2012年6月5日火曜日

立石・二毛作、おでんのトマト

上の写真は、東京の京成立石駅前の仲見世商店街の入口付近。昭和にタイムスリップしたかのようなこの雰囲気は、オジさんの私にはたまらない。そしてこの奥少し行った左側に「二毛作」という名の小さなバーがある。

1〜2年ほど前のこと。友人との待ち合わせ時間より少し早く着いたので、この商店街を少しウロウロしてたとき、「二毛作」の前を通りかかった。午後2時頃だったか。まだ日が高いのに(嬉しくも)営業している様子。扉のない店なので、前を通るだけでも店内の様子がよく分かった。客はいないものの、表に出てた日本酒のメニューに目が留まった。

小笹屋竹鶴 大和雄町
久保本家 きもとのどぶ
神亀 真穂人

日本酒はこの3つだけ。な、なんと言うセレクションだ。私が自宅で好んで飲むものばかり。もー、これは冷静ではいられない。入らなければ気が修まらない。しかし、待ち合わせの時間がせまり、駅前へ向かった。用件よりも先にまずは「二毛作」の話をしたら、その友人の知り合いの店だという。まぁ、こんなものだ。無論、「二毛作」へ向かった。

でまぁ、何で「二毛作」かという話から。

行けば分かるが、この店の隣はおでん種屋さん、丸忠蒲鉾店。丸忠蒲鉾店の息子が隣のちょっとしたスペースでバーをやっている。「二毛作」では、丸忠蒲鉾店の店先のおでん鍋の中のおでんも注文できる。「二毛作」でおでんを注文するとお店の人はすすすっといなくなって隣へ行く。もらった名刺にある店名は「おでん 二毛作」だ。雰囲気はバーまたはモダン立ち呑み風(椅子あります)だが、おでんを「食べる」店。おでん種屋さんは主に日中の商売で、それを食べるのは主に夜。昼と夜の二毛作という訳だ。

この商店街にあって、昔ながらのおでん種屋さんと、そこのおでんが食べられるモダンなバーのコントラストがたまらない。親御さんは立石一筋な雰囲気で地元密着の昔ながらの商売をしている。一方、息子は外から見た立石のよさも汲みつつ地元に馴染んだ自分のスタイルを作って商売をしている。しかし、それらは隣り合わせで、おでんを介して繋がっているという何ともオシャレな関係だ。

さて、ここのおでん。濃口醤油で真っ茶色になったおでんではない。いわゆる関西風のうっすらとした汁。料理はおでんだけではないが、まずは下の写真。


おでんのトマト(400円)。ドライのバジルがのっかっている。気の短い私は、注文してなかなか出てこなかったので催促した。そしたら隣に座ってた常連の友人が説明してくれた。「湯むきしたトマトをおでん鍋の中に入れていると崩れちゃうから、注文を受けてからおでん鍋に入れるんだ」。そしてその汁が染み入るまでおよそ30分ぐらいは待たねばならない。ん〜、何とおいしいこと。思わず「おいしい」と口走ってしまうおいしさだった。

それにしても、このトマトを食べたのは午後3時ぐらいだったか。ここ立石の商店街の飲ませてくれる店々の開店は早い。「二毛作」のはす向かいにも昼過ぎ開店のもつ焼き屋さん(うちだ)がある。が、開店からいつも行列なのでいまだに入ったことはないけど。その先には立ち食いの寿司屋さん、栄寿司。おいしい。ここも昼過ぎからやってる。立石ってすごいな。決して高くなくて、おいしく飲み食いできる店が軒を並べてる。

こんな商店街が自宅の近くにあったらいいなと思うが、自宅からは1時間半かかる。
飲み食いは4時で終わりにして、6時までの学童と保育園のお迎えに、ほろ酔い気分で向かった。

●web site おでん 二毛作

0 件のコメント: