12月28日のエントリ「日本モノにあふれる台北」で書いたように、12月に2泊3日で台湾へツアーで旅行に行った。
たった2泊3日。またどこへ行くにも貸し切りバスに乗って、ガイドさんにドアトゥードアで連れてってもらうツアー旅行では、皮膚感覚的には、その土地のことはよく分からない。だが、付いてくれたその台湾人のガイドさんの話しはとても勉強になった。彼女は、台湾の原住民と外省人のハーフ。もうこの原住民、内省人、外省人という説明を聞いただけでも、台湾の歴史がひしひしと伝わってくる。ガイドさん付きツアー旅行のよさは、2〜3日であっても、それなりに仲良くなるので、その場で気がついたことを質問しても、答えてもらえることだ。
お茶飲んで、素食料理を食べるツアーだったのだが、それ以外にも私なりに気になった些細な事がいくつかあったので、それを書いてみようと思う・・・・と、12月28日のエントリの末尾を書きながら思ったのだが、そんな些細な事々の前に、ひとつ思うことがある。
先のエントリでも書いたように、あふれる日本モノに驚いたことが台北で一番印象に残ったことだったのだが、あふれる日本モノは、香港でも似たような状況らしい。最近たまたま読んだ新聞の香港駐在員によるコラムにそうあった。そして、台湾だけでなく香港も、とても親日的らしい。あえて付け加えるが、どっちもかつて日本が侵略した土地であるにも関わらずだ。しかし考えてみると、米国に対して、終戦直後から親米なこの国もあるのだから、それ程意外に思う必要もないのか。
それで思い出すのは、一昨年に訪れたロシアのイルクーツクでのこと。ロシア人の姉御肌なガイドさんからの忠告だ。「日本は最近、中国や韓国と仲が悪いらしいじゃない。アメリカなんかと仲良くしないで、(ロシアを含む)もっと近くの国と仲良くしなさいよ。太平洋の向こうのアメリカなんか、いざとなったら何もしてくれないよ」といった内容のものだった。(2014年10月2日のエントリ「ロシア旅行no.7・ロシア、イルクーツクの人」参照) 今回、2〜3日とは言え、台湾の人たちの親日的な感覚を直に感じると、中国や韓国・北朝鮮の人たちと仲良くならないことが不思議に思える。無論、事情は国々によって違うし、たった2〜3日の滞在だけだったのだが。
近隣の国・地域で仲が悪い話しは、世界中で珍しくない。私のイタリアの友人は、ヨーロッパ北部、特にイギリス人のことを「センスがない」だの「面白くない」だの言うし、米国の東海岸の人は、西海岸の人のことを「脳天気だ」とからかう。ベトナムでも、南部の人は、北部の人を妙に真面目すぎて冗談も通じないなどと揶揄する。京都人は大阪人を「せわしいわー」などと言ったりね。無論、反対方向も似たようなものだ。まぁ、近すぎてかえって仲が悪くなることというのはよくある話しだが、変にエスカレートしてしまうと、冗談では済まなくなることもある。
日本へ伝わった多くの文化は、中国や朝鮮半島、台湾など近隣の国々から渡ってきた。今回の台湾旅行で訪れた故宮博物館の展示物を観ても(2時間という超特急だったが)、ほとんど日本に来た文化そのものではないかと、正直、唖然とした。以前は、中国の造形物はもっとゴージャスに荒々しくて、日本に渡って繊細になったという大ざっぱなイメージを持っていたが、それはある種のステレオタイプのイメージで、全くそんなことはない(私が感じる限り)。シンプルな形に込められた繊細な線と色。惚れ惚れとする造形美。無論、撮影禁止なので、その画像をここでお見せできないのが残念ではあるが、あー、もっとゆっくり観たかった。
外国へ行って、変な日本庭園や日本料理に遭遇すると、「日本のこと分かってないなー」と思わず笑ってしまうことがあるが、私だってどれだけ中国のことを分かっているかというと、ほとんど分かってないのだ。故宮博物館だけでも、「分かってないことが分かった」と強がり言うのが関の山だ。細かく研究した訳ではないが、日本の造形物は概ね中国を模倣しただけのようにも感じてしまった。庶民モノではなく特別な博物館の展示物とは言え、これらを産みだした中国はスゴイ。
日常的に反日のテレビ番組が放映されているという中国からは、爆買いする旅行者がたくさんいるという。何ともヘンテコな世の中じゃありませんか。多くの人が思ってることだろうが、全体的にもっといい方向にいかないものだろうか。商売では、これらの国々の往来は盛んだろう。でも、「いい方向」のためには、それだけじゃなく、もっとプライベートな個々の繋がりを持たなきゃいけない。短い時間ながら、街を歩いたり、原住民と外省人のハーフのガイドさんと接していてそう思いました。はい。中学生の意見のようだけどね。
さてさて、3日間の台湾滞在で私が感じた些細な事々。まーた次に持ち越だ。冒頭の写真は、故宮博物館のお土産屋さんで買った携帯ストラップ。ミーハーながら、名物の白菜とキリギリスでした。本物は、「ここまでやるかー」という、想像を遙かに超えたものでした。
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