、東京の雪は、歳時記上「春」であり、その訪れを喜んでいるように感じる。
一昨日の雪降りから一転、昨日は暖かな一日だった。冒頭の写真の雪ダルマもすっかり姿を変えてしまったが、子供たちはそれを悲しむことはない。
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