2013年7月18日木曜日

オッサンはステテコ・ブームに動揺する


この2〜3年、ステテコがブームみたいだ。昔は、ステテコと言えば白しかなくて、オッサンの専売特許だったけど、今どきのは、いろんな色柄などあってオッシャレ〜になってる。

夏の日に、オッサンが真っ白なステテコに前ボタンの薄手の丸首シャツ、ときにはらくだの腹巻き姿で、ウチワであおぎながら、軒下の長椅子で将棋を指してる・・・・なんて光景が昔は本当にあった。あのオッサンの「余計なことを気にしない(洗練された)」自由な姿はよかったなー。暑いときは涼しい格好をする。とてもシンプルだ。ただ、「余計なことを気にする」お年頃(二十歳頃)の私は、ステテコを部屋着としてこっそり愛用していた。涼しかったし、色はともかくとして(白しかないので)、デザインも好きだった。ただ、それで外に出るまではしなかった。

そして、10年ほど前の夏の日、ステテコがこんなブームになる前、私は忘れかけてたステテコを思い出し、近所の(東京郊外の)ホームセンターで探したことがあった。後から思えば、昔ながらの洋品屋さんだったらあったかも知れないが、ホームセンターではなかった。と、ちょうどそのとき、田舎に住む、カミさんのお父さんと電話で話す機会があったので、思わずきいてみた。

「最近、ステテコが欲しいと思って近所探したんですが、売ってないんですよね。お父さんいつも夏履いてましたよね? ご近所で売ってます?」

「そりゃ売ってるさぁー、東京で売ってないの? それなら今度送ってあげる」

と、有り難くも2枚の真っ白なステテコを送ってもらった。
もちろん、グンゼの綿100%。タグを見るとちょっとビックリ。「日本製」となっていた。10年前でも珍しかった。今でもそうなのかな。


さて、届いた真っ白なステテコ。20年ぶりだった。このスースーした薄手感がいいんだよなー、と手にとって見たが、「これ履いたら本当にオッサンになっちゃうな」と思った。二十歳の頃の私はそんなことちっとも思わなかったのに、オッサンの入口ぐらいの歳になってみるとかえって意識してしまい、「このままじゃいかん」と思うのだった。そこでオッサンは、ダイロンで染めることを思いついた。それまで、ときどき、シャツや座布団カバーなんかも染めてたってこともあって。これが年の功というものであろうか。

そしてただ染めたんでは面白くないからと、一度水洗いしたステテコを、グチャグチャに丸めて茶色のムラ染めにしてみた。それが冒頭の写真。撮影は最近なので、ちょっとくたびれた感じです。真っ白だったステテコでは、近所への買い物にも行けない感じだったが、これだとステテコとは見えないので行けた。我ながらこのオリジナリティに満足していた。また、こういうちょっとした欺(あざむ)きが好きなのだ。

するとどうだろう、その数年後。あちこちでステテコ売ってるではないかー。真っ白なのはひとつもない。ステテコの「コ」が「CO」とかになってやがる。こうなると、冒頭の写真のステテコが、オリジナリティというよりは、ずいぶん貧相に、またはさらに「オッサン度」が増したように見えてきた。

ん、何かがおかしい。

こんなステテコ売ってないし、実際に私はもう十分オッサンだ。「余計なことを気にせず」、これ履いて買い物に行くんだ、と呟くオッサンであった。あ〜、きょうも暑ぢぃー。

0 件のコメント: