前回のエントリ、「白抜きタンメン 【その1】」の続きです。
まぁ、そういうことで、「白抜きタンメン 【その1】」にある写真の「白抜きタンメン」に至るまでには私なりの「道のり」がありました。初訪の際は、普通に「タンメン」と注文するだけ。でも、ポーズで新聞なんか読みながらも、五感を研ぎ澄ませ、タンメンの味はもちろん、店の様子や店の人の雰囲気なんかをよーくうかがうのです。(←ここんとこがとっても大事) そして「この店はもし説明の段になっても聞いてくれるかも知れない」と感じたので、その後もお客さんの少なそうな時間を狙って足を運びました。そのうち、だんだんお店の人とも親しくなっていき、ついに「お客は私ひとり」状態のときがやってきた!
「あの〜、白抜きって分かりますか?」
「ん〜、何それ? 知らねぇーなー」
「昔の隠語なんですけど、・・・・・・ということなんです」
そしたら、「本当に大丈夫なんですか?」と最初は言ってたけど、結局は「今度から、そう言ってくれればそうしますよ」と言ってもらえた。・・・・と、その話がついた瞬間に、新しいお客さんが入ってきたことを今でも覚えています。そんな末に、写真の白抜きタンメンは存在するのです。ハァー。
当初は、お店の人からも、「そんなのおいしいの?」と疑われたけど、最近は、「これはこれで結構いけるよね」とまで言ってもらえるようになりました。私は、他のラーメン屋さんなんかでも何度か「白抜き」での注文を試みたことがあります。通りすがりの店では決してしません。もっぱら仕事場や自宅の近所です。こんな冷や汗かきながらのことを、一度しか行かない店で試みるのはバカらしいですから。それでその反応はというと、お店によって様々です。もちろんイヤな顔をする人もいます。「この店で出してるラーメンがイヤなら来るな」とは言わないまでも、その意見は筋が通ってるので、反論の余地もありませんから。
まぁ、これは食い物に対する私の異常なまでの執念かとも思えるので、あまり安易に人には勧められませんが、他のお客さんにバレないように、この言葉が広く浸透することを心から祈るばかりです。
そしてもう一つ。「白抜きタンメン」の注意点として言っておきたいことがあります。
通常の白入りタンメンと比べ、白抜きタンメンは加える塩の量が少なくなります。つまり、化学調味料というヤツは、塩気を抑える働きがあるんです。私の感覚では、化学調味料の強烈なうまみが、舌の味覚をやや麻痺させつつ舌を覆う感じがあるのです。だから、ある一定量以上の化学調味料の入ったラーメンなど食べた後は、食べ終わってしばらくたっても必ず舌の上にその味が残ります。まぁ、その感覚が好きじゃないので、私は「白抜き」ってお願いするんです。
それでー、塩の量が少なくなるってことはです。普段白入りタンメンを作るのに慣れてる料理人さんは、白抜きにするとついつい多めの塩になりがちなのです。だから、快くわがままな「白抜き」を受け入れてくれた際は、「薄塩で」と軽く言葉を添えると、ちょうどいい塩加減のタンメンにありつけることが多いです。ご参考まで。
それから、やや手前味噌ですが、「カンホアの塩」のサイトで紹介している「カノウユミコ・塩料理レシピ集」では、「白菜の精進塩ラーメン」という、ベジのタンメンのレシピもあります。ガラスープなど動物性の食材を全く使ってないタンメンだけど、先入観なしに食べてみると、やっぱりタンメンは野菜から染み出た味がおいしいんだと再認識できます。是非お試しを。
最後に、1冊、本の紹介です。
関東地方限定ではありますが、「無化調ラーメンMAP(幹書房)」という本も出版されてます。(2008年8月の発行)「化学調味料はちょっと入っている方がおいしい」という人もいます。でも、無化調ラーメン、とっても応援したい私です。
2 件のコメント:
白抜きタンメンに至るまでの、店長殿の努力には頭が下がります。まさに、食いしん坊万歳!です。拙者も、化学調味料無しのラーメン屋さんのラーメンを食べてみたいです。最近知り合った屋台のラーメン屋さんに、まずは足しげく通うことから始めなければ・・・ですね^^
> サムライ菊の助さん
その屋台のラーメン屋さんに、「一度でいいから、化学調味料なしのラーメン食べてみたいな」なんて言えませんか? 「ダメもと」のゆるーい気分でいいんですよ。何しろ普通はダメなんだから。それさえ心してれば恐くない。ラーメン屋さんって、案外と、化学調味料使ってることに一抹の疑問を持ってたりすることがあるのです。一抹の疑問ですが。
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